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Mobilunity(モビルニティ) 創業者 CEO サモフスキー・キリル

テクノロジー立国ウクライナの知られざる実情

電子国家として注目を浴びている北欧の小国エストニア。2014年にエストニアは非居住者に電子居住権を提供する初の国となった。e-Residency(電子居住権)を取得することで、エストニアに居住していない人でもスマートIDカードを所有でき、ビジネスをするうえで重要な電子納税、電子銀行などの様々な電子サービスをエストニア在住者と同様に利用できる。意外に知られていないが、電子国家エストニアの裏側にはウクライナの存在がある。実にエストニア企業の22%がウクライナのITエンジニアの力を借りているのだ。

これまで見過ごされがちだったテクノロジー・ハブ東欧ウクライナ

 ウクライナの知名度は日本では高くはないだろう。しかし、ボーイング、Huawei、シーメンス、Vimeo、オラクル、Apple、Microsoft、Skype、eBay、IBM等といった100社を超えるグローバルIT企業がすでにR&Dセンターをウクライナに開設しており、中にはシリコンバレーを代表する最先端IT企業も多く含まれる。

 最近では感度の高い日本企業もウクライナに注目している。楽天はウクライナ南部の港町オデッサにオフィスを構え、首都キエフでもR&Dセンターを開設すると発表。2019年6月には楽天の三木谷氏が初めてウクライナを訪問し、ゼレンスキー大統領と面談した。面談中、三木谷氏は「ウクライナは楽天にとっての優先的市場である」と大統領に伝えたと言う。

 楽天や欧米クローバルIT企業が、なぜウクライナを戦略的な場所として選んだかを理解するために、ウクライナの技術的背景をもう少し掘り下げてみたい。

旧ソ連時代から受け継がれる技術系譜

 ウクライナは旧ソ連時代からテクノロジー・ハブだった。核開発や原子力、航空宇宙分野の研究が積極的に進められ、その歴史は古い。多くの世界的エンジニア、物理学者、数学者も輩出してきた。シコールスキイ・イーゴリ(航空機のパイオニア)、パトン・ボリス(金属工学者、有名な電気溶接の研究者)、コロリョフ・セルゲイ(最初期のR-7ロケット開発指導者、1957年に世界最初の人工衛星スプートニク1号を打ち上げた)といった科学者もいる。その後、ソ連は崩壊したものの、ウクライナの技術系譜は脈々と受け継がれていく。メッセージアプリ大手WhatsApp(2014年にフェイスブックに約2兆円で買収)創業者ジャン・コウム氏やオンライン決済大手PayPal創業者マックス・レブチン氏もウクライナ出身だ。

 現在でもウクライナには強力な技術教育の基盤があり、毎年何千人もの熟練したITエンジニアを世に送り出し続けている。ウクライナのITエンジニアはSkillValueのITランキングで平均スコア指数が91.26%と世界最高と認定されている。また、HackerRankが開催するプログラミングオリンピックでは、ウクライナのITエンジニアは全ての課題で平均88.7%を獲得した。

 また大学から毎年2万人以上のIT技術を専門とする学生が卒業している。結果、国内のITエンジニアは現在で18万4,000人以上おり、ヨーロッパでも屈指のITエンジニアコミュニティを持つ国となった。

 IT企業の数も4,000社以上あり、その産業規模も毎年26%という驚くべき成長を見せている。この流れを受け、ウクライナ政府もIT産業の成長促進、才能あるITエンジニアのポテンシャル開発、世界におけるウクライナのIT国家としてプレゼンス向上を目的として「A state in a smartphone」というプロジェクトに取り組んでいる。

テクノロジー立国ウクライナの知られざる実情

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