ブラッシュアップ・ジャパン株式会社 代表取締役社長 秋庭 洋 /  株式会社デジタルホールディングス 代表取締役会長 鉢嶺 登

確実に到来するデジタル産業革命、中小企業こそ先導役となれ

ブラッシュアップ・ジャパン株式会社 代表取締役社長 秋庭 洋 /  株式会社デジタルホールディングス 代表取締役会長 鉢嶺 登

業種業態や規模の大小を問わず、いま多くの企業においてもっとも重要な経営課題のひとつが、「DX推進」にほかならない。そうしたなか、「特に中堅・中小企業のデジタル化は遅れている」と警鐘を鳴らしている人物がいる。企業のデジタルシフトを支援するデジタルホールディングス代表の鉢嶺氏と、人材採用を支援するブラッシュアップ・ジャパン代表の秋庭氏だ。そこで本誌では、両氏による対談を企画。いかにして、DXを推し進めるべきか。その方法を聞いた。

※下記は経営者通信58号(2022年2月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

デジタル化の動きは、規模が小さくなるほど鈍い

―「DX推進」をめぐる企業の動向をどのように見ていますか。

鉢嶺:デジタル化の動きは企業の規模と完全に比例している状況です。大企業の一部がようやく専門部署を立ち上げて、予算をつけたという状況ですが、中堅・中小と規模が小さくなるほど動きは鈍いように感じます。社内の人材不足にくわえ、経営者の年齢が障壁になっていると見ています。「デジタル化はよくわからないし、いまはまだ大きな問題がないから大丈夫」と考えている経営者は、まだ多いのではないでしょうか。

秋庭:私も鉢嶺さんの著書、『ZERO IMPACT』を読むまではそんな経営者の一人でした(笑)。当社の取引先の社長さんも、DXの必要性は頭では理解しているが、「なにを、どう進めれば良いのかわからない」という例が多いですね。すでに、20代の求職者の間では、企業の知名度や規模などよりも、テレワークやワーケーションといったキーワードが希望条件の上位にあがり始めており、人材市場からはデジタル化への対応力で企業の将来性を見極める動きが始まりつつあります。若手人材にとって魅力的な職場をつくらなければ、採用競争でも後れをとりかねない。

―にもかかわらず、中堅・中小企業には、まだ切迫感はさほどないと。

鉢嶺:ええ。この状況は、私がインターネット広告を扱い始めた2000年前後の時期と非常によく似ています。「うちは新聞やテレビを使っているから大丈夫」と当時は各社が門前払いでしたが、そのうち1社、2社と利用し始め、瞬く間にインターネット広告が主流になりました。それと同じような変革が必ず起こります。いまはデジタル産業革命の前夜ですから。この動きに乗り遅れてしまえば、その後に慌てて準備を進めても、その時にはすでに人材は他社に奪われてしまっています。

秋庭:ですから、当社の取引先には、「デジタル化の波に翻弄されるくらいなら、むしろ先導役になるほうがラク」だと伝えています。いち早く着手すれば、他社に先んじて変革期をチャンスに変えられる。特に中堅・中小企業の場合は、トップダウンで進められるぶん、有利と言えるかもしれません。

有益な情報に触れることで、DXへの拒否反応を払拭せよ

―実際に、中堅・中小企業は、どのようにDXを推進すべきですか。

鉢嶺:私は、DXには「攻めのDX」と「守りのDX」という2つがあると考えています。前者はビジネスモデル自体をデジタル時代に合わせて変革していくのに対し、後者は従来の業務プロセスをデジタル化し、生産性向上やコストダウンを図ること。中堅・中小企業の場合、まずは「守りのDX」を進めれば良いと思うのです。確実に投資対効果は出ますから。特に、業務効率を上げる有効な手段として、「全社員へのスマホ配付」「テレビ会議の導入」「クラウドの運用」「チャットの活用」の4つは、すぐに始めることを推奨しています。

秋庭:同時に、「脳をDXに関する情報にさらす」ことも重要です。有益な情報に触れることで、DXへの拒否反応は払拭できます。そこで当社では、『ミライの職場推進倶楽部』という無料のコミュニティを発足させました。ここでは、DX推進に関するケーススタディの提供やセミナー・勉強会を通じて実践的な情報を提供し、若者に選ばれる「ミライの職場」づくりを支援しているところです。

鉢嶺:そうした試みはとても重要ですね。優良企業でも、5年後、10年後にはどうなっているかわからないのがいまの時代です。それならば、いまから情報だけでも取得し、若手のデジタル人材の確保を急ぐべきです。デジタル産業革命が到来することだけは、避けようのない現実なのですから。

秋庭 洋 (あきば ひろし)プロフィール

1967年、大阪府生まれ。株式会社リクルート勤務、人事コンサル企業の役員を経て、2001年9月にブラッシュアップ・ジャパン株式会社を設立。20代に特化した転職サポートを手がけ、『20代の転職相談所』『いい就職ドットコム』には、国内最大級20万人超の20代が登録。2021年からはDX企業経営者との対談動画『DX IMPACT』の配信を通じ、日本のDX化推進と中堅・中小企業の魅力ある職場づくりに取り組んでいる。

鉢嶺 登(はちみね のぼる)プロフィール

1967年、千葉県生まれ。早稲田大学を卒業後、森ビル株式会社に入社。1994年に株式会社オプト(現:株式会社デジタルホールディングス)を設立。2000年に広告効果測定システム『ADPLAN(アドプラン)』を開発。2015年に持ち株会社体制へ移行し、代表取締役社長グループCEO(最高経営責任者)に就任。2020年3月より現職。2020年7月、株式会社デジタルホールディングスに商号変更。DX支援会社の株式会社デジタルシフトの代表取締役会長を兼務。

ブラッシュアップ・ジャパン株式会社

設立 2001年9月
資本金 1,250万円
拠点 東京、大阪、名古屋、カンボジア
事業内容 20代に特化した人材紹介サービス
URL https://www.brushup-jp.com/
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