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人事・労務の経営者インタビュー

株式会社SOOL(スール) 代表取締役 CEO 深澤 祐馬

上位校学生が入りたくなる会社入りたくない会社

2014年新卒学生の採用が本格スタートして1ヵ月あまり。早くも一部の企業は、上位校(注1)新卒学生の「囲い込み」を開始している。こうしたなか、「大企業に比べてブランド力が劣る中小・ベンチャー企業でも、考え方や方法次第で中核人材となる上位校学生を採用できる」と語るのは、SOOL代表の深澤氏。同社は100社以上の企業に中核人材を送り込み、その後の急成長を支援するコンサルティング会社だ。どうすれば中小・ベンチャー企業が優秀層を採用できるのか。深澤氏に聞いた。

(注1)上位校:ここでは難関国公立大学(東京大学、京都大学、大阪大学など)や難関私立大学(早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学など)をはじめ、MARCHや関関同立など、上位国公立・私立大学を指す。

※下記は経営者通信23号(2013年1月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―中小・ベンチャー企業でも上位校優秀層の採用に成功している会社と、そうではない会社があります。なにが違うのでしょうか。

深澤:まず大切なのは、採用に対する経営者の意識です。採用力のある企業では、採用活動に高いプライオリティをおき、経営者みずから採用現場で汗を流している例は少なくありません。当然、学生へのメッセージは強くなりますし、社内にも採用応援ムードが広がります。当社のクライアントでも、経営者みずからが「採用が最も重要なタスクである」と公言。採用シーズンは、8割の時間を上位校の新卒採用にあて、全国を飛び回り、毎年確実に旧帝大や早慶といったトップ大学から有望な新卒を採用しています。

―現状の採用市場は企業の「買い手市場」と言われています。それほどアセる必要はありますか。

深澤:採用戦線を詳しく分析してみると、「企業の買い手市場」というのは必ずしも実態を反映しているとは言えません。まず、この図(右グラフ)を見てください。過去30年間、就職者数は35万人を軸に上下約5万人の幅で変動、受け入れ枠の縮小は起きていないことがわかります。 一方、大学や学部の新設などにより、大学生の数は増加しているものの、上場企業経営者をもっとも輩出している慶應、早稲田、東大を筆頭にした旧帝大といった上位校の母数は変わりませんので、この層に対する採用戦線は激化してくるわけです。 また、大学生の増加に対して大卒世代の人口はここ20年で40%、10年前と比べても20%と大幅に減少しており、優秀層の人口も減少しています。最近は海外にも目線を広げていますが、企業がトップ層のアプローチに、より力を入れてくるのは当然の結果ともいえます。 就職率の低下を根拠に「買い手市場」などと言われていますが、採用基準を満たす新卒人材の確保は、逆にますます過熱化しているのです。

―上位校の新卒学生は大手志向が強いとされます。中小・ベンチャー企業が入り込む余地はあるのですか。

深澤:以前は大手上場企業の内定が出た時点で、就活を打ち止めにする新卒学生が数多くいました。しかしここ数年、企業規模の大小を問わず、納得するまで就活を継続する学生が増えています。安定していると思っていた大企業が「突然死」する世の中になり、「大企業神話」は崩壊過程にあります。「真の安定とはなにか?」と学生も自問し始めているのです。こうした風潮は、志高きベンチャー企業にとって、大きなチャンスです。

―学生は、中小・ベンチャー企業のどこに関心を持っているのですか。

深澤:当社が接点を持つ学生の多くは、成長に貪欲です。底上げ教育をしてもらえる大手企業の研修制度も魅力ですが、それ以上に成長できる環境を探しています。その点、中小・ベンチャー企業はOJTを前面に出し、現場で実践を叩き込まれます。「わからないことはお客さまに聞け」「失敗から学べ」の精神で、現場からたくさんの経験・知恵を吸収。20代で事業会社を任されるなど、本人次第でどこまでも成長できる環境に大きな魅力を感じているようです。

―中小・ベンチャー企業にとっても、優秀層は手の届く存在になりつつあるのですね。

深澤:そうです。しかし、成果をあげるためには、正しい戦略構築が必要です。たとえば大手ナビ媒体は、いまや採用活動には欠かせないツールで、約1万社の企業と50万人の就活生が登録しています。企業ページを見た学生がエントリーすることで、選考案内ができるというメリットがある一方、学生視点でみると、1万社のなかでエントリーする企業は多くて100社程度。選択肢が多いため、学生の多くは、テレビCMなどで見たことのある大企業や、知っている企業を優先的にエントリーします。つまり、有望なベンチャー企業であっても、大手ナビ媒体ではエントリーしてもらえず、埋もれてしまう実態があるわけです。

―では、成功している中小・ベンチャー企業では、ナビ媒体をどのように活用しているのですか?

深澤:ナビ媒体は、掲載することによる学生側からの信用、つまり①「ブランディング」②「エントリー管理する」―この2つの機能としてのみ活用。本当にアプローチしたい学生には、イベント参加や紹介、スカウトサービスを通じ、直接、接触する機会を増やすことでターゲット校の母集団形成をしています。当社の「Iアイルーツroots」もそのひとつです。 母集団が形成できてくると、次なる課題はクロージングです。①採用担当者のリソース不足(採用担当者がいないなど)②経営者が採用にコミットしていない③社内に採用に対する応援ムードがない④面接のプロセスが流れ作業⑤面接官のインタビュースキルが低い―といった問題にひとつでもあてはまる企業は、すぐに改善すべきです。

―なぜ、そうした点が問題なのですか。

深澤:こうした問題を抱えていると、どんなにいい会社でもその魅力は大幅に下がるからです。新卒学生が会社選びで重視しているのは、信頼できる会社かどうか。強い採用力を身につけるためには、3年~5年スパンの投資の視点を持ち、意識改革とスキル向上、人材配置に取り組んでいくことが大切です。

―「採用する」ではなく「信頼される」ための戦略構築が必要なのですね。

深澤:その通りです。採用は「ジャッジ&フォロー」。学生と接触する時間を多く取るなど、「信頼される」プロセスをつくることで採用確率は一段と高くなります。たとえば面接時間の7割は相手の話を聞くことに集中すべき。人は聞くよりも話すほうが楽しいと感じますから、これだけでも「信頼」はついてきます。自社の事業内容や自分の話ばかりになったり、15分程度の流れ作業的な面接は、信用が下がるので注意が必要です。

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