テクノロジーと共存できる、業務設計が求められる
―業務効率化に貢献する技術にはどのようなものがありますか。
EUC(※)やAI、OCR、RPAといった技術があげられるでしょう。先進的な企業では、複数の技術を組み合わせ、一層の生産性向上に取り組んでいます。未導入の企業の間でも、DX推進や働き方改革の実践、採用難などの経営課題に直面するなか、こうした技術への関心が高まっています。今後は、自動化できる仕事と人にしかできない仕事をパズルのように組み合わせ、いかに人件費削減や従業員のストレス軽減につなげるかが重要になります。業績に直結するコア業務に人員を配置できれば、企業はより高い生産性でプロジェクトを推進していけるでしょう。
※EUC : End User Computingの略。システム管理部門の担当者ではなく、業務部門のエンドユーザーが主体的にアプリケーションを作成できるシステムのこと
―まずはどのような技術を活用するとよいですか。
現状のIT資産を有効活用できることが大前提となります。そこから、人手作業と自動化する作業を組み合わせ、全体で効率化を図るのです。これを実現するにはまず、RPAの導入を推奨します。RPAは、さまざまなツールやデータを操作でき、いまあるIT資産同士の架け橋的な役割を担えます。導入費用が高額な印象をもたれますが、中長期的な費用対効果を換算し、償却すれば、結果的にコストは相殺されるのです。それに、業務品質向上や従業員のストレス軽減も期待できる。しかし、こうした考え方やメリットを支援企業側が正しく説明できないことで企業が導入をためらうケースは多く、導入に際しては支援企業の選定も重要になってきます。
支援企業選びのポイントは、低コストと運用への伴走
―どのような支援企業を選べばよいでしょう。
導入費用を抑えつつ、ツールの運用にも伴走してくれる支援企業を選ぶとよいでしょう。たとえば、当社の業務効率化支援サービス『TAS』では、導入前の2ヵ月間、効果検証を無償で実施。企業は業務効率化の効果を実感したうえで、導入を判断できるのです。導入後は、RPAロボットの改修や新規開発、運用も当社が支援します。一般的なベンダーのサービスでは、こうした導入後の支援に別途費用が生じますが、当社はライセンス料を含む定額でサポート。RPAを使いこなせるようになるまで伴走します。
『TAS』では、RPAの導入以外にも、複数の技術を使った業務効率化の支援を行っています。
―ほかにどのような支援が可能なのですか。
たとえば、AI、OCRの導入支援。AIとOCRを組み合わせ、紙に書かれた文字を電子化できれば、RPAを活用できる業務の幅を広げ、さらなる生産性向上を実現できるでしょう。このほか、オフラインアプリケーションでよく使用される、C#やVBAなどのプログラミング言語によるツール開発も可能です。言わば、ITを使った業務効率化の「顧問」として、企業を総合的にお手伝いしているのです。
―業務効率化を図りたい経営者にアドバイスをお願いします。
業務の効率化や自動化を実現するツールは、導入企業から「使いこなせない」「活用が広がらない」といったネガティブな印象が一部で伝わり、未導入企業の関心を下げている面もあります。しかし使いこなせれば、企業の生産性を飛躍的に高める可能性を秘めています。私はこれまでITを使った業務効率化を支援するなか、「ツールが高額で導入を断念した」「導入後のサポートがない」といった課題を目の当たりにしてきました。『TAS』は、こうした課題や不満を解消し、テクノロジーの真価をより多くの企業に実感してもらい、生産性向上に貢献したいとの想いから生まれたサービスです。ぜひ、活用してもらいたいですね。