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ジョブマネ株式会社 代表取締役 小林 康裕

「おい、あの件どうなったんだ?」 社長、クラウドで確認しましょう

「働き方改革は大企業だけの話」なんて、自社を蚊帳の外に置いてはいないだろうか。そんな中小企業の経営者に対し、「身近なところにある非効率を解消すれば中小企業でも働き方改革を実現できる」とジョブマネ代表の小林氏は指摘する。顧客や外注先、経理のデータを統合し、一元管理することで、「あれどこにある?」「誰に聞けばいい?」といったやりとりの手間が省け、経営者本人をはじめメンバー全員が本来の業務に集中できるのだ。「たかが5分」の短縮を積み重ねて、働き方改革を実現する方法を、小林氏に聞いた。

「ちょっとした手間」が現場を疲弊させている

―国が旗を振り、働き方改革を進めています。しかし、中小企業の経営者からは「それは大企業の話。ウチのような小さな会社はいままで通り、みんなが長時間、がんばるしかない」という声が大勢です。中小企業には働き方改革は不可能なのでしょうか。

 いいえ。そんなことはありません。大企業は組織が大きいのでムダのスケールも大きく、目に見えやすい。だから、ムダをなくして業務を効率化し、労働時間を短縮する打ち手もわかりやすいんです。でも、中小企業の場合、ムダが見えにくいところに散在しています。経営者自身がムダと認識していないものも多い。こうしたムダをなくして効率化すれば、中小企業でも働き方改革を実現できます。

―たとえば、どんなムダがあるのでしょう。具体的に教えてください。

 こんな会話をした経験はありませんか。「A案件の担当は誰だっけ?」。そう聞くと、「Bさんです」。「聞きたいことがあるんだけど」「あれ? さっきまでいたのに。たぶんランチです。戻ったら社長のとこに行かせますね」。

 経営者には、次から次へと考えなければいけないことが出てきます。Bさんが帰社して、社長のところに来たときには、A案件の問題は緊急ではなくなっている。「ああ、その件はもういい。仕事に戻ってくれ」と告げられ、Bさんは「社長の気まぐれのせいで、時間をムダにしたよ…」と思うことになります。

 問題なのは、A案件について気になることが出てきたのに、経営者がすぐにそれを確認する方法がないことです。その情報を知っているのはBさんだけ。しかも、BさんがA案件についてのすべてを把握しているわけではなく、A案件の受注段階で提案した見積もりはC営業スタッフ、A案件で起用している外注先の請求額はD部長、A案件の顧客からの入金がなされているかどうかはF経理スタッフ…。といった具合です。

―確かに。「あれどこにある?」「あの件はどうなった?」という確認のやりとりが、日々、多く起こっています。

 そうでしょう。情報をもつ当事者が戻らないことには、仕事がストップしたままになってしまう。そんなヤキモキで、余計なストレスを抱えてしまうことにもなる。悪循環としか言いようがない。

 このために、社員ひとりにつき1日5分の時間がムダになっているとします。「たかが5分」です。でも、社員が50名の会社であれば、1日4時間以上がムダになる計算です。これが1年間続くとしたら実に1,000時間がムダになっています。経営の観点からすれば、非常に大きな損失です。

見積もりデータベースがあれば精度の高い提案ができるように

―よい解決方法を教えてください。

 システム化を図るべきです。そのシステムは、タテとヨコでデータを一元的に管理できるようになっていなくてはいけない。タテというのは、業務領域別にデータがまとまっていること。新規開拓の問い合わせ履歴のデータベースがあれば、「『二度と電話してくるな』と言われていた企業にまたかけてしまった」といった間違いを防げます。顧客への見積もりのデータベースがあれば、新規顧客への提案のために過去の見積もりを参考にできる。入金管理データベースがあれば、経理担当者が不在でも、社長が直接、ある顧客からの入金がなされているか確認できる、というわけです。

 そしてヨコというのは、案件ごとに進捗や収益を管理できるようになっていること。特定の案件というヨコ串で、顧客情報、見積もり情報、外注先情報、プロジェクトの進捗情報、請求情報や入金情報が閲覧できれば、たとえば「G案件は赤字になりそうだ。クライアントと交渉しよう」という判断が、赤字が判明する前にできます。現状では「顧客からの入金と外注先からの請求があって、初めて赤字か黒字か判明する」というケースも多い。それでは手の打ちようがありません。

 たとえば当社が提供している『ジョブマネ』は、特にBtoBの受託請負型のサービスを提供している会社向けに、タテとヨコで業務を一元管理できるシステムになっています。一人ひとりのデータ入力が自動的にレポートへと集計されて経営者が閲覧できるので、社員にわざわざ「あれ調べておいて」「この件の報告書つくって」といった指示を出す必要もありません。社員に余計な労力をかけさせることなく、経営に必要なありとあらゆる指標やデータを、見たいときにすぐ見られるようになっているのです。

―しかし、中小企業はシステム投資に大きな予算をさけません。

 『ジョブマネ』のように、すでにパッケージ化されているクラウドサービスを利用すれば、コストを低くおさえられます。そこが組織のスケールが大きいためにIT導入のためにはイチからシステムの設計が必要となる大企業に比べて、中小企業の有利な点です。最初はパッケージを導入してクラウドサービスの利便性を実地に確かめたうえで、必要に応じてカスタマイズしていく方法がオススメです。

紙からエクセルへ変わったようにこれからはクラウドが主流になる

―「わざわざシステムを入れなくても、社員にさらにがんばるように指示するだけだ」という経営者もいそうです。

 そういう経営者の方には、「もう少し現場のことを見てほしい」と思います。現場の仕事の流れの中で、ちょっとした手間の積み重ねで、社員が疲弊している実態を理解してほしいです。

 また、現在のビジネス環境はものすごいスピードで変化しています。従来のやり方に固執するだけでなく、つねに知識をアップデートしていく先見性や柔軟性をもち合わせていないと、あっという間に取り残されてしまう。新しいものにすぐに飛びつく必要はありませんが、アンテナを張っておく姿勢は大事だと思います。

―「新しいもの」のひとつがクラウドであると。

 そうです。さまざまな業務において、紙ベースで管理されていたものが、いつの間にかエクセルでの管理が主流になっていきましたよね。それと同じように、いずれはクラウドに代わるときが来ることは間違いありません。早い段階から取り入れておいて、損はないのです。たいていのサービスにはトライアル版が用意されていますから、まずはそれを試してみることから始めてみたらいいのではないでしょうか。

―最後に、「働き方改革」の流れに戸惑っている中小企業の経営者に向けて、アドバイスをお願いします。

 中小企業の労働生産性向上のカギは、実は小さなことの積み重ねにあります。よく時間短縮のための企業の取り組みとして「会議が長引かないよう、イスに座らずに立って会議をする」といったアイデアが話題になりますよね。このように「時間に対してシビアな意識をもつこと」「それに対しアイデアを活かした取り組みを実行すること」は、限られた人員で業務を回さなければならない組織にとっては非常に大事です。書類やデータをクラウドで一元管理して社員が共有できるようにすることも、ムダな時間やストレスを減らすうえでとても有効。そうして「浮かした時間」を新たなビジネスや人材を育てる時間に割り当てることで、さらに会社は成長するはずです。

小林 康裕(こばやし やすひろ)プロフィール

1974年、東京都生まれ。大学卒業後、広告代理店に入社。2000年に株式会社ネオマーケティングを創業。BtoB受託請負型サービスを展開する企業向けの業務管理クラウドサービス『ジョブマネ』を開発。2017年に、同サービスを専門的に手がける会社としてジョブマネ株式会社を設立、代表取締役に就任。

ジョブマネ株式会社

設立2017年10月
資本金1,300万円
事業内容BtoBベンチャー企業向けクラウドサービスの企画・開発・販売、ベンチャー企業のマーケティングコンサルティング
URLhttps://jobma.jp/

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