累計経営者300人に取材
経営者の経営力を上げるメディア
営業支援の経営者インタビュー

一般社団法人日本なりきりマネジメント協会 代表理事 鷹尾 豪

「この人から買いたい」と思わせる❝合意形成術❞で成果をあげよ

営業力を強化して、売上アップを図りたい―。経営者の誰もが望む、経営課題のひとつである。そんななか、日本なりきりマネジメント協会・代表理事の鷹尾氏は「営業で成果を出すためには、相手との合意形成が重要だ」と強調する。同協会は、❝合意形成術❞を身につけるためのユニークな研修を2017年10月から実施。同氏に、営業力強化の方策を聞いた。

※下記は経営者通信49号(2018年10月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

営業とは「売る」のではなく「相手と一緒に買う」行為だ

―営業が成果につながらない場合、どのような課題が考えられますか。

 端的にいうと、提案する側である営業の利害が相手に見すかされてしまうことですね。「なんだかんだいって契約がほしいんでしょう」と。そこから警戒心が生まれ、いくら商品やサービスのメリットを紹介しても相手には伝わらないのです。

 私は研修で、よくみなさんに「営業とはなんですか?」とお聞きします。すると、「相手の役に立つこと」「社会に貢献すること」といった答えが返ってきます。私がお伝えしているのは、「営業とは相手と一緒に買う行為である」ということ。この“相手と一緒に買う"という状況を、私たちは「合意形成をえた状況」と定義しています。

―具体的に教えてください。

 営業とは、相手がいてこそ成り立つもの。ひとりで交渉はできませんから。そこでまず重要になるのは、「売ること」ではなく「関係を築くこと」。独り相撲で「買ってください」では、なかなか相手の同意をえられません。関係性をコントロールして、いかに相手から「Yes」をもらうか。それが❝合意形成術❞なのです。

―「合意形成」をえるにはどうすればいいでしょう。

  私たちは「合意形成」に、6つのスキルが必要だと考えています。まずは「マウントスキル」。名前で「マウントポジションをとる」ことを想像する方もいますが、私たちは「合意形成」をえる土台となる「相手に信用してもらう技術」と解釈しています。

 次に「アナリティカルスキル」。こちらは質問などを通じて、相手のホンネを引き出す技術です。

 そして「グリップスキル」。これは「アナリティカルスキル」と連動しますが、いかに相手が「主体的に話したい」と思える情報を引き出すか、という技術。ほめるのが一般的ですが、面談の冒頭で使うとただの「おべんちゃら」に聞こえるので、面談の中盤以降に使うのをオススメしています。

―残り3つのスキルを教えてください。

 「リーディングスキル」は、こちらの利害をみせずに、いかに主導権を握るかという技術。営業では自分の「売りたい」が多く見られると劣位になり、相手の「買いたい」が多く見られると優位になります。

 さらに「アジャストスキル」。これはよく聞く話ですが、いい情報と悪い情報の出す順番を操作して、期待感を醸成する技術。「おいしいけど並ぶ」ラーメン屋さんと「並ぶけどおいしい」ラーメン屋さんなら、後者のほうが「行ってみたい」と思いますよね。

 最後に「クロージングスキル」。これは「最後のひと押し」をするのではなく、「A」か「B」を選んでもらう技術のこと。相手に選んでもらうことで、「押しつけられた」感をなくします。

「仮想型ロールプレイング」で参加者の熱量を上げる

―6つのスキルはどうすれば身につけることができるでしょう。

 たとえば当協会では『なりきりマネジメント』というメソッドで研修を実施し、6つのスキルを伸ばすサポートを行っています。特徴としては、座学ではなく受講者が参加するロールプレイング型という点。参加者がそれぞれ設定されたシチュエーションに従い、互いに決められた時間内で交渉しあうのです。

 そして、もうひとつの特徴が、シチュエーションが仮想の交渉空間である点。たとえば、原始時代にふたつの村があり、そこにある日、マンモスがやってきて……というシチュエーションを設定。そこで、マンモスの肉を分けあうのですが、お互いの望む条件に沿うように「合意形成」をしてもらうのです。

 さらに後半は「立場Switch」といって、お互いの設定を入れ替えます。結果、一方の村がどのような悩みや要望をもっていたかがわかり、相手がどのように考えて交渉していたかをリアルに体験。そうすることで、お客さんの立場で考える訓練をするのです。

―なぜ、リアルな設定ではなく仮想空間なのですか。

 あえて非日常的な空間を設定することで、ゲーム感覚で楽しんでもらうのが目的です。そのほうがスキルや知識が身につきやすく、自然体で交渉できる方が多いんです。実際に研修では、みなさん熱心に交渉していますよ。 また、会社別にリアルな営業シチュエーションをカスタマイズする「オリジナルCase」を設計することも可能です。

―サービスを開始してまだ間もないですが、評判はいかがでしょう。

 「研修の切り口が変わっていてユニークだ」と評判です。また、研修前と後に独自の診断システムを受けてもらうことで、どれだけ6つのスキルを身につけたかを「見える化」することも可能。親会社のギブ・スパイラル・ジャパンで培ってきた❝合意形成術❞を広めることで、営業のおもしろさを伝えていきたいですね。

―『なりきりマネジメント』の研修を導入した経緯を教えてください。

佐藤:日本生命では「人財価値向上プロジェクト」を掲げており、営業職員につきましては「一人ひとりを大切に育成する」というコンセプトのもと、新たなお客さまを開拓し、長期安定的に働ける人材の育成を図っています。そのため、日ごろから積極的に研修を行っているのですが、社内研修だけだと、どうしても内輪向けになりがち。そこで定期的に外部からの研修を受け入れているのですが、『なりきりマネジメント』では「合意形成」という、いままでにない発想に注目。保険の仕事は、いかにお客さまとの距離を縮めて提案するかが重視されます。その距離を縮めることに役立つのでは、と期待して導入しました。

―実際に受講してどうでしたか。

井関:参加者がチームに分かれて、「原始人の村同士でマンモスの肉を交渉して分けあう」という内容でした。最初はチーム内のスタッフと「交渉でこれだけもらえてよかったね」と話していたんですが、「立場Switch」で状況が入れ替わったとき、「あ、この人たちはこういう状況でこれがほしかったんだ」というのがわかったんです。当然、日々の営業では、お客さまにヒアリングをしているんですが、「事前に私が売りたかった提案に寄せていこうとしていたのでは」と考えさせられました。

佐藤:この研修で即効性を期待するのではなく、さまざまなアプローチによって一人ひとりの成長をうながしていければと考えています。

鷹尾 豪(たかお たけし)プロフィール

1978年、愛媛県生まれ。2001年に神戸大学を卒業後、株式会社インテリジェンス(現:パーソルキャリア株式会社)に入社。約2年、営業業務に携わる。その後、塾講師などを経て、2010年にオフィスや店舗の賃料適正化の交渉をメインに手がける株式会社ギブ・スパイラル・ジャパンを設立し、代表取締役に就任する。2017年に、それまでの賃料交渉経験を活かし、一般社団法人日本なりきりマネジメント協会を設立し、代表理事に就任。❝合意形成術❞を広く伝授するための活動を行っている。

一般社団法人日本なりきりマネジメント協会

設立2017年10月
事業内容合意形成能力判定事業、合意形成の研修・教育事業、合意形成の習得および普及向上につながる研究および事業に対する助成事業、そのほか目的を達成するために必要な事業
URLhttp://narikiri.or.jp/
お問い合わせ電話番号06-6131-3960(受付時間 平日 10:00~18:00)

日本生命保険相互会社

設立1889年7月
資本金1兆3,500億円(2018年3月末時点)
従業員数7万1,871名(うち内勤職員1万9,515名)(2018年3月末時点)
事業内容個人および企業向け各種保険商品の引受・保全サービス、有価証券投資・貸付・不動産投資など受託資産の運用、付随業務
URLhttps://www.nissay.co.jp/

※このサイトは取材先の企業から提供されているコンテンツを忠実に掲載しております。ユーザーは提供情報の真実性、合法性、安全性、適切性、有用性について弊社(イシン株式会社)は何ら保証しないことをご了承ください。自己の責任において就職、転職、投資、業務提携、受発注などを行ってください。くれぐれも慎重にご判断ください。

月間人気記事ランキング集計期間:10/14~11/12

  • 海外で活躍する経営者のインタビューサイト Japan Business Headline
  • 海外で活躍する日本企業を増やす総合情報サイト ヤッパン号
  • ベンチャー支援のプロフェッショナル
  • 注目の西日本ベンチャー100
  • INOUZTimes
  • THAI GOOD COMPANY 100

経営者通信メールマガジン

経営者通信注目の企業や、ビジネスニュースなど経営者のための情報をお知らせします。

ご登録はこちら

経営者通信

経営者通信
経営者に贈る、経営者の"経営力"を上げる情報誌

全国の経営者向けに発刊している情報誌です。

経営者通信への掲載・取材希望の方

経営者に直接アプローチできる雑誌、経営者通信に貴社の取材記事を掲載してみませんか?

pagetop