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IT投資・コンサルティングの経営者インタビュー

株式会社アイドマ・ホールディングス 取締役 三浦 和広

不便だと思われがちな在宅勤務は、むしろ営業力を強化する絶好のチャンス

働き方改革の手段にとどまらず、新型コロナウイルス対策としてもリモートワークへの注目が高まっている。しかし、遠隔による業務、特に営業活動では、実際の業務や管理面からも「難しい」と考えられがちだ。こうした課題に対し、4,000社を超える営業支援の実績を積み重ねてきたアイドマ・ホールディングスの取締役・三浦氏は、「むしろ、リモートワークによって営業力は強化できる」と指摘する。その方法を、リモートワークをとりまく現状も含めて同氏に聞いた。

※下記は経営者通信54号(2020年7月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

東京圏の企業は、約3割が在宅勤務を導入

―企業におけるリモートワークの導入は増えていますか。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、急速に増えていると感じています。国による緊急事態宣言の発令前となりますが、パーソル総合研究所が3月に実施した調査では、全国で在宅勤務を命令または推奨している企業は、全体の22.1%、東京圏では32.7%を占めました(右図参照)。東京圏で数値が高いのは、大企業で働き方改革の実践が進んでいたほか、移動による感染症のリスクが高いことが要因でしょう。

 当社の顧客に限れば、「コロナショック」以降、東京では大企業やベンチャー企業を中心に7割近い企業が在宅勤務を実施しているという実感があります。当社の顧客はもとよりリモートワークに前向きだったという前提がありますが、本来リモートワークに積極的でなかった企業も、多くが実施せざるをえない現状にあるのは確かです。

―企業がリモートワークの導入に積極的でない場合、なにが要因だと考えられるでしょう。

 職種によってはある程度、リモートワークが可能と考えられていても、特に顧客と対峙する必要がある営業職では、「遠隔では行えない」と思われがちだからだと言えます。また、「営業活動」とひとくちに言っても、アプローチしたい企業のリスト作成から、電話によるアポ取り、商談など複数のプロセスがあり、営業担当者にとっては、それら一連のプロセスを「本当に遠隔で行うことができるのか」と、不安になってしまうのです。また普段、顔を合わせるのが当たり前の顧客とのコミュニケーションが、リモートワークによって希薄化してしまうのではないかという懸念もあるでしょう。

 さらに、営業担当者だけでなく、経営者を含む管理者がリモートワークに課題を感じるケースも多いです。

Web商談+αの仕組みが、遠隔の不安・不便を解消

―どのような課題ですか。

 「密なコミュニケーションが図れないのでは」と感じることです。普段のようにそばにいる部下に話しかけられないので、「細やかな指導やサポート、進捗確認ができないのでは」と考えるでしょう。これは、営業担当者にとっても同じで、上司へのちょっとした報告や相談をしにくくなるという不安もあるはずです。さらに管理者は、「部下の予定には“商談"と記載されているけれども、本当に商談をしているのか」と考えてしまうことも十分ありえます。すなわち、部下がいま、なにをしているかがわからないことがリモートワーク導入をためらう要因となっているのです。現在、リモートワークを実施中の企業であっても、こうした課題を感じている方は多いのではないでしょうか。

―そうした課題にどう対処すればいいですか。

 顧客とのコミュニケーションが希薄化するのでは」という課題は、対面と比べて多少違和感があるかもしれませんが、オンライン商談ツールの活用である程度は解消できます。しかし、それだけでは不十分。営業やその管理を遠隔で行う際に生じる課題の解決には、営業担当者と管理者に対し、それぞれ別の仕組みが必要です。営業担当者にとっては、企業リストの作成やアポ取りといったプロセスを支える仕組みが必要になるでしょう。管理者には、部下の行動を確認したり、細やかに指示・助言を与えたりできる仕組みがなくては、マネジメントの質が下がりかねません。

 こうした課題を解消するため、たとえば当社では、営業活動やその管理を完全在宅でもオールインワンで行える、クラウド活用型の営業支援サービス『Sales Platform』を提供しています。

―サービスの特徴を教えてください。

 営業活動の各プロセスに沿って説明しましょう。まず、企業リストの作成では、当社が収集している国内最大級の法人データベースを利用できます。同データベースは、数千人のスタッフが毎日、全国に電話をかけ、新設法人を含めた約160万社のデータを集積。業種や売上規模などの基本情報からターゲット企業を絞り込むことができるほか、総務や人事といった特定部署の電話番号を検索できるのも特徴です。

 営業担当者は、このデータベースをもとにリストを作成すれば、同じ『Sales Platform』上から、電話の発信やメールの送信、企業の「問い合わせフォーム」への送信が可能です。これらの機能を活用することで、豊富なデータベースからターゲットとなる企業を効率的に絞り込み、アポイント獲得につなげられるのです。

営業活動をデータ化し、生産性改善に活用する

―アポイント獲得後はどのように活用できますか。

 アポイントを取った見込み客との商談や打ち合わせには、当社が開発したオンライン商談ツール『meet in』を使用できます。同ツールは、招待者が任意に作成したURLを共有するだけで商談を始められるので、招待される側の利用者も、アカウントの作成だけでなく、面倒なログイン、アプリのダウンロードを行わずとも、簡単に参加できます。資料や画面の共有、チャットでの会話、メモの共同編集といった、ビジネスシーンに役立つ便利な機能も搭載しています。

 また、『Sales Platform』では、管理者が抱えるKPI管理に関する課題も、解決できる機能があります。

―どのような機能でしょう。

 営業担当者が『Sales Platform』を使って業務を行ったデータをもとに、架電履歴や商談履歴、成約率といったさまざまなデータを自動で集計してくれる機能です。

 この機能によって、担当者別だけでなく、時間帯別や曜日別での分析、アプローチにかかる人件費の算出などを行い、営業活動にともなうさまざまな生産性を可視化することができます。そのため、自らデータを手作業で集計することなく、きめ細かなKPI管理を手軽に行えるようになるのです。これで、「遠隔ではマネジメントの質が下がってしまうのではないか」という不安を解消することができるでしょう。

―アポ取りから管理までさまざまな業務シーンで活用できるのですね。

 ええ。便利な機能をひとつのサービスとして提供し、遠隔での「営業活動」そのものを一気通貫で支援できるのが『Sales Platform』の強みなのです。今年からは、オンライン商談ツール『meet in』に、商談中の音声をリアルタイムで文字起こしできる新たな機能を搭載しました。この機能を使えば、簡単に議事録を作成できるのはもちろん、成績が優秀な営業担当者がどのようにアポ取りや商談を進めているかを文字で共有できます。これをもとに、営業のトークスクリプトの作成や見直しを行えば、部署全体の営業力の底上げにつなげられるでしょう。

 このように、営業活動を遠隔で行うにあたり、不安や不便さを解消するだけでなく、営業力を高めることも可能になるのです。その成果は、当社の営業職でも実践的に得られています。

―詳しく聞かせてください。

 当社では新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、4月からすべての営業職が在宅勤務を実施しています。電話をかけた回数に対してアポイントを獲得できた比率は、3月の1.33%から4月では1.38%へ上昇。件数ベースでは50件程度増えました。

 当社では、アポを獲得した見込み客と商談した後、次の商談につながる、顧客からの提案要望の獲得も計測していますが、この「提案要望の獲得率」は、3月の48%から4月は55%に高まりました。当社は、従来からリモートワークを積極的に実施していましたが、完全な在宅勤務に切り替えたことで、さらなる生産性の向上を実現することができたのです。

新たな働き方を模索し、来たる人手不足時代に備えよ

―営業活動の生産性が向上した要因はなんですか。

 アポ獲得率が向上したのは、それまで訪問しなかったような遠方までアプローチする範囲を広げたことが要因です。さらにその先の商談が進む確率が高まったのは、上司が部下と一緒に商談に参加する回数が増え、より細かい指示や助言を与えられるようになったからです。営業担当者も、ともに商談する管理者も、移動にかける時間が不要になったのと同時に、場所の制約も受けなくなるため、上司は複数の部下の商談に連続で「同行」できるのです。

 リモートワークは、こうした生産性の向上にとどまらず、移動にかかるコストの削減もできます。当社の場合、打ち合わせや商談をオンラインで行う回数を増やしたところ、年間の交通費を約1,800万円減らすことができ、そのぶんの営業利益増にもつなげることができました。

―リモートワークの必要性を感じつつも、導入に積極的になりきれない経営者にアドバイスをお願いします。

 今後、企業は、労働者人口の減少に備え、新たな働き方を模索していく必要があります。そうしたなかで企業は、生産性の向上や、社外人材の積極的な活用が求められます。こうした課題に対し、時間や場所の制約を受けないリモートワークは、社員の生産性向上も、業務委託による雇用促進も両立できる有効な手段となります。そのため、企業はいまのうちにリモートワークを含む、新たな営業手法や管理体制を確立させることが非常に重要です。

 当社は創業以来、「少子高齢社会における経営課題の解決」をテーマに、企業の営業活動を支援してきました。そのなかで、一連の営業活動を遠隔でも効率的に実現できるシステムを開発したのです。リモートワークでお困りの方や、「新しい働き方」について関心のある方は、ぜひお問い合わせください。

オンライン商談ツール『meet in』を拡販する会社として設立されたmeet in。同社はアイドマ・ホールディングスが提供している『Sales Platform』を、正式にリリースされる以前のβ版から導入しており、業務の効率化や売上アップにつなげてきたという。いったいどのように活用し、どういったメリットが得られているのだろうか。同社代表の齋藤氏に、正式にリリースされる以前から『Sales Platform』を活用してきた背景も含めて詳細を聞いた。

リモートワークに特化し、社会貢献性を追求

―正式にリリースされる以前から『Sales Platform』を活用してきた背景を教えてください。

 まず当社が、リモートワークに特化した会社だということが背景にあります。たんに社員を増員して経営を行っていくよりも、働きたいけれど時間や場所の問題で希望する働き方ができない方を雇用する。そうすることで、売上を追求しつつも社会貢献性をもたせた経営ができないか、と。実際に当社の組織体制は、私と5名の社員にくわえ、主力の営業担当者は業務委託契約を交わした子どもをもつ約50名の主婦の方たちです。キッズスペースつきのコールセンターで、営業電話から実際の商談までを『Sales Platform』を使って行ってもらうのです。

 正式にリリースする以前から導入していたのは、「実際に活用することで『Sales Platform』をブラッシュアップさせていく」という要素も大きかったため。本格的に活用し始めたのは、2019年になってからですね。当社では、以前から一部の方が在宅勤務を行っていましたが、緊急事態宣言が出されて以降は、全員が在宅勤務を行っています。

―『Sales Platform』を活用することでどのようなメリットがありますか。

 当社では、『Sales Platform』を活用することにより、大きく4つのメリットが得られていると考えています。

 まず1つ目に、当社の設立目的でもある、働きたいけれど時間や場所の問題で希望する働き方ができない方に働ける場を提供する。つまり、主婦のワークスタイルに合った働き方の実現です。主婦の方々は給料制ではなく、『Sales Platform』で営業電話をしたり、当社でも販売している『meet in』で商談すると報酬が発生する仕組みです。ですから、家事をしたり子どもの世話をしている際に報酬は発生しません。管理者は、遠隔でも個々の業務を管理できるうえ、主婦の方は働きたいときに働けるというわけです。

主婦が子育てしながら、働ける環境づくりを体現する

―2つ目はなんでしょう。

 生産性を上げる、営業電話の実現です。『Sales Platform』には「オートコール機能」があり、あらかじめ企業リストを登録しておけば、電話が終わると次の連絡先に自動発信されます。いちいち番号を打ち込まずに、営業電話ができるのです。

 3つ目は、効率的なテストマーケティングの実現です。全国的な営業リストを作成できるうえに、エリアや規模、業種などさまざまなセグメントに分けてテストマーケティングができます。そこで、「このエリアでこういった規模感の業種では反応がいい」という結果が出ると、そのセグメントに対し、一気にリソースを集中するのです。

―4つ目を教えてください。

 未経験でもスキルアップできる、仕組みの実現です。営業電話や商談を行うと、自動的にログが書き起こされることで「トークの見える化」ができます。それをもとに管理を行うことで、「次はもっとこういうふうに話してください」とアドバイスできますし、成績の良い方のトークを共有することも可能。最初は「未経験の私でもできるだろうか」と不安に感じていた主婦の方も、いまは立派な戦力になっています。

―実際の成果はいかがでしょう。

 一般的に1時間における営業電話の平均件数は20件と言われていますが、当社は45件。『meet in』の本格的なセールスを開始して1年ですが、1,560社に販売・導入しています。今後も『Sales Platform』を活用していくことで、『meet in』の販売を拡大していくのはもちろん、主婦の方たちが子育てをしながらもしっかりと働けるような環境づくりを、当社で体現していきたいと考えています。

三浦 和広(みうら かずひろ)プロフィール

1985年、広島県生まれ。大学在学中より創業時の株式会社アイドマ・ホールディングスの業務に参画。コールセンターの完全リモート化を実現し、現在1,000名規模まで拡大させている。その他、在宅ワーク特化型求人メディア『ママワークス』の設立、株式会社meet inの設立に参画。

齋藤 正秋(さいとう まさあき)プロフィール

1982年、埼玉県生まれ。2005年に立正大学を卒業後、人材系のベンチャー企業に入社。採用支援業務に携わる。その後教育事業の立ち上げや起業を経て、株式会社アイドマ・ホールディングスに入社。オンライン商談ツール『meet in』の販売に責任者として携わり、2017年にグループ会社として株式会社meet inを設立し、代表取締役に就任する。

株式会社アイドマ・ホールディングス

設立 2008年12月
資本金および準備金 8,810万円( 2019年5月8日現在)
従業員数 794名(2020年4月末日現在、アルバイト・契約社員・在宅ワーカーを含む)
事業内容 業務支援事業、就労支援事業、セールステック事業
URL https://www.aidma-hd.jp/
リモートワークに関する
お問い合わせはコチラから
お問い合わせ電話番号
03-5985-8290(受付時間 平日9:00〜18:00)
お問い合わせメールアドレス
consulting@sales.aidma-hd.jp

株式会社meet in

設立 2017年1月
資本金 1,000万円(資本準備金 500万円)
従業員数 6名
事業内容 オンラインコミュニケーションツールの開発、オンラインコミュニケーションの教育研修
URL https://meet-in.jp/
不便だと思われがちな在宅勤務は、むしろ営業力を強化する絶好のチャンス

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