人が集まる場所で営業できる移動販売の利点を生かす
―ベリーズ・カフェは立ち上げから3年で大きく成長されました。なぜクレープの移動販売車なのでしょうか。
なんといっても投資が少なくて済むことです。販売車両と食材を準備すれば最小のリスクで始められます。また立地に左右される店舗と違い、お客様がいる場所に出向くことができます。クレープの味には自信がありますから、人が多く集まる「出店場所」がとれれば、売上は自動的に上がっていきます。
―順調に場所をとれたことが成長の理由ですか。
そうです。私自身、長年企業で営業職でしたから、場所を貸す側のメリットをふまえた提案を心がけました。最初に営業をしたスーパーに契約が決まって、よく売れたので、これで良いと思っていると、夏になると一気に数字が落ちました。あわてて新たな場所へ営業活動し様々な出店場所を確保していきました。またベリーズ・カフェ開業当初から初めていたSNSで出店場所やメニュー内容を発信し続けていることで秋頃から問合せが増えてきました。夏場に必死で営業をしたのが功を奏して、出店の場所は一気に増えました。
売上が落ちていたスーパーも秋になれば自然に回復し、売れなかったのは季節のせいだと気付きました。企業様からの問い合わせも順調良く増えてきました。そこで夏場は売り上げが厳しいため翌年からは各地の夏祭りへ出店することに方向修正したのです。子どもたちが集まる地域の小さなイベントでも、売り上げが上がりますので初年度の経験を生かし翌年より失敗はしない様になりました。あとは問い合わせ頂いている企業様、地域のイベント等もしっかり対応する事でリピートも増えてきました。
―新規とリピーターの相乗効果ですね。
企業として、スケジュール管理、身だしなみ、接客、後片付けなどをトータルできちんと行った点が評価されました。依頼側はどの様な人が来るのか心配なので、身だしなみ、対応をきちんとし評価を受けリピートが増えました。また、当社は3台のベリーズ・カフェ直営車を動かして、同じクレープでも季節、場所、日程、天候、販売員の差でどのように売れ行きが違うのかというデータをとることができました。それを加盟店さんにフィードバックしています。
―フランチャイズ本部として、加盟店さんへのバックアップ体制はどのようになっていますか。
車両の準備や開業に関する手続き、クレープの作り方に加えて、重要なのが場所の取り方、場所ごとの売り方です。これらをサポートし、売上が上がるまでのレールを敷くことも私たちの仕事です。ですから、マイナス面や失敗事例も正直に伝えます。また、個人事業主と契約できない企業の案件は、本部が交渉や契約を代行します。
企業間ネットワークを生かして安定的な出店を斡旋
―出店場所は増えているのですか。
リピーターに加えて、ネットから問い合わせがどんどん入っており、イベント会社、住宅関係、車のディーラーなど、販促をはじめとする様々なイベントに出店しています。フランチャイズ加盟店が90店以上あることで、確実にスケジュールを押さえられる点で安心だと、全国展開によるスケールメリットも出ています。出店依頼が多いので、加盟店には安定的に仕事が出せますし、出店場所との細かい調整事項を本部がやるため、売ることに集中してもらえるメリットもあります。
―成功する加盟店とはどのようなタイプでしょうか。
脱サラで始める人は企業人としてのベースをもとに、真面目に経営されています。女性の活躍も目を見張るものがあり、埼玉県の20代の女性オーナーは、一人で北関東一円でベリーズ・カフェを展開しています。フットワークが軽く、イベント現場でも誠実にお客様に対応する姿勢が評価されてリピートで指名が入るほどです。
―今後の具体的な展開を教えてください。
次はピザに力を入れようと考えています。高性能の小さな窯を搭載したかわいらしい軽四で、狭い場所でも営業できるようにし、万人が好むメニュー展開で安定した売上を上げるのが目標です。
加盟金やロイヤリティーを取らなくてもグループ全体で利益を追求できます。まだ業界が新しいので、加盟店さんには新たに開拓していく面白さを一緒に体感してほしいですね。