経営のプロフェッショナルたちによる
「経営力を上げる」メディア ❘ Since2009
コラム

日本近代化の立役者《第3回 大正~昭和前期 編》

【まとめ】王と呼ばれた経営者たち

 アメリカの石油王ジョン・ロックフェラー、発明王トーマス・エジソン。彼らは自らの才覚で一代にして巨万の富を築き、「〇〇王」と称された。そして実は日本にも「〇〇王」がいた。今回は日本近代化の立役者となった日本の「〇〇王」たちをまとめてみた。

鉄鋼王 大谷 米太郎 (おおたに よねたろう)

 1881年生~1968年没。富山県小矢部市生まれ。大谷重工業の創始者。大谷製鋼所、大谷製鉄などを創業した。1923年の関東大震災後、復興のための鉄鋼需要で成長。また1964年に東京オリンピックの開催が決まると、ホテルニューオータニを建設した。巨万の富を得た大谷は「鉄鋼王」、「日本の三大億万長者(※)」と呼ばれた。

※日本の三大億万長者:関東大震災の復興や太平洋戦争などで財を成した菊池 寛実、南 俊二、大谷 米太郎ら3名の実業家たちのこと。

石炭王 菊池 寛実 (きくち ひろみ)

 1885年生~1967年没。栃木県那須郡生まれ。辰ノ口炭鉱、三友炭鉱、高萩炭鉱などを創業した。戦後は日本炭鉱を買収し、一大グループを築き上げる。南俊二、大谷米太郎と並び「日本の三大億万長者」と称され、「石炭王」と呼ばれた。

重工業王 鮎川 義介 (あゆかわ よしすけ)

 1880年生~1967年没。山口県山口市生まれ。鮎川財閥の創始者。日産自動車、日立製作所、日本冷蔵(現 ニチレイ)など、数多くの企業を傘下に置く日産コンツェルンを形成し、「重工業王」と呼ばれた。

タイヤ王 石橋 正二郎 (いしばし しょうじろう)

 1889年生~1976年没。福岡県久留米市生まれ。ブリヂストンの創始者。 ブリヂストンタイヤ、日本足袋(現 アサヒシューズ)などを創業した。靴底にゴムを用いた地下足袋を考案するなど、ゴム工業を中心に一大で石橋財閥を築き上げた。ゴム産業や自動車産業の発展に貢献し、「タイヤ王」と呼ばれた。

紡績王 武藤 山治 (むとう さんじ)

 1867年生~1934年没。岐阜県海津市生まれ。三井財閥で活躍した実業家。三井銀行に入行し、三井中興の祖である中上川 彦次郎らの下で、三井財閥の改革を推進する。鐘淵紡績(後のカネボウ)の再建を任されると、他の紡績会社を次々と吸収合併し、国内トップクラスの紡績会社へと成長させ、「紡績王」と呼ばれた。

製紙王 藤原 銀次郎 (ふじわら ぎんじろう)

 1869年生~1960年没。長野県長野市生まれ。富岡製糸場の元支配人。王子製紙の初代社長。王子製紙・富士製紙・樺太工業の3社を合併させ、日本国内の8割以上を握る製紙会社を築き上げ、「製紙王」と呼ばれた。

製紙王 大川 平三郎 (おおかわ へいざぶろう)

 1860年生~1936年没。埼玉県坂戸市生まれ。大川財閥の創始者。中央製紙、樺太工業などを創業した。浅野セメント、札幌ビール、日本鋼管など数多くの企業に携わり、一代で大川財閥を築き上げた。最盛期には経営する製紙会社が国内市場シェアの45%を占め、「製紙王」と呼ばれた。

電力王 松永 安左エ門 (まつなが やすざえもん)

 1875年生~1971年没。長崎県壱岐市生まれ。東邦電力(現 九州電力)の元社長。東京電力の元取締役。『電力統制私見』を通じて、民間主導の電力会社再編を訴えた。GHQ占領下で日本発送電会社(※)の民営化が迫られると、吉田茂首相の命で電気事業再編成審議会会長に選出された。9つの電力会社による分割民営化を実現した功績から「電力王」と呼ばれた。

※日本発送電会社:国家総力戦体制の構築を目論む日本政府によって、電力国家管理政策が計画され、それに基づき設立された半官半民のトラスト。

鉄道王 小林 一三 (こばやし いちぞう)

 1873年生~1957年没。山梨県韮崎市生まれ。阪急阪神東宝グループの創始者。阪急電鉄、阪急百貨店、宝塚歌劇団、東京宝塚劇場(現 東宝)などを創業した。鉄道の沿線に住宅や百貨店、娯楽施設などを開発し、相乗効果を生む私鉄経営モデルを創り上げた。JRがこの私鉄経営モデルを採用するなど、日本の鉄道経営に大きな影響を与えただけでなく、日本人のライフスタイルを大きく変え、「鉄道王」と呼ばれた。

鉄道王 五島 慶太 (ごとう けいた)

 1882年生~1959年没。長野県青木村生まれ。東急グループの創始者。東急電鉄、東急百貨店などを創業した。池上電気鉄道や玉川電気鉄道、小田急電鉄などを次々と吸収合併し、一大鉄道網を築いた。沿線の魅力を高めるため大学誘致に力を入れ、一例として慶應義塾大学に日吉台の土地を無償提供し、そこに日吉キャンパスが開設された。阪急グループの小林一三と並び「西の小林・東の五島」と称され、「鉄道王」と呼ばれた。

鉄道王 堤 康次郎 (つつみ やすじろう)

 1889年生~1964年没。滋賀県愛荘町生まれ。西武グループの創始者。箱根土地(後のコクド)、多摩湖鉄道などを創業した。武蔵野鉄道や旧西武鉄道を吸収合併し、一大鉄道網を築いた。また軽井沢や箱根など、日本を代表するリゾート地を開発した。西武グループを一代で築き上げ、「鉄道王」と呼ばれた。

証券王 第2代 野村 徳七 (のむら とくしち)

 1878年生~1945年没。大阪府八尾市生まれ。初代野村徳七の長男として、両替店の野村商店を引き継いだ。大阪野村銀行(現 りそな銀行)、大阪野村銀行証券部(現 野村證券)などを創業した。野村財閥を築き上げ、「証券王」と呼ばれた。

水産王 中部 幾次郎 (なかべ いくじろう)

 1866年生~1946年没。兵庫県明石市生まれ。マルハニチロの創始者。林兼商店を創業した。漁業、海運、水産物加工などを手掛ける一大グループを築き上げた功績から、「水産王」と呼ばれた。

時計王 服部 金太郎 (はっとり きんたろう)

 1860年生~1934年没。愛知県名古屋市生まれ。セイコーホールディングスの創始者。服部時計店、精工舎などを創業した。日本を代表する時計メーカーを築き上げ「時計王」と呼ばれた。

雑誌王 野間 清治 (のま せいじ)

 1878年生~1938年没。群馬県桐生市生まれ。講談社の創始者。報知新聞の元社長。『雄弁』、『キング』などの雑誌を創刊した。数多くの雑誌を創刊し、出版業界をリードしたことから「雑誌王」と呼ばれた。

編集王 宮武 外骨 (みやたけ がいこつ)

 1867年生~1955年没。香川県綾歌郡生まれ。編集者、新聞記者、ジャーナリスト。『滑稽新聞』、雑誌『スコブル』などを創刊した。言論の自由を訴え、数多くの雑誌や新聞を創刊したことから「編集王」と呼ばれた。

【次のページへ】第4回 昭和後期 編 ( 4/4 )

【前のページへ】第2回 明治後期 編 ( 2/4 )

【まとめ】王と呼ばれた経営者たち

この記事が気に入ったら
いいねをお願いします!

※このサイトは取材先の企業から提供されているコンテンツを忠実に掲載しております。ユーザーは提供情報の真実性、合法性、安全性、適切性、有用性について弊社(イシン株式会社)は何ら保証しないことをご了承ください。自己の責任において就職、転職、投資、業務提携、受発注などを行ってください。くれぐれも慎重にご判断ください。

経営者通信

経営者通信
経営者に贈る、経営者の"経営力"を上げる情報誌

経営各分野における、プロフェッショナルたちのインタビューを掲載。 雑誌とWEBで、約60,000名の経営者へ経営のヒントとなる情報をお届けしております。

経営者通信メールマガジン

経営者通信注目の企業や、ビジネスニュースなど経営者のための情報をお知らせします。

ご登録はこちら

pagetop