―佐藤
今回の対談ゲストの長橋さんは、リスティング広告スクール(以下、スクール)の講師陣のおひとりです。簡単に経歴に触れると、大学を卒業後、大企業に入社。その後、2011年にリスティング広告運用代行サービスを提供するリスティングプラスを起業し、設立1年で100社以上と取引するなど短期間で急成長した、業界では伝説的な有名起業家です。
―長橋
いえいえ、佐藤さんにはかないませんよ(笑)。佐藤さんとはリスティングプラスを起業する前からおつきあいさせていただいています。スクールの設立構想を聞いたとき、人材育成を通じて市場の健全な発展に貢献したいとの佐藤さんの志に感心しました。今回、講師陣のひとりに呼んでもらい、意義のある仕事に携われる機会をいただくことができて、ありがたいなと感じています。
―佐藤
こちらこそ感謝しています。ところで今日はリスティングという仕事について率直に語りあいたいと思っています。
―長橋
お手柔らかにお願いします(笑)。
―佐藤
まず最初に、改めてリスティングプラスの事業内容を聞かせてください。
―長橋
リスティング広告を軸とした広告代理店業、コンサルティング業、ホームページ制作、Web集客セミナーなどをしています。ポリシーは「成果をあげることにこだわる」。そのため、セミナー参加や外部講師によるスキルアップ研修など、社内のコンサルタントメンバーに1人当たり年間120万円以上の研修費用を費やしています。お客さまに貢献できるよう、プロの人材育成に力を入れているんです。
―佐藤
訓練された“ネット集客のプロ”が広告運用からサイト運用まで一貫してコンサルティングを手がけている。それが成果を出せる秘密なんですね。そもそも、なぜ長橋さんはリスティング広告で起業したんですか。
―長橋
大学卒業後に入社した会社は大手だったんですが、自分が組織のなかの歯車の1パーツでしかないことに疑問を感じ、「1人で稼げるようになりたい」との想いを抱いたことがきっかけです。そこで会社を辞め、Webマーケティング会社に転職しました。その後、いくつか転職をして仕事をするなかでリスティングと出会い「これだ」と感じたんです。それからは必死に勉強してリスティングのスキルを磨き、念願の起業を果たしました。リスティングと出会ったことで、自分の人生が劇的に回転しましたね。
―佐藤
この業界に入ってよかったですか。
―長橋
本当によかったです。まず、Web集客の知識がある人は少ないので「専門家」としてあつかってもらえます。また、クライアントである企業にとって集客できるかどうかは死活問題であり、成果を出せば出すほどクライアントから頼られ、すごく感謝されます。仕事に誇りがもてるんです。「成果を出さなければいけない」というプレッシャーが大きい半面、やりがいも大きい。大企業の歯車のひとつだったときの働き方とは全然違い、自己実現を果たせているという実感があります。
―佐藤
当社にも同じような経験をしたメンバーがいます。そのメンバーは前職の会社で1日300件くらいテレアポをさせられていて、会社と自宅を往復するだけの毎日だったらしいんですが、今では顧客から信用されて飲み会に誘われるなど生活が一変。イキイキと輝いています。ほかにも、リスティングを仕事に選んだことでリア充になったと話すメンバーはたくさんいます。
―佐藤
ところで、私がスクールの講師を依頼したとき、正直、どう思いました?
―長橋
「楽しみだな」と思いました。リスティングを学ぶ場は非常に限られていて、これから学びたいという人たちに教えることができると思うとワクワクします。逆に、佐藤さんはなぜ私を指名してくれたんですか?
―佐藤
スクールの目的は「業界で活躍できる人材の育成」。そのためにはスクールで学ぶ人たちに長橋さんのような“実力者”の実践ノウハウを提供してもらうことが不可欠だからです。長橋さんが率いるリスティングプラスはテレアポなどリアルの営業はやらず、ネット上だけで顧客を次々と獲得している。本当に実力がないとできないことで、つねづね「すごいなぁ」と思っていました。
―長橋
ありがとうございます。スクールを通じて佐藤さんと一緒に業界全体を盛り上げることができたらうれしいですね。ところで、私以外にはどんな方がスクールの講師に就任する予定なんですか?
―佐藤
業界で名前が知られている著名人の方たちです。初歩的な内容から高度なスキルまで、さまざまなカリキュラムを用意しますが、どの授業でも長橋さんのように経験豊富な著名人の講師が実践的な内容を教えてくれる。そんな学びの場にしたいですね。
―長橋
スクールの生徒さんは、おもに経験者を想定していますか?
―佐藤
まったくの初心者から、ステップアップしたい経験者まで、あらゆるレベルの人たちに門戸を開いたスクールにします。個人的には、仕事に困っている人に来てほしいですね。たとえば、すごくきれいなホームページをつくれる能力があるのに集客ノウハウを知らないため、なかなか仕事に恵まれない。そんな人たちです。どれだけ美しいホームページをつくれても、集客できなければ仕事につながりません。そうした“壁”もブレークスルーできるような実践的なカリキュラムを提供し、困っている人たちに光を与えられるスクールにしたいですね。もうひとつ、スクールには大きな目的があります。
―長橋
それはどういうことですか?
―佐藤
「リスティングはむずかしい」「Web集客はむずかしい」というイメージを払拭したいんです。そう思われていると長橋さんも感じませんか?
―長橋
そうですね。でも本当は、むずかしいのではなく「正しい方法を知っているか、知っていないか」の差なんです。リスティングはデザインと違って感性の領域にあるものではなく、ロジックであり計測可能な理性の領域にあるもの。数学と一緒で、公式さえ覚えてしまえば8割はうまくいくんです。ですから、なにもむずかしいことはありません。
―佐藤
まったく同感です。つけくわえると、数学と一緒だからといって文系の人が活躍できないかというと、必ずしもそうではありません。そこがリスティングという仕事のおもしろさであり、魅力です。
―長橋
そうですね。分析に強い人、対面が得意で高いコミュニケーション能力を活かして顧客と一緒に問題を解決する力をもっている人など、活躍しているリスティング運用者の個性はさまざま。文系理系に関係なく、ヤル気さえあれば、どんな人でも活躍できます。
―佐藤
当社は飲食店で働いていたIT初心者を採用したことがあります。飲食店のサイクルと言いますか、雨が降ったときは売り上げが減り、給料日のあとは売り上げが上がるといったことを経験則で知っていて、その知見をリスティングに活かし、活躍してくれています。リスティングは、自分の人生経験を活かせる仕事なんです。
―長橋
リスティングを本業としていない人にとっても、リスティングの正しい公式を覚えることは大きな武器になるでしょうね。たとえば、営業職など集客に携わるビジネスマンなら、大きなアドバンテージになります。
―佐藤
ところで、リスティング広告という仕事の将来性について、長橋さんはどう考えていますか?
―長橋
“可能性しかない仕事”だと思っています。チラシ、DM、CM、リスティングなど集客ツールは多様で、それらは時代とともに進化したり、なかにはすたれたものもあります。しかし「集客」という本質的な目的は不変。自由経済がある限り、集客ニーズは絶対になくならないでしょう。だとすれば、集客コンサルタントに求められるのは、時代の変化にあわせて集客スキルを身につけることだけ。ネット社会はますます進行するでしょうから、リスティングのスキルを身につけていれば間違いなく稼げる集客のプロになれます。佐藤さんはどう考えていますか?
―佐藤
人材募集でリスティング運用者の給与を見ると、月40~100万円以上と高いんですね。ネット時代になって運用者がたくさん求められているのに“売り手市場”の状態がずっと続いているからです。では、なぜ人材不足が解消されないのか。その理由のひとつは“学ぶ場”がないことだと思います。
―長橋
リスティングは、ノートパソコンさえあればできる仕事。自由度がとても高いので、自立した人生を歩みたいという人にぜひスクールに来てほしいですね。
―佐藤
最後に、スクールの講師としての抱負を聞かせてください。
―長橋
Webマーケティングの世界は「自分さえ稼げればいい」と考えている人が結構多いんです。でも、それだけでは寂しいですよね。「稼ぎたい」と考えることは大切です。しかし、同時に「Web集客を実現することで世の中をよくしたい」「リスティング広告を通じて世のため、人のためになることをしたい」というマインドももってほしい。私益だけでなく公益を大事にする人間は強いし、使命感にかられているので学ぶ意欲が高く、スキルアップにどん欲です。スクールでは、そんな人材を育成したいですね。
―佐藤
スクールでは、長橋さんのような「世のため、人のため」という想いをもった人たちに講師を務めてもらいます。ですから、講師たちの教えを吸収していけば、知識が身につき、スキルアップが図れるだけでなく、自然と「社会のため」という姿勢も身につくでしょう。今日はありがとうございました。