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スタイルアクト株式会社 代表取締役 沖 有人

タワーマンションを活用して 賢く資産を継承する方法

オーナー経営者が頭を悩ます相続税対策。2015年1月から増税となり、後継者の負担はいっそう大きくなる。それを軽減する新たな一手として注目されているのが❝タワーマンション節税❞だ。提唱しているのはスタイルアクト代表の沖氏。不動産取引に関する膨大なデータを収集・分析し、それにもとづいた最適な資産形成・資産移転の方法をオーナー経営者や富裕層などにアドバイスしている。資産継承のノウハウを同氏に聞いた。

※下記は経営者通信34号(2015年1月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

税率アップによる負担増も いま対策を立てれば回避可能

―2015年1月から相続税が増税されます。オーナー経営者が資産を後継者へ継承するとき、どれぐらい負担が増えますか。

 今回の改正で、法定相続人の相続額が6億円超の場合の税率が50%から55%に引き上げられます。法定相続人の数や、資産構成、一次相続・二次相続による違いはありますが、資産が多い人ほど負担が増えることは間違いありません。

 しかし、いまのうちから計画を立てて対策を進めておけば、納税額を減らすことはできます。相続が発生した段階であわてて節税対策を考えたとしても、やれることは限られてしまいます。早めに手を打っておくことが肝心です。

―どのような対策がありますか。

 節税効果の大きい方法のひとつとして、私は“タワーマンション節税"を提案しています。最近になって建設ラッシュが続いているタワーマンション(20階以上の超高層マンション)を購入。資産を現金から不動産に組み替えて、相続税の評価額を下げるというものです。

 相続税額の算出においては、株や現金は時価で評価されます。一方、不動産の場合は、一般的に評価額が時価より低くなるので、その差を活用して節税するのです。

 マンションの場合、土地と建物が別々に評価されます。土地の評価額はマンション全体の敷地面積に対する各住戸の専有面積の割合にもとづいて計算されるのが一般的です。ですから、敷地内に多くの住戸をもうけるタワーマンションは、1戸あたりの土地面積が小さくなり、相続税評価が低くなるというわけです。

―沖さんがこの節税方式の提唱者になった経緯を聞かせてください。

 「タワーマンション購入で相続税対策ができる」ことは、以前から一部の税理士の間で話題になっていました。でも、だれも確かなデータにもとづいて話していない。そこで、当社の運営する分譲マンション評価サイト『住まいサ~フィン』の17万人超の会員から集められたデータを調査・分析しました。

 すると、タワーマンションを購入して賃貸に出したときの相続評価減は、最大で9割、平均でも約8割になることがわかりました。つまり、1億円の物件なら約2000万円の評価になることが確かめられたのです。

節税効果だけに注目して 物件を選ぶのは危険

―最適なタワーマンションを選ぶコツを教えてください。

 おもなポイントは3点あります。相続税の評価減が大きいこと、売却したときに利益が得られること、家賃収入の利回りが大きいことです。タワーマンションは稀少価値が高いので値下がりしにくく、入居希望者が多い。加えて、❝タワーマンション節税❞のための購入需要がつねにあるので、売れないリスクは低いのです。

 ただし、3つのポイントにはトレードオフの関係があります。たとえば地価が高い場所にある新築マンションは購入価格が割高です。この場合、評価減は大きくなりますが、購入価格に対する家賃収入の利回りも小さい。

 相続税対策として不動産をもつわけですから、相続が終わったら売却する可能性が高いといえます。いくら納税額を安くしても、利回りが悪く、さらに購入時より低い値段で売ることになってしまうと、トータルでのキャッシュフローは小さくなってしまう。高値づかみをしないように、物件の適正価格を把握する必要があります。

長期的な計画を立てて キャッシュフローを最大化

―評価減と、売却益や賃料収入のどちらを優先するか、どのように判断したらいいのでしょう。

 たとえば「もうすぐ相続が発生しそうだ」という急を要するケース。この場合、評価減を優先したほうがいいと考えます。逆に、万が一の事態をみすえて長丁場で対策を進めるケースでは、評価減よりも利回りの高さを優先します。長期にわたって収益を確保するべきだからです。

 どちらの場合にせよ、地方の物件は避けたほうが賢明です。人口減少の時代、東京だけはヒトの流入が見込めるので入居需要がなくならず、家賃収入を得やすいからです。さらに、東京でも湾岸エリアはおすすめしません。湾岸エリアはタワーマンションの建設ラッシュになっており、それだけ稀少価値が低い。利回りが見込めないうえ、地震や津波による災害リスクを考慮せざるを得ないケースも相対的に多くなります。

―自分が住むのではなく、賃貸に出したほうがよいのですか。

 ええ。居住用よりも賃貸用の不動産のほうが、相続税評価額が低くなるからです。タワーマンションをあくまでも相続税節税のツールとして考え、キャッシュフローが大きくなるスペックの物件を選べばいいわけです。そのことをしっかりと理解し、信頼できる専門家を選べば、内見する必要さえないでしょう。

 付言すると、ゲストルームの利用権というメリットを享受できる場合があります。ほとんどのタワーマンションが眺望のよいゲストルームをもうけていて、オーナーが割安で利用できるところも多いのです。地方に住んでいるなら、東京で宿泊するときにホテル代わりになります。

後継者に持ち株を渡す前に 自社で不動産を購入せよ

―オーナー経営者の持ち株を後継者が相続する場合でも活用できますか。

 はい。オーナー企業では、株の評価額が自社の金融資産の多寡に左右される割合が大きいので、会社としてタワーマンションを購入。現金を不動産化して資産評価を下げれば、株価も下がります。その段階で後継者に譲渡すれば、贈与税が軽減されます。

 ただし、法人の場合、3年以内に取得した不動産は時価で評価されてしまいます。ですから、長期的な計画性をもって承継を進めることが重要です。

各分野の専門家が集まり チームでサポート

―事業承継対策を外部の専門家に相談するときのポイントを教えてください。

自分たちの都合を押しつけるのではなく、お客さまの立場に立って適切な提案をしてくれる専門家を選んでください。

 一般的に不動産会社は自社の手持ちの物件を売ることを最優先にしがちですが、私たちの場合は、「マンションを購入しないほうがいい」という提案をすることもあります。たとえば相続税率が10%以下の人に❝タワーマンション節税❞は不向きです。株などと比べて、不動産は取引コストが高いので、相続税率が低くタワーマンション購入による節税効果が十分に得られない人にとっては、コストをかけて不動産を購入するのは割に合わないといえます。

 不動産を活用した節税対策を進めるにあたって、相続税についての知識や、不動産についての知識などを網羅している専門家はほとんどいないでしょう。当社では、税理士や弁護士など、信頼できる各分野の専門家を集めて、チームとして事業承継対策をサポートしています。

次期社長へのステップとして後継者に相続税対策をまかせよ

―事業承継を考えている経営者にアドバイスをお願いします。

 計画性が重要です。相続税対策をすることについて、「縁起でもない」と敬遠する人もいますが、事態が切迫するほど、選択肢が狭まってしまいます。逆に、事前に計画を立てて戦略的に進めていけば、無税に近い形で資産を移転することもできるのです。

 「まだまだ引き継げない」などと言っていると、大切な資産が目減りしてしまうかもしれません。私たちが手がけたなかには、後継者の方をリーダーにすえて、相続対策を進めている会社が少なくありません。目標を設定し、意思決定するのは被相続人である現経営者です。そのうえでプロジェクトの進行を“一族のエース“である後継者にまかせるのです。

―それはなぜでしょう。

 後継者にとっては次期社長になるためのステップとして、ちょうどよい仕事だからです。自分以外の相続人や会社の古参幹部など関係者と事前に話をつめてゴールやプロセスを共有する。しっかりやりとげれば、後継者への周囲の評価も高まり、承継がスムーズにいくケースが多いのです。

 私たちは、そうしたプロジェクトの進行をサポートできます。適切な物件選定による対策の実績が蓄積されているので、計画立案から不動産の引き渡しまで3カ月もあれば十分です。また、リーダーとなった後継者の方には、不動産のイロハから、物件の選び方、市況の見方まで、あらゆるノウハウを伝授します。安心して次の世代にたすきをつないでいくために、専門家の知恵を、ぜひ活用してほしいですね。

沖 有人(おき ゆうじん)プロフィール

1965年、東京都生まれ。1988年に慶應義塾大学経済学部卒業。大手監査法人系のコンサルティング会社、不動産マーケティング会社を経て、1998年にアトラクターズ・ラボ株式会社(現:スタイルアクト株式会社)を設立、代表取締役に就任。国内最大級の不動産ビッグデータの分析にもとづいたコンサルティングを得意領域とする。マンション購入を考えるユーザー向けWebサイト『住まいサ~フィン』を運営、会員数は17万名を超える。著書『マイホームを頼れる資産にする新常識』(講談社)、『マンション購入で実現する究極の相続税対策』(幻冬舎メディアコンサルティング)など多数。

スタイルアクト株式会社

設立 1998年11月
事業内容 不動産に関する分析・調査コンサルティング業務、不動産の売買、賃貸およびその媒介業務など
URL http://styleact.co.jp/
お問い合わせ電話番号 0120-34-1143(受付時間 平日9:00~18:00)
お問い合わせメールアドレス info@tower-tax.com

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