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人事・労務の経営者インタビュー

株式会社JPRON / 日本メディメンタル研究所 代表取締役所長 医学博士・産業保健コンサルタント 清水 隆司

単なる法令遵守にとどまらない“よい産業医”の選び方

従業員の健康管理に対する社会的な関心が高まるのに伴い、メンタル不調が中小・ベンチャー企業の労務問題になるリスクも高まっている。こうした状況について、従業員の復職支援など、メンタルヘルスにかんするサービスを提供する日本メディメンタル研究所の代表・清水氏は、「産業医の役割をきちんと理解し、従業員の健康問題に対応することがますます重要になっている」と指摘する。同氏に、産業医を活用する必要性が高まっている背景や、選任にあたってのポイントなどを聞いた。

※下記は経営者通信52号(2019年9月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

従業員のメンタル不調は、単なる職場内の問題ではない

―産業医を活用する必要性が高まっている背景はなんですか。

 従業員が50名以上いる事業場において、産業医の選任が義務化されているのはもちろん、メンタル不調を患う人が増加傾向にあることです。職場環境が原因で従業員がメンタル不調に陥ると、職場の生産性が下がるだけでなく、労使紛争が起こるリスクも生じます。場合によっては、企業の評判や信頼までもが低下します。そうなれば、優秀な人材を採用できなくなってしまうなど、長期的かつ大きな問題につながりかねません。特に近年は、働き方改革や健康経営が叫ばれている背景から、メンタル不調は「たかが職場内の問題」ではなくなっているのです。

―どう対策すればよいでしょう。

 産業医の適切な活用が、対策につながります。産業医は臨床医である一般的な主治医と混同されがちですが、役割は異なります。主治医は、患者を最優先して診断や治療を行う。一方、産業医は、従業員への面談やヒアリングを通じ、休職・復職の可否を判定したり、残業制限を含む職場環境の改善を助言したりします。つまり、医学的見地から見た従業員の健康面や本人の働く意思だけでなく、「安全配慮義務(※)」を考慮するのです。そのため、産業医の助言が活かされれば、「休職していた従業員が復職後まもなく再休職してしまう」といった事態を防ぎやすくなります。

 産業医の選任は、単なる法令遵守にとどまらず、経営者が産業医の役割を理解したうえで、“よい産業医”を選任することが大切です。

※安全配慮義務:社員が安全で健康に働けるよう、企業が配慮すべき義務のこと

―“よい産業医”の要件はなんですか。

 まずは、産業医自身が対応できない職務にも可能な限りフォローできることです。たとえば、医療機関の紹介。産業医は臨床医と違い、診断や治療を行えません。よい産業医は、必要に応じ、どの科を受診すべきかを教え、医療機関の紹介状も書いてくれます。このほか、労使紛争など産業医の判断だけで解決できない案件に、社労士や弁護士との協働を提案できることも大切ですね。

 次に、従業員だけでなく、その上司など周りの意見も平等に聞けること。そうすることで、業務の内容や環境をより客観的に把握できるようになります。そして、従業員の健康状態や人間関係、職務内容、部署のミッションなどを理解したうえで、安全配慮義務に即した現実的な助言を行えることも、よい産業医に求められる要件なのです。

産業医の技術と能力は、個人差が大きい

―そのような産業医はどう探せばよいのでしょう。

 医師人材紹介会社を利用するのが一般的ですが、産業医の技術や能力は個人差が大きいのが現状です。従業員の悩みを聞き、会社の組織や職場環境についてヒアリングする産業医の仕事は、患者の病状のみを診る臨床医とは大きく異なります。臨床医が産業医を始める場合、通常は実務研修を経ないため、新人産業医は未経験のまま、企業にひとり放り込まれるカタチになるのです。そのため、産業医としてのスキルをどの程度積めるかは、個人の学ぶ意思と能力に大きく左右されてしまいます。

 必要なスキルを備えた産業医を選ぶには、教育体制が整っている紹介会社の活用がポイント。たとえば当社の場合、先輩産業医に同行して企業を訪問するなど、産業医に実務研修の期間を設け、産業医の質を確保しています。

―健康管理に取り組む、中小・ベンチャー企業の経営者にメッセージをお願いします。

 医師人材紹介会社は、紹介した産業医が企業と契約すると、「後は産業医におまかせ」としてしまうのが一般的です。しかし当社では、所長である私に、担当産業医が報告・連絡・相談できる体制を構築。担当産業医が対応しきれない場合は、私が代わりに対応できるので、企業には安心して産業医を活用してもらえます。さらに、産業医の企業訪問時は、サポート役として産業保健師も同行します。堅いイメージのある産業医と話すのに抵抗感がある従業員でも、「医師でない保健師となら話しやすい」と思われるケースは多く、企業と産業医間の意思疎通も充実できます。

 当社ではこのほかにも、休職・復職ケアやストレスチェックなどさまざまな法人向けのサービスを展開しているので、従業員の健康管理に関心のある経営者はぜひお問い合わせください。

清水 隆司(しみず たかし)プロフィール

1966年、福岡県生まれ。1991年、産業医科大学医学部を卒業後、三井石油化学工業株式会社(現:三井化学株式会社)に入社し、産業医として勤務。1999年、産業医科大学産業医実務研修センターの助手に就任。
2006年、株式会社JPRON(ジェイプロン)メンタルヘルスケア・プロモーション研究所を設立、代表取締役所長に就任。2009年、株式会社JPRON / 日本メディメンタル研究所に社名変更。

株式会社JPRON / 日本メディメンタル研究所

設立2006年8月
資本金500万円
売上高9,800万円(2018年7月期)
従業員数14名(2019年7月1日現在)
事業内容産業医業務(産業保健コンサルタント)、カウンセリング、メンタルヘルスケア(心の健康対策)、「うつ」の方の復職判定面談・職場復帰支援、過重労働面談、就業規則のコンサルテーション、メンタルヘルスにかんする相談、メンタルヘルスにかんする講演会・研修会
URLhttp://www.medi-mental.com/
お問い合わせメールアドレスinfo@medi-mental.com
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03-5953-1540
(平日10:00~17:00)

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