この記事を読んでいるあなたは、上記のように考えているかもしれません。
経費精算システムは、社員の経費精算プロセスを効率化し、会計の業務負担を軽減するツールです。しかし、数多くのサービスが存在し、各々には特徴とメリットがあります。その中から最適なシステムを選ぶためには、何を重視すべきかを理解することが重要です。
この記事では、経費精算システムの機能と選び方、そしておすすめのシステムを比較しながら詳しく紹介していきます。
- そもそも経費精算システムとは
- 経費精算システムの機能
- 経費精算システムの選び方のポイント
- 経費精算システムのおすすめ13選
目次
そもそも経費精算システムとは？
経費精算システムとは、経費精算の流れ全体をスムーズにするためのシステムのことを指します。
このシステムは、経費の申請から始まり、その承認、会計ソフトウェアへのデータの連携という一連の手続きをより効率的に行うことを目指しています。
この種のシステムは、物品購入などの一般的な経費精算だけでなく、交通費、小口現金、出張費用など、さまざまな種類の経費に対応しているものが多いです。
最近では、システムが自動的に文書を読み取り（OCR）や交通費を計算する機能を備えたものも登場しており、経費精算の手間を大幅に削減できるようになっています。
経費精算システムの機能は？
以下に、経費精算システムの基本的な機能を表形式でまとめてみます。
| 基本機能 | 説明 |
| ルート検索とのデータ連携 | スマートフォンやパソコンで検索した交通機関のルートや運賃のデータを使って、交通費データを作成できます。これにより、単純な入力ミスを防ぎ、経理担当者の作業負担を軽減できます。 経路情報とも連携しているため、適切なルートを使用して申請が行われているかの確認も簡単です。近年では、交通系ICカードの履歴データを取り込む製品も出現しており、経費データ作成の作業がさらに簡単になっています。 |
| 経費申請・承認機能 | Excelなどで集計した結果をプリントアウトし、上司に申請する手間を省けます。上司も紙の書類をチェックする労力を削減でき、申請から承認、そして経理部門への提出までのプロセスがデジタルで一元化されます。 これにより、データは最大限活用され、事務作業が効率化します。 |
| 会計ソフトとのデータ連携 | 経理部門で処理が終わったデータを会計ソフトや給与計算ソフトと連携させ、仕訳データの生成などを行います。経費精算に関するほとんどの事務作業をデータ上で完結させ、事務作業の重複や再入力によるミスを防ぎます。 これにより、全社的なレベルで業務改善が可能となります。また、必要な箇所を効率的にチェックし、重大なミスや不適切な経費請求の見落としを防ぐことが可能となります。 |
経費精算システムは、これらの機能を活用することで、経費精算のプロセスが大幅に効率化され、一元管理が可能となります。
経費精算システムの選び方のポイントは？
経費精算システムの導入や選定は、現代のビジネスにおいて非常に重要な課題の1つです。
コスト削減や負担軽減など、経費精算システムの導入により多くのメリットが得られます。
しかし、多数の経費精算システムが存在する中で、どのような基準で選定を行えば良いのか、また導入前にどのような準備が必要なのか、
といった疑問はみなさん生じるでしょう。
本項では、経費精算システムの導入・選定に関する基礎知識から、具体的な選定方法まで、解説していきます。
- 最新の法律・テクノロジーに対応している
- 経理業務の課題解決
- 関連する経理・会計業務のシステム連携が可能か
最新の法律・テクノロジーに対応している
経費精算システムが注目を集めている理由の一つに「スキャナ保存制度の改訂」があります。平成27年度と28年度に、この制度は大きく緩和されました。
以前は3万円未満の領収書のみが電子保存可能だったのが、金額の制限がなくなり、さらにスマートフォンでの撮影も認められました。
これにより、接待費などの経費申請を遠隔地からも送ることができ、営業スタッフの仕事負荷を大幅に軽減することが可能となりました。ただし、スキャナ保存制度ではタイムスタンプ（記録の日時情報）に対応することが必須となっていますので、スキャナ保存機能を使う際には、この機能があるかどうかを確認することが重要です。
さらに、経費精算の中でも特に多くの社員が関与するところが交通費精算です。毎月、大量の申請が紙やExcelで上がってきて、内容の確認やエラーチェックに時間を費やす担当者も多いでしょう。
しかしながら、クラウド型の経費精算システムの一部には、交通系ICカードと連携して自動的に交通費のデータを出力したり、定期券代を自動的に除外したりする機能を持つものがあります。こうした機能を使うことで、申請や管理の手間を大いに省くことができます。
経理業務の課題解決
業務プロセスをシステム化する際、一般的には現在の問題点を見つけ出し、それらを解決できる製品を選びます。これはクラウドベースの経費精算システムを選択する際も同じ考え方が適用されます。
まず第一に、自社が直面している課題を特定し、解決するべき優先度を決定することが重要です。こうすることで、必要となる機能や重視すべきポイントが明確になります。
以下が簡単な例となっております。
・エクセルの手作業からの脱却とミスの削減
・仮払い手続きや証憑書類の管理業務の負荷軽減
・生産性の向上
関連する経理・会計業務のシステム連携が可能か
経費精算システムの重要な特性の一つは、経理システムや会計ソフトウェアとの連携機能です。経費精算のデータは、経理システムに取り込まれて給与支払いや会計上の集計作業に使われます。
その結果、経費精算システムは一般的に独立して使われることは少なく、既存の会計ソフトウェアとうまく統合できるかどうかが製品選びの重要な要素となります。
そのため、会計ソフトウェアを提供している企業が経費精算システムも提供していることがあります。既に会計システムを使っている場合、同じ提供企業に経費精算システムについて問い合わせると良いでしょう。
さらに、他の会計システムとの連携を保証している経費精算システムも多く存在します。自社で使っている既存のシステムと経費精算システムが連携できるか、そしてどのように連携するのかをシステム提供企業に確認しましょう。
もし連携ができない場合でも、既存のシステムを見直して入れ替えることで全体のコストや作業時間を削減できる可能性があるため、どのシステムを入れ替えられるかを確認することも大切です。
【中堅〜小規模向け】経費精算システムおすすめ人気ランキング8選
現在、様々な経費精算システムがありますが、
ここでは代表的な中堅〜小規模向けの8社のツールについて説明していきます。
ジョブカン経費精算｜株式会社Donuts
ジョブカンは、150,000社以上が導入している信頼性の高い経費精算システムです。
このシステムは、経費の用途や金額に応じて自動的に承認経路を変更することができます。申請や承認が行われるたびに、メールやSlack、ChatWorkに通知が送られ、進行状況を効率よく管理することが可能です。
さらに、申請時に自動的に勘定科目が判別され、仕訳データも自動的に作成されます。これにより、経理担当者の作業負担が大幅に軽減されます。
主なデータ入力方法としては、乗換案内との連携、交通系ICカードの使用、そしてAmazonビジネスとの連携があります。
SmartGo Staple｜NTTコミュニケーションズ株式会社
出典：https://www.ntt.com/business/services/application/smartworkstyle/smartgo-staple.html
「SmartGo Staple」は、交通費の精算がリーダーアプリで「モバイルSuica」をスキャンするだけで行える便利なシステムです。
さらに、必要な備品を購入する際には、「Staple カード」という法人向けのプリペイドカードを使用できます。このシステムを利用すれば、従業員は立替える必要なく、領収書を撮影してアプリに送信するだけで経費精算の申請が完了します。
このとき、撮影された領収書にはタイムスタンプが自動的に付与され、証憑化が可能です。
また、「SmartGo Staple」は、「グッドデザイン賞」を受賞した高品質なインターフェイスを持ち、スマホアプリの操作性にも優れています。
主に使用されるデータ入力手段は、領収書のOCR読み取り、交通系ICカードの使用、法人プリペイドカードの利用、そしてSlackやChatworkへの通知機能です。
TOKIUM経費精算｜株式会社TOKIUM
出典：https://www.keihi.com/expense/
TOKIUM経費精算は、領収書をスマートフォンで撮影し、専用のポストに投函するだけで経費精算が可能です。手書きの名前や領収書への貼り付けなどは必要ありません。
撮影した領収書は、サービス提供者が回収し、オペレーターが領収書の原本と比較しながら確認し、AI-OCRを上回る99.9％の精度でデータ入力します。
さらに、領収書の保管から一定期間が経過した後の廃棄までをサービス提供者が代行します。
完全にペーパーレスなので、テレワークなどのリモートワークにも適しています。また、ユーザー数に制限がないため、全従業員にIDを発行して利用することができます。
主な入力手段は、領収書の代理入力、交通系ICカード、クレジットカードです。
TeamSpirit 経費精算｜株式会社チームスピリット
出典：https://www.teamspirit.com/ja-jp/service/ts/expense.html
TeamSpirit 経費精算は、経費精算だけでなく、勤怠管理、就業管理、工数管理、電子稟議、社内SNS、レポート、ダッシュボードなど、さまざまな業務アプリケーションを一元化して利用できるクラウドサービスです。
これらの機能は一貫した操作性とワークフローを基盤にしているため、一つのシステム内でシームレスに動作します。
特にバックオフィス全体を効率化したいと考えている場合には、このサービスは強力なツールになります。電子帳簿保存法に対応したペーパーレス化、口座振り込みの自動化、仕訳データ作成などにより、経理部門の生産性向上にも貢献します。
入力方法としては、領収書のOCR読み取り、乗換案内との連携、交通系ICカード、クレジットカードなどを利用できます。
マネーフォワード クラウド経費｜株式会社マネーフォワード
出典：https://biz.moneyforward.com/expense/
マネーフォワード クラウド経費は、他のマネーフォワード製品と連携することで、バックオフィスの業務効率化が可能になります。
例えば、「給与」との連携により、立替経費の給与との連携が可能になります。「会計」とのAPIデータ連携では、CSV出力が不要になります。
さらに、申請内容の承認・差し戻し、領収書の突き合わせ・ファイリング・保管などの業務をアウトソーシングするサービスも充実しています。また、経費申請だけでなく、出張申請や購買申請などにも利用できるワークフロー機能があります。
主な入力方法としては、領収書のOCR読み取り（手書きはオペレーターが代行入力）、乗換案内との連携、交通系ICカード、クレジットカードが使えます。
HRMOS経費｜イージーソフト株式会社
出典：https://www.ezsoft.co.jp/ekeihi/
HRMOS経費は、60種以上の会計ソフトとの連携経験があり、仕訳データの出力が可能です。基本プランでも多機能で、企業の成長や変化する社会状況にも柔軟に対応できるシステムとなっています。
申請や承認の処理だけでなく、経理担当者がシステムへの記載や支払い処理にかかる時間も大幅に削減します。
主な入力方法としては、領収書のOCR読み取り、交通系ICカード、クレジットカード、プリペイドカード、Amazonビジネスとの連携が可能です。
J’sNAVI NEO｜株式会社JTBビジネストラベルソリューションズ
JTBが提供している「J’sNAVI NEO」は、経費精算に特化したシステムです。経費、交通費、接待費などの一般的な経費精算業務を効率的に行え、出張が頻繁に発生する企業に特に推奨されています。
法人向けに特化した各種サービス（例えば、飛行機や新幹線の予約、宿泊施設の手配、パッケージツアーの予約など）を一元的に手配可能であり、一括請求・支払いも可能です。
これにより、「無駄な出張の防止」や「出張費用の削減」など、出張に関連するさまざまな課題を同時に解決することができます。
領収書のOCR読み取り機能、乗換案内との連携、交通系ICカード、クレジットカードを使った入力方法が主な特徴となっています。これらの機能により、経費精算の手間と時間を大幅に削減することが可能です。
rakumoケイヒ｜rakumo 株式会社
出典：https://rakumo.com/product/gsuite/expense/
「rakumoケイヒ」は、「Google Workspace」のユーザー管理、認証、セキュリティ機能を活用することができるクラウドベースのツールです。
Googleカレンダーに出発地と到着地を入力すれば、自動的にNAVITIMEが運賃や乗り換えルートを検索・表示します。また、定期区間の控除も自動的に行われます。スマートフォンを利用して、申請書を自動生成し、経費精算を申請することも可能です。
だけでなく、rakumoケイヒは勤怠管理、稟議・申請、カレンダー、掲示板、連絡先管理といった多機能を搭載しています。これにより、経費精算だけでなく、その他のオフィスワークも効率的に行うことができます。
主な入力手段としては、乗換案内との連携やスケジューラーとの連携が可能です。これらの機能を活用することで、経費精算や他の業務の手間を軽減できます。
【中堅〜大手向け】経費精算システムおすすめ5選
ここまで中堅〜小規模向けのツールを紹介してきました。
ここでは代表的な中堅〜大手向けの5社のツールについて説明していきます。
ジンジャー経費｜jinjer株式会社
出典：https://hcm-jinjer.com/keihiseisan/
「ジンジャー経費」は、人事データを一元管理する強みを活かした、クラウド型の人事労務システムを提供する「ジンジャー」の経費精算システムです。他の業務機能との連携により、人事労務全体の効率化が可能です。
特に、人事管理や勤怠管理との連携が強みで、「より戦略的な人事運営を望む」企業に向いています。
承認ルートは最大10段階まで設定でき、未対応、対応中、承認、差し戻し、否認などのステータスで一覧確認が可能です。さらに、入力補助機能だけでなく、自動仕訳やFBデータの作成など、便利な機能も多数備わっています。
主な入力手段は、領収書のOCR読み取り、乗換案内との連携、そして交通系ICカードを使用します。これらの機能により、経費精算作業の手間を大きく軽減できます。
Spendia｜TIS株式会社
出典：https://www.tis.jp/service_solution/spendia/
「Spendia」は、経費申請から承認までのプロセスをスマートフォンだけで完全に処理することができるツールです。
人事管理システムと連携しているため、人事異動時に人事データを更新する手間がありません。
特徴的な機能として、承認フローを細かく設定できる点が挙げられます。「旅費が一定の額を超えた場合は課長以上の承認が必要、それ未満であれば係長の承認でOK」といったフローを、ドラッグ＆ドロップ操作だけで設定可能です。
これにより、異動が頻繁に行われ、規則が複雑な大企業でもスムーズに承認フローを管理することができます。
主な入力方法として、乗換案内との連携、交通系ICカード、クレジットカードが利用できます。これらの機能を活用することで、経費精算業務の手間と時間を大幅に削減することができます。
WiMS/SaaS経費精算システム｜株式会社 ソリューション・アンド・テクノロジー
出典：https://wims-saas.solty.co.jp/products/keihi.html
WiMS/SaaS経費精算システムの強みは、申請内容、所属部署、役職などの多様な条件に基づいて承認ルートを設定できる点です。
単に所属長の承認だけでなく、プロジェクトや金額に応じた承認ルート、特定の科目が含まれている場合の分岐など、企業の規程に基づいたワークフローを特別なカスタマイズなしで設定できます。
これにより、業務の運用に応じてシステムを柔軟に活用することが可能です。
また、グループ会社間での承認、会社間取引、親会社による代行支払いなど、グループ全体の管理も実現できます。
入力方法としては、乗換案内との連携、交通系ICカード、クレジットカードが主に利用されます。これらの機能により、経費精算の手間と時間を大幅に削減できます。
MAJOR FLOW Z KEIHI｜パナソニック ネットソリューションズ株式会社
出典：https://www.majorflowz.com/major-flow-z/major-flow-z-keihi/
「MAJOR FLOW Z KEIHI」は、記入内容に基づき承認者を動的に変えることができる高度なワークフローエンジンを搭載しています。
これにより、承認や否認だけでなく、申請者や承認者が不在時の代理申請や代理承認、さらには根回しや催促といった、大企業特有の複雑な決裁規定にも対応できます。
さらに、最大5つの言語を設定できるため、海外出張時に外貨で支払った費用の精算も可能です。明細ごとに円貨と外貨を選択できるので、両方が混在する場合でも一つの申請書で精算できます。
主に使用する入力方法は、領収書のOCR読み取り、乗換案内との連携、交通系ICカード、クレジットカードです。これらの機能を使うことで、経費精算の手間を大幅に減らすことができます。
楽楽精算｜株式会社ラクス
出典：https://www.rakurakuseisan.jp/
「楽楽精算」は、国内累計導入社数No.1を誇り、12,000社以上の企業が導入している経費管理システムです。多彩な入力支援機能やチェック機能が特徴で、既存の申請書を再現する申請画面や、会計ソフトに合わせた仕訳データを出力する機能も備えています。
導入時には、専任の担当者がサポートを提供するため、紙ベースの運用からクラウドの経費精算システムに切り替えたいと考えている企業にとっては非常に有用です。
主要な入力方法として、領収書のOCR読み取り、乗換案内との連携、交通系ICカード、クレジットカードが利用できます。これらの機能を利用することで、経費精算の手間を大幅に削減できます。
まとめ
今回は、経費精算システムの選び方と13つのおすすめのシステムについて徹底的に比較しました。サイズ別に分けた人気ランキングを参考に、あなたのビジネスに最適な経費精算システムを選んでください。
各システムの機能と特性、そしてそれがあなたのビジネスにどのように貢献できるかを理解することで、より効果的な経費精算システムの選択が可能になるでしょう。
以上の情報を基に、あなたのビジネスにとって最適な経費精算システムを見つけ、効率的な経費管理を実現しましょう。
