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グローバルの経営者インタビュー

重光産業株式会社 代表取締役 重光 克昭

熊本発「味千ラーメン」が中国に広まった理由

中国で最も成功している日本の外食チェーンをご存知だろうか。熊本県に本社を置き、日本国内で約100店舗を展開する「味千ラーメン」である。同チェーンの中国の店舗数は約500。中国においては世界的ファーストフード企業の中でも屈指の存在だ。中国料理協会が2010年に選出した「中国ファーストフード企業トップ50」では、米ヤム・ブランズ(ケンタッキーフライドチキン、ピザハットなどを運営)、米マクドナルド、台湾Dicosに次いで、堂々の4位にランクインしている。熊本で開業した1軒のラーメン屋が中国有数の外食チェーンへと成長した理由は何か。今回は「味千ラーメン」を展開する重光産業の重光克昭氏に、独自の中国進出法について聞いた。

※下記は経営者通信11号(2011年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―1968年に熊本の1軒のラーメン屋から始まった「味千ラーメン」は、現在中国で500店舗を展開しています。中国に進出した経緯を教えてもらえますか。

重光:実は、もともと当社は積極的に海外進出を考えていたわけではありません。当社としては「国内市場が縮小しているので海外市場に活路を見いだそう」とか「海外戦略を強化しよう」という考えはなかったんです。しかし、多くの人との出会いがあり、海外へ進出することになったのです。

―最初の海外進出は、1994年の台湾進出だったそうですね。

重光:ええ。しかし、初めての海外進出は失敗に終わりました。失敗の原因は、現地オーナーに当社の考え方を理解してもらえなかったことです。当社は台湾の製麺会社と合弁会社をつくったのですが、現地法人が販売していたラーメンは、日本の「味千ラーメン」とは似て非なるものでした。麺はフニャフニャで、スープの味も薄かったんです。そこで、現地のオーナーに「こんなまずいラーメンはダメだ。うちのやり方で作ってくれ」と要求したのですが、「そんな味じゃ台湾人の口には合わない」の一点張り。結局、こちらの改善要求をのんでもらえないまま、店は廃れてしまいました。  この失敗で学んだのは「味千ラーメンの味を守ってくれるパートナーと組まなければいけない」ということ。もちろん現地の好みは無視できませんが、本来の味については妥協してはいけないと思ったんです。この失敗をしてから、「味千ラーメンの味を尊重してくれるパートナーが見つからない限り、海外進出はしない」と決めました。

―その後、信頼できるパートナーと出会えたのでしょうか?

重光:ええ。1995年に心から信頼できる2人のパートナーに出会いました。2人とも香港の実業家で、ひとりは27歳のリッキーさん。彼は日本に留学経験があり、香港で外食ビジネスを成功させていました。もうひとりは39歳のデイシーさん。彼女も香港で食品の貿易会社を経営していました。2人とも日本で食べた味千ラーメンの味に感動し、「この味を香港で広めたい」と熊本まで会いに来てくれたんです。  私は彼らと初めて会ったとき、「この人たちならば大丈夫だ。信頼できる」と直感しました。彼らはビジネスの拡大よりも、味千ラーメンの味を第一に尊重してくれる人たちだったからです。そこで、彼らとともに香港進出の計画を練り上げ、1996年に香港1号店を出店しました。また同じ年に味千ラーメンの中国法人を設立。彼ら2人が共同経営者に就任し、当社も数パーセントの出資を行いました。

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