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TOMAコンサルタンツグループ株式会社 代表取締役・公認会計士 藤間 秋男

長期存続する企業と短命で終わる会社の分かれ目

企業の永続―。これは経営者にとって最大の関心事のひとつだ。しかし、ある調査によれば、同時期に設立された会社で30年間続いた会社はわずか0.025%。1万社のうち2~3社のみという結果だった。どうすれば「狭き門」に入ることが可能なのか。120年の歴史を有する日本最古の士業グループで、「100年企業」の調査研究を行っているTOMAコンサルタンツグループ代表の藤間氏に、長期存続している継続企業の共通項などを聞いた。

※下記は経営者通信25号(2013年6月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―どうすれば企業を長期存続させることができますか。

藤間:私は多くの「100年企業」を見てきましたが、そうした会社にはいくつかの共通項があります。そのひとつが「絶え間なく変化する」ことです。

―なぜ、変化することが重要なんですか。

藤間:室町時代に創業、480年以上の歴史を持つ和菓子の老舗、株式会社虎屋の事例をお話しましょう。「とらや」といえば、多くの方は羊羹を連想すると思います。しかし、同社は圧倒的なブランド力を持つ伝統の羊羹に依存せず、つねに斬新な和菓子を開発し続けてきました。近年では甘味処のイメージを一新したTORAYA CAFEの展開や、30年以上前にフランス・パリに出店するなど、海外進出にも取り組んでいます。 同社社長の黒川光博氏は、連綿と続く自社の歴史を振り返り、「伝統とは革新の連続だ」と指摘しています。のれんにあぐらをかかず、経営革新に挑戦し続ける。だから虎屋は4世紀以上も存在することができたのです。

―変化し続ければ、長期継続できるんですか

藤間:いいえ。事業内容、販売方法は時代の変化に合わせて次々と革新する。その一方で、企業の核となる「変化しない部分」が確立されなければ、長期継続は困難です。この「、変化しない部分」とは、経営理念にほかなりません。パナソニックの創業者である松下幸之助氏は、「経営成功要因の3原則」として、次の条件を掲げています。①経営成功要因の50%は経営理念の確立と浸透(絶対条件)、②社員の個性を最大限に発揮できる環境をつくることが30%(必要条件)、③戦略と戦術が20%(付帯条件)。そして、「①と②こそが経営者の仕事であり、それができたら③は社員の好きにやらせたらよい、」と言うのです。松下氏は、「経営理念が確立できれば、その事業は半分成功したようなものや」と喝破しています。

―経営革新の継続と不変の経営理念が、100年企業の共通項なのですね。

藤間:そうです。老舗企業の経営の極意は「コマ経営」として表すことができます。回転を支える軸が経営理念。軸に支えられたコマの上部はダイナミックに事業展開していくエネルギーです。軸は求心力、上部は時代環境に合わせて変化する遠心力と言い換えることができます。軸がブレたり、回転が遅いとコマは倒れてしまいますよね。

―長期継続するには、経済危機や天変地異など、不測の事態を乗り切ることが必要です。老舗企業は、どのように危機を克服してきたのですか。

藤間:そのお手本は、元禄期の1699年に創業した株式会社にんべんのケースでしょう。時代は江戸末期にさかのぼります。明治維新は日本を近代化させましたが、一方で大きな副作用をもたらしました。殿様や侍が一斉に失業。掛け売りの支払いが不能となり、貨幣経済が停止してしまったのです。そのため、江戸の豪商が次々倒産するなど、空前の経済危機が発生しました。その渦中にあってにんべんは、現代でいう商品券を発行。お金を先払いしてもらう仕組みをつくりました。文明開化の世相ともマッチして商品券は人気を集め、キャッシュフローが劇的に改善。今日の発展の基礎を築いたそうです。

―最後に、経営者にメッセージをお願いします。

藤間:100年企業の経営者は一様に「いまが最大の危機だ」と口をそろえます。看板商品やブランド力に慢心せず、つねに危機感を持って経営する。これも、企業を100年継続させるための秘訣のひとつです。当社グループは、120年以上続く日本最古の士業グループです。この間には第二次世界大戦など、何度も大きな困難に直面しました。税務・会計サービスだけではなく、こうした自社の経験を踏まえたアドバイスや経営支援を提供し、100年企業が1社でも増えるよう、貢献していきたいですね。また、当社では長期存続している企業のトップや著名経営者を招き、自身の経験にもとづいた実践的なアドバイスが聞けるセミナーも開催しています。当事者の証言は最高の教科書。外部環境が変化しようと、経営者にとって「打つ手は無限」です。本セミナーでは具体的な実行策をお伝えしますので、関心のある方は気軽に参加してください。 セミナーの詳細:http://www.toma.co.jp/seminar/h250708/

藤間 秋男(とうま あきお)プロフィール

1952年、東京都生まれ。1975年に慶応義塾大学商学部卒業。1982年に藤間公認会計士税理士事務所(現:TOMAコンサルタンツグループ株式会社)を設立し、現在は代表取締役・理事長に就任。

TOMAコンサルタンツグループ株式会社

設立 1982年12月(創業:1890年)
従業員数 150名(公認会計士8名・公認会計士試験合格者3名・米国公認会計士1名、税理士33名、国税局OB税理士8名、税理士試験科目合格者27名、社会保険労務士11名、中小企業診断士3名・司法書士2名・行政書士4名・M&Aシニアエキスパート3名・人事労務コンサルタント10名、経営コンサルタント10名、医療経営コンサルタント10名、ITコンサルタント10名、FP20名・賃貸不動産管理士1名ほか)
事業内容 経営支援事業(税務・会計、経営・再生、人事・労務、相続・事業承継ほか)
URL http://www.toma.co.jp

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