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SBIホールディングス株式会社 代表取締役 執行役員CEO 北尾 吉孝

自己変革をくり返し、熾烈なグローバル競争を勝ち抜け

※下記は経営者通信17号(2012年2月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―SBIグループは中国、韓国、ベトナム、マレーシア、シンガポール、ロシアなど、積極的な海外展開を進めています。業種・業態によって違いはあると思いますが、日本企業の進出先として有力な国はありますか?

北尾:代表的な国として、中国、インド、インドネシアが挙げられます。この3ヵ国は中間層の人口が拡大を続けており、マーケットとして非常に巨大です。言語と法律の面で考えると、中国よりもインドの方が進出しやすいですね。インドは300年近く英国の植民地だったので、知識階級は英語が堪能です。また英国を基準とした法律が整っているため、中国のように朝令暮改でルールが変わることがない。歴史的な反日感情もありません。システム開発やバックオフィス機能のアウトソース先としても有力ですよ。ただし、厳然として残るカースト制度が課題です。これが将来の社会不安を起こす危険性がある。また、インドの中間層は所得レベルが低いので、日本企業のテレビや自動車が売れません。サムスン電子のテレビやタタ・モーターズの自動車のように、シンプルで安い製品が必要です。

―日本企業の生産拠点としては、どの国が有力ですか?

北尾:ベトナムですね。中国と比較して人件費がはるかに安いだけでなく、政治的にも安定しています。大乗仏教の国なので、宗教的にも日本と共通点がある。さらに若年人口が非常に多く、国民性も勤勉。近い将来、日本の生産基地は中国からベトナムへと移っていくでしょう。そして、ベトナムの次がカンボジアになるでしょうね。

―欧州の債務危機をはじめ、世界経済は不透明な状況が続いています。2012年の展望を聞かせてください。

北尾:欧州危機は簡単に決着がつかないと思います。いまのユーロ体制を維持するためには、たとえばECB(欧州中央銀行)がユーロ共同債を発行する必要があります。あるいは、日米中がIMF(国際通貨基金)に資金を入れて、そのお金を危機的な国や金融機関に貸し付けなければいけません。そういった様々な措置が実行されたとして、なんとか現体制を維持できるかどうか。それくらいのレベルです。しかし、ユーロ共同債の実現は非常に難しい。なぜなら、ドイツが同意しないからです。メルケル首相も自国の選挙のことを考えると、ノーと言わざるを得ないでしょう。

―では欧州の債務問題はどうなるのでしょうか?

北尾:考えられるパターンはいくつかあります。ひとつは、財政危機に陥った国々がユーロから秩序ある脱退をするパターン。ただし、ギリシャは昔のアルゼンチンのようになってしまいます。つまり、大変なインフレが発生し、通貨は大暴落。国民は耐乏生活を強いられるでしょう。あるいは、ドイツがユーロから脱退するパターン。しかし、その副作用としてマルクが暴騰し、ドイツの輸出が激減してしまう。ですから、ドイツにとっては留まるのも出るのもしんどい。この状況はフランスも同じです。そもそも、ユーロという仕組み自体に根本的な矛盾があったんです。ユーロ圏の通貨と金融政策は統一しているのに、財政は各国バラバラ。私は最初からダメになると思っていました。しかし、ヨーロッパはまとまってこそ、国際社会で大きな顔ができるのです。一つひとつは小さな国なので、バラバラになると発言力が大幅に落ちてしまう。こういったジレンマを抱えているので、当分は不安定な状況が続くでしょう。

―アメリカ経済についてはいかがですか。

北尾:意外にしっかりしており、企業の全体的な業績も好調です。さらに今年フェイスブックが株式を公開すると言われていますが、その株式時価総額は1000億ドルを超えるとも言われています。アメリカには、そういったイノベーティブな会社がどんどん生まれてくる土壌があるのです。また、日本の人口が減少し始めているのに対し、アメリカは年々人口が増えています。世界中からどんどん移民を歓迎して、経済の活力を生み出しているのです。

―アメリカが健在ということは、世界同時不況は起きないということですね。

北尾:そうですね。リーマン・ショックの際はアメリカという本丸が傾いたので、世界全体が危うくなりました。でも、ユーロ圏が解体されたとしてもヨーロッパ各国が発言力を失うのみで、世界同時不況には陥らないでしょう。  しかしながら、当然リスクもあります。なぜなら、世界中の金融機関が欧州各国の国債を保有しているからです。そういった国債が大暴落すると、政府が多額の資金を使って金融機関を救済しなくてはいけなくなります。つまり、各国の財政危機から金融危機へと問題がさらに深刻化していけば、世界的な※システミックリスクが顕在化するでしょう。

※システミックリスク:個別の金融機関の支払不能、特定の市場または決済システム等の機能不全が、他の金融機関、他の市場、または金融システム全体に波及するリスクのこと。

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