―新規事業を成功させるポイントを教えてください。
まず売り方から考えるようにしています。これは私が前職で訪問営業をしていた時の原体験から来る考え方です。何かというと、私はどんな商材であってもモノやサービスさえあれば売れると思っていて。極論ですがそのサービスの良し悪しに関わらず、営業担当が必死にお願いすれば、熱意が伝わって買ってくれたりすると思うんです(笑)。
でもそれでは営業担当が疲弊するし、最近は時代も変わって来ている。プッシュ型でゴリゴリ営業するのはスマートではありません。少なくとも私は自分でそんな営業をやりたくないし、社員にやらせたいとも思いません。そうならないために言葉を選ばず言えば、「どれだけ楽して売るか」を一番最初に考えていますね。そして売り方を考えて売れそうなら、そのマーケットニーズから逆算して新規事業をつくりはじめます。
―他に何かポイントはありますか?
過去の経験から体得した得意技を活かすようにしています。たとえばビジネスモデルはサブスクしかやらないと決めていたり、BtoB向けのビジネスを積極的にやったり。また世の中に散らばった情報を一箇所に集めることが得意だったりもするので、その辺りの経験やノウハウを積極的に活かしてますね。
―新規事業に抜擢する人材はどのように選んでいますか?
私の自論として新規事業が得意な人も、全くノウハウがない人も、成功確率は変わらないと思っているんです。人にはそれぞれの原体験があり、Aさんだから発想できたことと、Bさんだから発想できたことはやっぱり違う。私が考えたサービスも、他の人がやればその人の色が出ていたと思います。そういう意味では新規事業は誰でもできると思いますね。
―誰が発案しているんですか?
基本的には私が発案して生まれたサービスが多いです。でも、これだと組織としては弱い。そう思って2010年に社内から2、3名をアサインし、新規事業室みたいなものをつくりました。
そこでは日々さまざまなリサーチをし、フィジビリティ・スタディ(※)で実現性を検証して、そこを通過したものはサービス化する。それをひたすら繰り返してましたね。
※フィジビリティ・スタディ:事業の実現可能性をサービスリリース前にテストすること。
―新規事業室の他に、新規事業を考える社内制度などもあるんですか?
うるるの虎を略して『うるとら』という制度があります。これは全社員を対象として「こんな新規事業やりたい!」という案を、役員にプレゼンできる制度です。もしプレゼンを聞いて事業の面倒を見るという役員が現れれば実際にプロジェクトとして始動します。
そして担当役員が社員の壁打ち相手になり、アイデアを育てる。その後フィジビリティ・スタディで検証し、いけそうであればサービスとしてリリースします。それ以外にも役員たちから経営会議の場で意見をもらったりしますね。
―過去にトライした新規事業において成功確率はどれくらいですか?
どこまでを分母にするかで難しいですが、アイデアベースのものでボツになったものは山のようにありますね。フィジビリティ・スタディまでいったものを分母にすると、大体3割くらいがうまくいくという感じです。
―ちなみに過去にはどんな失敗例がありましたか?
たくさんありますが、たとえば世の中の裁判から得られる情報をデータベース化したサービスとか(笑)。世の中の裁判は全て傍聴できるので、在宅ワーカーに裁判を傍聴してもらって犯罪者リストをつくったり、どの弁護士が良いとか、この裁判官はこんな傾向があるとか、そんなデータを集めて売ろうと考えてましたね。
特に犯罪者リストは、たとえば採用時に犯罪履歴がないかどうかをチェックできるようなサービスにすれば売れるなと。しかし最後のリーガルチェックで弁護士にグレーゾーンと言われ、断念しました。弁護士が言うには、違法じゃないものの人間には忘れられる権利があり、このサービスによって罪を犯した人が再就職できなくなってしまうとまずいよねと。そんな感じで本当に幅広い分野で色々なアイデアを出していましたね。
―新規事業における撤退の基準はありますか?
結論から言うと、今はありません。上場準備をする際につくったことがあったんですが、やはりケースバイケースなのであまり機能しなかったんです。当時は新規事業を4つのフェーズに分けて、このフェーズだったらこれくらい予算かけてダメならやめようとか。役員承認で次のフェーズに移行させようとか。そんなことを考えていた。ですが新規事業はなかなか科学できないと思っているので、結局は私や役員たちの判断になっていますね。
たとえばシュフティだって正直かなり前に撤退しててもおかしくないサービスだったんです(笑)。先程も述べたように利益率も低く、相当な手間も掛かってましたから。それでも続けたからこそ事業として成功しただけではなく、CGSを生み出す基盤になった。「失敗も成功するまでやり続ければ失敗じゃない」みたいな言葉がありますけど、まさにそんな感じですね(笑)。
―どこかで線引きしないと、ズルズル行ってしまうということもありますよね?
その点で言うと、新規事業の担当役員とその他の役員陣の共通認識がしっかり取れているので今は大丈夫ですね。誰もが同じ目線で判断できる状態なので、明確な基準がなくても臨機応変に対応できていると思います。
もちろん今は組織もそこまで大きくはないため、コミュニケーションが取りやすいというのはある。もっと組織が肥大化した時は、何か明確な基準が必要になってくるかもしれませんね。
星社長が前職の会社からMBOしたサービスで創業
―御社の歴史を知りたいのですが、創業事業は何をされたんですか?
弊社は在宅ワーカーと企業の間に入る仲介会社として、企業が発注するデータ入力業務を請負い、その業務を在宅ワーカーに再委託するというサービスで創業しました。2003年にサービス提供開始したのですが、当時はちょうど在宅ワーカーの活用が注目され始めた時期だったんです。
在宅ワーカーが注目された理由の一つは、インターネットが急速に普及したこと。家の電話線でインターネットに接続するナローバンドから、通信速度が早いブロードバンドに切り替わり、多くの人が家で快適にインターネットを使えるようになりました。
もう一つの理由は、労働力不足が日本の深刻な社会課題になっていること。日本の労働人口は年々減少しており、企業は人手不足に苦しんでいます。そのため在宅でもできる仕事を増やし、労働人口に含まれない家事従事者の方々などが柔軟に働ける機会は、社会的にも求められていたんです。
そこで我々は主婦の方々や、障害があって定職に就けない人が隙間時間に在宅でできる業務を企業から委託してもらい、その仕事を在宅ワーカーに再委託するというビジネスを展開しました。これが創業事業ですね。
―在宅ワーカーのネットワークはどのように構築したんですか?
実はもともと前職の会社で教材販売をやっており、主婦の方々が顧客だったんです。私は前職の会社で一つのプロジェクトを任された。それは教材の顧客である主婦の方々に、別の付加価値を提供できるサービスを考えるというものでした。
そして主婦の方々に在宅ワーカーとして働くための業務を委託するというサービスを思いついたんです。そしてこのサービスが創業事業の源流となり、私はこのサービスをMBO(※)して独立したんです。
※MBO:マネジメント・バイアウトの略称。企業の経営陣が自ら自社株式や事業部門を買い取って、それらを株主から譲渡されること。
―前職の会社からMBOしたサービスだったんですね。企業がデータ入力を外部に委託するというニーズはあったんですか?
ニーズはすごくありましたね。まず業界の歴史を調べてみると、PCができる前から存在する古い業界だと分かりました。主に金融業や保険業の会社が業務を委託しており、わざわざ専用機械を使って、職人たちが紙に穴をあけてデータを入力している。料金表も「1バイトいくらです」みたいな価格しか書いておらず、詳しい知識がないと発注しづらい。そのような古い慣習が色濃く残っている業界だったんです。余談ですが「〇〇電産」といった社名の会社は、そういった業務をやっていた会社らしいですね。
でも専用機械なんて使わなくても、データ入力はエクセルで十分できる。もはや各家庭に一台はPCが普及している時代です。それこそ在宅ワーカーの方々に自宅のPCでデータ入力業務をやってもらおうと思いました。
―残り続けていた業界の古い慣習に着目したんですね。
また在宅ワーカーの予備軍である主婦の方々に、「どんな業務をしたいですか?」とアンケートをとりました。すると、その回答で一番多かったのもデータ入力など自宅で手頃にできる業務だったんです。
こうして弊社が企業からデータ入力業務の発注を受け、それを在宅ワーカーに再委託するビジネスをやろうと思い至り、『データ入力専門店』というサイトを立ち上げました。試しにサイト上でデータ入力業務を外部委託したい会社を募ったところ、サイトをオープンしてすぐに沢山のお問い合わせがきた。データ入力業務を外部に委託するという強いニーズを実感した瞬間でしたね。
―サービス化していく中で苦労したことはありますか?
まずサービス価格を決めるのが大変でした。たとえば名刺1枚のデータを入力するのにいくら掛かるか、といった相場がなかった。だから人件費から逆算して自分たちで価格表をつくるしかなかったんです。
あとはヒューマンエラーを防ぐための工夫も必要でしたね。名刺情報を人間が手打ちで打ち込むと、やっぱりミスが発生する。蓋を開けてみると、大体95%くらいの精度だったんです(笑)。だから二人で1枚の名刺を入力してもらうなど、ミスを防ぐための工夫にはかなり気をつけましたね。私たちはこの二重の確認をクロスチェックと呼び、企業に安心して発注してもらうために徹底してそれを行っていました。
仲介からプラットフォームに進化を遂げる
―2007年に在宅ワーカーと企業をマッチングするプラットフォーム『シュフティ』をリリースされました。この事業が生まれた経緯を教えてください。
先述したようにデータ入力の精度を上げるため、クロスチェックを行っていたものの、これはかなり手間が掛かっていました。一つの業務に対して二人に委託しなければならないので、AさんBさんそれぞれに仕様書を理解してもらい、業務を発注し、データをドッキングして検品するといった作業が必要になる。単純計算で一人に依頼する2倍の工数が掛かっていたんです。
弊社は企業と在宅ワーカーの間に立って案件をやり取りしていたものの、次第に弊社スタッフの手が回らなくなってしまいました。業務を委託してくれる会社はたくさんある。また在宅で働きたいという主婦の方々もたくさんいる。それなのに弊社がボトルネックで案件が滞ってしまう。これではせっかくポテンシャルがあるのにサービスとして拡大していきません。そこで、企業と在宅ワーカーを直接マッチングする構想を練り始めました。
―御社が間に入らなくても、企業と在宅ワーカーのやり取りだけで案件を成立させようとしたと。
そうです。ただ一番の課題は信用力の担保でした。うるるは法人なので企業も業務を委託しやすかったのですが、いち個人である在宅ワーカーに大切な名刺情報を預けるとなると話は違う。中には業務委託を躊躇する企業も出てきました。
そこで在宅ワーカーにテストを受けてもらい、個々人の能力を可視化することにしたんです。たとえばこの人は個人情報の取り扱いを理解している。この人は作業スピードが早いなど、企業が安心して業務を依頼できる情報を提示しようと。
すると徐々に企業の信頼を得ることができ、次第に弊社が介在しなくとも、企業と在宅ワーカーの間で案件が回っていくようになりました。そしてシュフティは47万人の在宅ワーカーが登録するまでに成長。現在も日々多くの案件がやり取りされるサービスになっています。
在宅ワーカーの活用で高利益の自社サービスが誕生
―2008年に『入札情報速報サービスNJSS(エヌジェス)』をリリースされました。これはどんな経緯で生まれたサービスなんですか?
最初のきっかけはシュフティの利用企業を増やすために公共機関にアプローチしたことだったんです。業務委託したいのは民間企業だけでなく、公共機関も同じだろうと。しかし、公共機関の入札情報(公共機関が民間に業務依頼をする際の募集情報)を探すものの情報収集がすごくしづらかった。まず公共機関が全国にいくつあるかもわからない。加えて入札情報は一箇所にまとまっておらず、それぞれのHPを見に行かなければなりません。極めつけに、各々で記載の仕方もバラバラなので本当に見づらい(笑)。これではどこで機会損失があるかすらも分からない。そんな状態を目の当たりにして、私自身とても不満を感じました。
そこで私は全国の公共機関をひとつずつ調べてみたんです。すると大体1,100ほどの公共機関が見つかった。私はシュフティの在宅ワーカーにお願いし、これら全ての公共機関が出している入札情報を、手打ちで記載してもらうことにしました。具体的にはそれぞれの公共機関ごとに担当を割り振り、1週間に3回HPをチェックしてもらう。そして入札情報をエクセルにまとめてもらうといった感じです。
―在宅ワーカーを活用して、全国の公共機関が出している入札情報を手打ちで収集したと。
すると何万件という入札情報が一気に集約された。その中からデータ入力の案件も数十件見つかりました。それ以上に全ての入札情報が確認できたことが、私にとっては快感でしたね(笑)。でも正直99%の情報はデータ入力業務ではない入札情報なので、私たちにとっては役に立たないものでした。これではデータ入力の仕事が取れても、正直トントンといったところ。
しかし入札案件をよく観察してみると、たとえば派遣募集の入札情報が多いことに気がつきます。そして知り合いの経営者にその情報を教えてあげると、その経営者がすごく喜んだんです。それを見て、「あれ、この入札情報をまとめて閲覧できるサービスってニーズあるんじゃない?」と閃いた。そして実際にそれをサービス化したのがエヌジェスですね。
―データ入力業務の顧客として公共機関の入札情報を探しているうちに、その入札情報を他社に提供するというビジネスを思いついたと。
その通りです。エヌジェスの誕生はうるるの経営にとっても非常に大きなことでした。先程お話したシュフティは日々、何百何千という案件がやり取りされ、世の中のニーズを捉えた良いサービスだと思っています。
ただ弱点は利益率の低さ。手数料として売上の10%をいただくモデルなのですが、今ではうるる全体の売上の中で、シュフティが占める売上は全体の1%ほどしかありません。だから仕組みは優れているものの、自分たちはあまり儲かってなかった。
しかしシュフティの在宅ワーカーを活用して自社で新規事業を立ち上げることで、エヌジェスという高利益を生み出すサービスが生まれた。この経験から在宅ワーカーを上手に活用できることは、弊社の強みの一つだと気づきましたね。
―具体的に在宅ワーカーを活用するメリットを教えてください。
たとえば正社員を採用すると、社員の座席を用意したり、採用コストや労務コストが掛かるなど何かとお金が必要ですよね。でも在宅ワーカーの場合それらのコストは一切必要ありません。在宅ワーカーをうまく活用できれば低コストでサービス提供できますし、エヌジェスのように何かのデータベースをつくりにいくことも低コストでできるんです。
在宅ワーカーを活用したサービスを弊社ではCGS(※Crowd Generated Serviceの略称)と呼んでいます。実はエヌジェス以外にもさまざまなCGSを立ち上げていて、今では年に一つCGSを立ち上げることを目標にしていますね。
収益化できないサービスをピボットし、見事に成功
―エヌジェスの他にどんなCGSがありますか?
保育園・幼稚園向けのオンライン写真販売サービス『えんフォト』というサービスがあります。これは運動会などの行事があった時に、そこで撮られた子供の写真をスマホで注文して買うことができるサービスです。
よく行事で撮った写真を壁にずらっと貼って、好きなものを注文して買ったりしますよね。私はいつも一人の保護者目線で、あの作業が非効率だと感じてたんです。幼稚園の先生はただでさえ多忙なのに、写真を撮ってプリントして壁に貼り、注文を受けて決済するまで全部自分たちでやっている。私はそれを見てスマホで注文できれば楽なのになと、ずっと思ってました。
そこで写真をスマホで注文できるシステムを開発し、保育園や幼稚園に無償で提供したんです。すると先生たちの業務削減につながり、保護者もわざわざ写真を見に行く必要がなくなりました。
―どうやってマネタイズするんですか?
保護者が買った写真代の一部を手数料としていただいています。なのでスマホアプリで写真が売り買いされれば、その売上の一部が弊社に入ってくる仕組みです。
このCGSでは外部のカメラマンを活用しています。いわゆるセミプロのようなカメラマンに弊社負担で撮影を委託するんです。するとカメラマンが撮った写真は少し値段を上乗せして売れたり、購入枚数の増加にも繋がるので収益が上がりやすくなるという仕組みです。
―御社はもともと幼稚園・保育園向けに『園ナビ』というサービスもされてましたよね?
はい。えんフォトは園ナビをピボットして出来たサービスなんです。園ナビは保護者が幼稚園や保育園の口コミを見ることができるメディアでした。もともと私が自分の子供を預ける場所を探している時に思いついたサービスですね。
日本はずっと幼稚園や保育園が不足しており、恐らく一部の私立の園を除いて園児の募集にお金を掛けている所はないでしょう。でも私は少子高齢化が進んでいる中、中長期的にそのバランスは逆転すると予想しました。いつかはお金を掛けて園児を募集しないといけなくなるだろうと。だからそうなる前に全国の幼稚園や保育園をデータベース化して、口コミも蓄積しておけば、いつか広告でマネタイズできると思っていました。
しかしメディアを続けたものの、幼稚園や保育園は依然として不足していて広告はもらえそうになかった。またアクセス数もなかなか伸びず、メディアとして成立させるのは困難でした。そこで色々考えた末、園ナビはピボットしようと決意したんです。その後は先述の通り、いち保護者として園に対して感じていた課題を解決できるサービスを考え、えんフォトにピボットしました。
ついに役員発で新規事業が誕生
―電話受付代行サービスの『fondesk(フォンデスク)』も最近よく目にします。あれはどんな経緯で生まれたサービスなんですか?
フォンデスクはもともとビジネスチャットサービスを提供している会社さんと提携してつくったサービスが原型でしたす。ビジネスチャットサービスを使っているユーザーに掛かってくる電話を、在宅ワーカーに代わりに受けてもらう。そして在宅ワーカーからユーザーに対して「〇〇社の△△さんから電話がありました」という連絡をそのチャットサービスを利用してするというサービスです。
ビジネスチャットサービスの会社さんが自社のユーザーに販売し、弊社が在宅ワーカーのネットワークを提供する。そしてレベニューシェア(※)で、収益を配分するという座組みでやっていましたね。
ただ弊社としては、他のビジネスチャットツールのユーザーさんにでも使ってもらいたかったんです。だから了承を得たうえでフォンデスクとして切り出し、サービス化しました。
※レベニューシェア:ビジネスパートナーと協力して利益を生み出し、予め決まっている配分率で利益を分け合うこと。
―フォンデスクの構想からサービス化までは誰がやったんですか?
フォンデスクは私ではなく、弊社の執行役員と新規事業室のメンバーが立ち上げをやりました。今は新規事業室がそのままフォンデスクのチームになっています。私以外のメンバーが発案からサービス化し、軌道に乗せるところまでやってくれた。ずっと取り組んできたメンバーからの新規事業づくりがカタチになり、非常に嬉しかったですね。フォンデスク以外にも、アンケートや会員情報などを短時間でデータ化するタブレットフォームシステム『KAMIMAGE(カミメージ)』は、執行役員が発案してサービス化して成功したサービスの一つです。
IPO後はM&Aも駆使しながら計画的成長を目指す
―最後に今後の新規事業づくりの展望を聞かせてください。
今後も変わらずCGSを生み出していきたいです。また社内の人材を起用して新規事業をつくるという話をしましたが、最近はM&Aにも注力しています。やはりゼロから新規事業をつくって数億~数十億にしていく大変さは身に染みて感じていますから。その点、M&Aは既に事業ができているので、自分たちで試行錯誤する時間を買えるんです。
M&Aは2017年辺りからやりたいなと思っていたんですが、本格的に動き出したのは昨年の秋ですね。今は私が旗振り役となって、社内でM&Aチームに来たいという人を募集しています。昨年OurPhotoという会社をM&Aし、やはり優れたビジネスを持つ会社を巻き込んでいくことで成長が加速することを実感しました。なので社内から生まれる新規事業も維持しつつ、今後はよりM&Aに注力していきたいですね。