この記事を読んでいるあなたは、上記のように考えているかもしれません。
クラウド型のSFA(営業支援システム)は初期コストを安価に抑えやすく、テレワークやモバイルワークとも相性が良いのが特徴です。
この記事では、クラウド型SFAにするメリット・デメリットや選定法について解説します。
おすすめのクラウド型SFAにも触れるので、参考にしてみましょう。
- クラウド型SFAとは、オンライン上で提供されているSFAシステム
- 初期費用が低くインターネット環境さえあればどこでも使えるのがメリット
- デメリットは、カスタマイズ性が低く細かな要望に対応しにくいこと
目次
SFAとは?
SFA(=Sales Force Automation)とは、営業プロセスを可視化し、効率化するためのツールです。
どの顧客にどんなアプローチをしているかが一目でわかるツールであり、提案内容の管理に役立ちます。
また、チームで使用して役割分担を明確にしたり、営業のロールモデルを探ったりできることでも注目されました。
営業だけでなくマーケティングの現場で活用されることも多く、予算やスケジュールの可視化にも貢献します。
関連記事>SFAとは?機能やメリットなど基礎知識を解説!おすすめのツールもご紹介
SFAはクラウド型とオンプレミス型の2種類ある
SFAは、大きく分けてクラウド型とオンプレミス型の2種類存在します。
下記では、それぞれの概要・特徴をチェックしておきましょう。
クラウド型SFAの特徴とは?
クラウド型SFAとは、オンライン上で提供されるSFAツールおよびサービスのことです。
インターネット回線を通して提供されるため自社でサーバーやインフラ環境を構築する必要がなく、手軽に利用できます。
時間・場所を選ばず活用できるのでテレワークとも相性がよく、多様な働き方をする企業とは特に相性がよいでしょう。
オンプレミス型SFAの特徴とは?
オンプレミス型SFAとは、自社にサーバーやインフラ環境を構築して利用するツールおよびサービスのことです。
自社環境に合わせてアレンジできるためカスタマイズ性が高く、セキュリティ面でも安心度が高いのが特徴です。
ただし、現在はカスタマイズ性のある優れたクラウド型SFAが多くリリースされていることから、クラウド型の割合が高くなっています。
クラウド型SFAのメリットとは?
クラウド型SFAのメリットは、下記の通りです。
下記で詳しく解説します。
関連記事>SFA(営業支援システム)を導入するメリット・デメリット|SFAの導入効果を目的別で解説
クラウド型SFAのメリット①導入時の初期費用を抑えられる
クラウド型SFAはサーバーやインフラを自社で用意する必要がなく、初期費用を抑えられます。
専用のサーバールームを設置することもないのでオフィスコストがかからず、導入時のハードルが少ないのが特徴です。
また、ユーザー数に応じた課金制度をDFAを導入しているクラウド型SFAが多いので、最小コストしかかかないのもメリットです。
クラウド型SFAのメリット②保守・点検・メンテナンスを委託できる
クラウド型SFAの場合、システムの保守・点検・メンテナンスは提供元の企業が担当します。
自社でメンテナンスする必要がないので運用の手間がかからず、エンジニアが不在の企業でも導入可能です。
「システムに関する専門知識がないけれどSFAを導入したい」「エンジニアはいるが手が空いていない」という企業にもおすすめです。
クラウド型SFAのメリット③:定期的なバージョンアップで最新状態を保てる
クラウド型SFAの場合、システム提供元の企業から定期的にバージョンアップ情報が届きます。
消費税の改定や法律・法令の改正に対応しやすく、自社で情報収集しながら常にプログラムを変更する必要がありません。
クリックひとつでシステムを最新状態に保ちたいときには、クラウド型SFAにした方がよいでしょう。
クラウド型SFAのメリット④:複雑な設定をせずスピーディーに導入できる
クラウド型SFAはある程度初期設定がされた状態で提供されるため、導入時に複雑な手順が要りません。
導入までの期間を短縮化しやすく、スピーディーな運用が叶います。
オプションやカスタマイズを追加したいときも営業担当者やカスタマーサポートチームが支援してくれるので、初めてSFAを導入する企業にもおすすめです。
クラウド型SFAのメリット⑤:テレワークとの相性が良い
クラウド型SFAはインターネット環境さえあればいつでもどこでも利用できるので、テレワークとの相性が抜群です。
また、外回りや出張をしながら働くモバイルワークや、サテライトオフィス勤務など多様な働き方にも対応できます。
オフィス出勤が必須ではなくなった今の時代だからこそ、クラウド型SFAのメリットが最大化しているとも言えるでしょう。
クラウド型SFAのデメリットとは?
一方で、クラウド型SFAにはデメリットもあるので注意が必要です。
下記でひとつずつ解説します。
クラウド型SFAのデメリット①:カスタマイズ性が低い
クラウド型SFAは自社用にゼロからシステムを作るわけでないため、カスタマイズ性が低いのが特徴です。
提供元が想定している範囲であればオプションの追加などで対応できますが、細かな要望には向かないかもしれません。
完全自社オリジナルのシステムにしたいときは、開発から着手する必要があるので注意しましょう。
クラウド型SFAのデメリット②:セキュリティ対策が必要
クラウド型SFAはインターネット回線を使って利用するため、不正アクセスやなりすましなどへの対策が不可欠です。
SFAには自社情報のみならず顧客やクライアントの情報もインプットするので、情報流出のないよう注意しましょう。
セキュリティ要件の見直しはもちろん、社内でITリテラシー研修を開催するなど、万全の対策をしてから導入するのがおすすめです。
クラウド型SFAのデメリット③:メンテナンスの日程に左右される
クラウド型SFAのメンテナンスは提供元が実施するため、自社の都合に合わせて日程を変動させることができません。
多くの場合、稼働の少ない土日の深夜帯などにおこなわれますが、ピンポイントでその時間に作業したいときは不便さを感じるでしょう。
早い段階でメンテナンスの日程を知らせてもらい、業務スケジュールを調整するなどの対策が必要です。
クラウド型SFAのデメリット④:システム障害のリスクがある
クラウド型SFAクラウド型SFAは提供元に依存しやすく、システム障害のリスクが伴います。
万が一提供元が大規模なシステム障害を起こした場合、「営業関連の情報が全て閲覧できない」など業務に重大な支障が出る可能性があるのです。
クラウド型とはいえどこかに必ず物理的なリソースがあることを理解し、故障・障害のリスクに備えましょう。
クラウド型SFAの選び方とは?
クラウド型SFAは多くの企業が提供しており、選定に迷ってしまうかもしれません。
困ったときは、下記の選定基準を参考にしてみましょう。
使い勝手のよいクラウド型SFAを導入し、思わぬミスマッチを避けるのが大切です。
クラウド型SFAの選び方①:初期費用が高すぎないか
初期費用を抑えやすいクラウド型SFAであっても、完全にコストをゼロにできるとは限りません。
まずはサービスごとの初期費用をチェックし、予算の範囲内に収まるか試算しましょう。
また、導入時の設定が煩雑かどうかシミュレーションし、人的コストがかかりすぎないか判断しておくことも大切です。
クラウド型SFAの選び方②:ランニングコストが高すぎないか
初期費用だけでなく、ランニングコストも大切な要素です。
ユーザー数に応じて課金する料金形態の場合、今後自社が成長するにつれ多大なランニングコストがかかる可能性があります。
完全定額制の場合でも、今の企業規模と比較してコストが高すぎないか、複数のシステムと比較していきましょう。
売上向上のために活用するはずのクラウド型SFAが、却って収益を圧迫しないよう注意が必要です。
クラウド型SFAの選び方③:運用サポートが充実しているか
初めてクラウド型SFAを活用するのであれば、運用サポートが充実しているツールにしましょう。
困ったときに電話・メール・チャット・オンラインミーティングなどでサポートしてもらえるため、安心して利用できます。
また、簡単な操作方法だけでなく活用法やコンサルティングまでしてくれるツールであれば、頼もしいビジネスパートナーとなるでしょう。
せっかくのツールを最大限活用するためにも、サポートの質が大切です。
クラウド型SFAの選び方④:メンテナンスの頻度が多すぎないか
クラウド型SFAに限らずツールやシステムには定期的なメンテナンスが欠かせませんが、頻度が多すぎると利便性を損ないます。
「高頻度にメンテナンスが発生して、使いたいときに使えない」となっては業務に支障が出てきます。
平日日中に緊急メンテナンスがおこなわれるなど、使い勝手に影響することもあるので注意しましょう。
クラウド型SFAの選び方⑤:直観的な操作ができるUIか
現場で働く営業社員が使うクラウド型SFAは、扱いやすいUIであるのが理想です。
難しいマニュアルに目を通さずとも直観的に操作できるクラウド型SFAであれば、現場に浸透するのも早いでしょう。
誰でも手軽に使えるクラウド型SFAであれば形骸化も防ぎやすく、情報の蓄積もしやすくなります。
クラウド型SFAの選び方⑥:機能に拡張性があるか
既に自社で利用中のシステムがある場合、クラウド型SFAを拡張して連携可能か調べておきましょう。
CRMやMAと連携できるクラウド型SFAであれば、営業効率をさらに高くできます。
チャットやオンラインミーティングなどコミュニティツールと連携できるクラウド型SFAの場合、チーム内でのコラボレーションが生まれやすくなるかもしれません。
複数のシステムを渡り歩くことなく営業管理ができ、面倒な切り替え作業も要らなくなります。
【最新版】クラウド型SFAツールおすすめ人気5選|料金・機能・トライアルの有無で徹底比較
ここからは、おすすめのクラウド型SFAツールを紹介します。
多くの企業からクラウド型SFAが提供されているので、まずは下記で比較してみましょう。
商品名 | 料金 | 無料トライアル | 主な機能 |
---|---|---|---|
InfAjast | 顧客管理プラン:15,730円~/月 営業支援プラン:19,910円~/月 フル機能プラン:27,280円~/月 (その他希望に合わせてオプション教育メニューあり) | 〇 | ・顧客管理 ・案件管理 ・予算管理 ・日報管理 など |
eセールスマネージャー | スケジュールシェア:3,000円/月 ナレッジシェア:6,000円/スタンダード:11,000円/月(ユーザー数30名以下であれば割引適用あり) | 〇 | ・人脈情報管理 ・商談リスト管理 ・予実管理 ・案件シナリオ作成 など |
Knowledge Suite | グループウエア:10,000円/月 SFAスタンダード:50,000円/月 SFAプロフェッショナル:80,000円/月 | 〇 | ・グループウェア ・リードフォーム ・名刺管理 ・プロジェクト管理 など |
Sales Cloud | Essentials:3,000円/月Professional:9,000円/月Enterprise:18,000円/月Unlimited:36,000円/月 | 〇 | ・商談管理 ・営業支援 ・売上予測 ・セールスエンゲージメント など |
Dynamics 365 Sales | Business Central Essentials:8,750円/月Business Central Premium:12,500円/月Customer Service Professional:2,500円~/月Customer Service Professional:2,500円~/月 | 〇 | ・商談管理 ・営業支援 ・売上予測 ・戦略提案 など |
下記ではツールごとの特徴を詳しく解説します。
おすすめのクラウド型SFA①:InfAjast
出典:https://www1.aspcom.co.jp/infajast/
- 働き方改革や業務効率化と相性が良い
- ダッシュボードなどグループウェア機能も充実
- 機能は自由に追加・削除可能
InfAjastは営業の働き方改革を支援するクラウド型SFAであり、顧客管理・案件管理・予算管理など豊富な機能が搭載されています。
社内向けの日報管理機能や簡易的な人事評価機能も搭載されているので、マネジメントを最適化したい企業やマネージャーの工数を削減したい企業にもおすすめです。
なお、ダッシュボードなどのグループウェア機能は必須ですが、それ以外の下記機能は自社の希望に合わせて自由に選択できます。
- 顧客管理機能
- 案件管理機能
- 日報管理機能
- KPIシート機能
- ワークフロー機能
- レポート機能
- アライアンス・オプション
必要最低限の機能だけに抑えてコストを抑えたいときや、シンプルでわかりやすいクラウド型SFAにしたいときに向いています。
導入コンサルティングや管理者向けの操作指導などもオプションで申し込めるので、特に手厚いサポートを期待している企業は活用してみましょう。
オプションを申し込まない場合の問い合わせには、サポートチケット(3,300円/回)が必要な点に注意が必要です。
おすすめのクラウド型SFA②:eセールスマネージャー
- 5,500社を超える豊富な導入実績
- シングルインプット機能搭載で入力の手間を軽減
- コミュニケーションエラーの解消にも最適
eセールスマネージャーは5,500社を超える豊富な導入実績があるクラウド型SFAであり、既に185業種以上で活用されています。
業種別の活用法や成功事例なども豊富に公開されているので、そもそもクラウド型SFAを導入するか悩んでいる場合はぜひ参考にしてみましょう。
特に注目を集めているのがシングルインプット機能であり、面倒な手入力をしなくても顧客情報を登録できるようになっています。
名刺を読み取るだけで基本情報を入力してくれるAI-OCRや過去の入力情報参照機能なども搭載され、営業の効率化に貢献できるようになりました。
タスクリストやスケジュールを自由に閲覧しあうなど、チームコラボレーションツールとしても活用できます。
中小企業から大企業まで幅広く活用されている大手クラウド型SFAにしたいときは、eセールスマネージャーを検討してみましょう。
おすすめのクラウド型SFA③:Knowledge Suite
出典:https://ksj.co.jp/knowledgesuite/
- SFAだけでなくCRMとグループウェアも搭載
- ユーザー数無制限で使えるコスパの良さ
- 最短3ステップで入力完了する手軽さ
Knowledge SuiteはSFAとCRMとグループウェアが機能連動してひとつになったツールであり、多機能性に優れています。
面倒なカスタマイズやオプション選択をしなくても、必要な機能がオールインワンで搭載されているので、導入から稼働までの日数も短縮できます。
顧客情報に関する行動履歴を最短3ステップで入力できる簡易性も魅力であり、忙しい営業マンの助けとなるでしょう。
ユーザー数は無制限なので、ランニングコストの増大が懸念されるベンチャー企業や成長中の企業にもおすすめです。
なお、アプリケーションはマルチデバイス対応なので、パソコンはもちろんスマートフォンやタブレットからのアクセスも容易です。
テレワークやモバイルワークの多い企業こそ、検討してみましょう。
おすすめのクラウド型SFA④:Sales Cloud
出典:https://www.salesforce.com/jp/products/sales-cloud/overview/
- 営業活動だけでなくワークフローの管理も可能
- 商談の進捗状況に応じてAIが売上予測を立ててくれる
- 請求書や見積書の作成も楽々
Sales Cloudは営業データの集約に特化したクラウド型SFAであり、コストの削減と業務効率化を同時に叶えられるのが特徴です。
AIを使った請求書・見積書・納品書の作成もできるので、膨大なルーティンワークに忙殺されている企業におすすめです。
また、稟議書など社内向けのワークフローも充実しており、Sales Cloudをコミュニケーションツールとして使うこともできます。
CRMやMAとの連携もできるので、より多彩な営業活動をしたいときに試すのもよいでしょう。
下記の業種別にソリューションが提供されているので、業界ならはの風習に合わせてツールを選定したいときにも便利です。
- 製造業
- 金融サービス(銀行・保険・資産管理)
- 消費財
- 自動車(EM・ディーラー・モビリティサービス)
- 通信
- 教育
- エネルギー・公共事業
- 公共機関
- 医療・ライフサイエンス
- メディア・エンタメ
- 非営利団体
- 小売
- 技術部門
- 旅行・交通・ホスピタリティ
業種・企業規模に関わらず導入できるだけでなく、公共機関にも導入されるセキュリティレベルの高さにも注目が集まりました。
おすすめのクラウド型SFA⑤:Dynamics 365 Sales
出典:https://dynamics.microsoft.com/ja-jp/sales/overview/
- CRMとしても活用しやすいクラウド型SFA
- Microsoft Teamsとの連携が可能
- マーケティングやカスタマーサポートにも最適
Dynamics 365 SalesはMicrosoft社が提供するSFAであり、インサイトに基づく営業促進を支援します。
顧客を個別に管理する機能も搭載されているためCRMとしても活用しやすく、マーケティングやカスタマーサポートにも向いています。
対象顧客のリストアップ機能やAIによるキャンペーンの提案機能なども搭載されている新しいSFAなので、販売戦略に悩みのある企業に導入してもよいでしょう。
また、Microsoft Teamsとの連携が可能なので、既に同ツールを使っている企業にもおすすめです。
その他、WordやExcelなどのファイルを共有しながらワークスペースのように使うなど、多様な活用法があるのも特徴です。
関連記事>中小企業向けSFAツール5選|比較のコツとうまい活用方法を徹底解説
クラウド型SFAに関するよくある質問
最後に、クラウド型SFAに関する「よくある質問」をまとめました。
気になる項目がある方は、チェックしてみましょう。
クラウド型SFAにするメリットとは?
クラウド型SFAにするメリットは、主に下記の通りです。
- 導入時の初期費用を抑えられる
- 保守・点検・メンテナンスを委託できる
- 定期的なバージョンアップで最新状態を保てる
- 複雑な設定をせずスピーディーに導入できる
- テレワークとの相性が良い
洗練されたSFAを最小限の工数で導入したい企業や、多様な働き方に対応できるSFAにしたい企業におすすめです。
クラウド型SFAを選定するときの注意点とは?
クラウド型SFAを選定するときの注意点は、下記の通りです。
- 初期費用が高すぎないか
- ランニングコストが高すぎないか
- 運用サポートが充実しているか
- メンテナンスの頻度が多すぎないか
- 直観的な操作ができるUIか
- 機能に拡張性があるか
いずれもよくチェックしないまま導入すると、大きなミスマッチに気づいて後悔するかもしれません。
まずは自社にあったクラウド型SFAにすることを第一に優先し、複数のツールを比較・検討していきましょう。
まとめ
クラウド型SFAは、インターネット環境さえあればいつでもどこでも利用できるのがメリットです。
オンプレミス型と比較して初期費用も抑えやすく、導入時の煩雑な設定も必要ないため、初めてSFAを導入する企業にも向いています。
今回紹介した情報をもとに自社に合うクラウド型SFAを比較・検討し、導入までの計画を立ててみましょう。