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シアトルコンサルティング株式会社 代表取締役 京和 将史

クラウドで経営戦略をスピーディーに実現する

1990年代に登場し、その技術を向上させてきたクラウドコンピューティングサービス(以下、クラウド)。いまや新聞紙上でその言葉を目にする機会も多い。しかし、中小企業の経営において、クラウドが広く活用されているとは言い難い。そこで、大手から中小企業まで幅広くITコンサルティングを行うシアトルコンサルティングでは、クラウドに強い企業100社を集めたWebサイト「クラウド100」を立ち上げた。同代表の京和氏は「まずは少しずつ、クラウドを経営の効率化に活用してもらうことで、日本経済を活性化していきたい」と語る。連載第1回目の今回は、セールスフォース・ドットコムの宇陀代表取締役社長をゲストに迎え、中小企業にとってのクラウドのメリット、今後のクラウド活用術などについて話を聞いた。

※下記は経営者通信16号(2011年12月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―日本の中堅・中小企業が、経営の効率化のためにクラウドを取り入れる例はまだ少ないように思います。その理由として、どのようなことが考えられますか。

宇陀:クラウドが企業経営にもたらす価値、つまりクラウドから得られるメリットを理解していただけていないのだと思います。それは中小企業の経営者の方々が、これまで自社に導入してきたITに充分な満足を得られなかったから。当社のアンケートの調査結果でも、自社のITの活用状況に「大変満足している」と答えた中小企業の経営者は10%足らずです。つまり、ITに費やしたコストに見合う効果が得られなかったため、そもそもITに対する価値を感じていない。だから、IT分野の中から新たに登場してきたクラウドにも、興味が持てない。期待以前の問題なわけです。

京和:同感です。中小企業は大企業と違い、自社のIT環境を整備するための資金に限りがある。また、ITの専任担当者を置くような余裕もない。だから、仮に自社の経営課題を明確に把握していたとしても、その課題解決にITをどう活用すればいいのかがわからない。その結果、システム開発会社に言われるままにITを導入し、思ったほどの効果を得られずに終わってしまう。だから、中小企業にはIT自体が浸透しきっていないのです。

―なぜ、これまで多くの中小企業は導入したITに費用対効果を感じられなかったのでしょうか。

宇陀:これまで、企業がなんらかのシステムを導入する場合には、サーバーを用意し、自社に見合うシステム用のソフトウェアを開発。さらにシステム導入後には、保守点検用のコストが必要でした。中小企業にとって、そのコスト負担は非常に大きなものだったのです。だから、中小企業では、限られた予算内でシステムを構築するしかなかった。しかし、システム開発会社の側からいえば、低予算でソフトウェア開発を行わなければならないため、ハイレベルなシステムを提供するわけにはいきません。つまり、限られた予算内では、中小企業にとって満足がいくシステムが完成する可能性は低かった。結局、中小企業は自社が投入した資金ほどの結果を得ることができず、費用対効果を見出すことができなかったのです。

京和:その点、クラウドはコストが安い。企業にとってクラウドとは、パソコン上で利用できるWebシステムですから、自社でサーバーを用意する必要がない。また、既存のあらゆるソフトウェアをインターネット上のサービスとして利用するものなので、自社専用のソフトウェアを開発する必要もなく、保守点検用のコストを負担する必要もありません。

―コスト面以外に、クラウドにはどのようなメリットがありますか。

宇陀:導入やメンテナンスなどのスピードが非常に早いことですね。システムを構築し、ソフトウェア開発を一から行う場合に比べて5倍は早いでしょうね。かなり複雑なシステムを提供する場合でも、3、4ヵ月あれば可能です。完成したシステムを手直しするのもすぐに対応できる。だから、タイムラグがほとんどなく、その時の企業ニーズや時代の流れにマッチしたシステムを構築することができるのです。クラウドを導入した企業がこういうことを実体験し、そこでようやくクラウドの価値を見直すことも多いですよ。

京和:私はクラウドが持つ「導入コストの安さ」と「スピード」は、中小企業にこそ合っていると考えています。中小・中堅企業の中で勝ち残るためには、少しでも早く生産性をアップすることが重要です。そして、この生産性アップにはITの活用が不可欠であり、それを最低限のコスト負担で素早く提供してくれるのがクラウドだと思うのです。

宇陀:クラウドには「手軽にカスタマイズできる」というメリットもあります。つまり、クラウドはシステムを柔軟に拡大・縮小できる。自社の業務内容に応じて、必要と思われる機能を付加し、不必要と判断した機能を削除する。通常、システム開発会社に依頼した場合には多くの時間とコストを要するこの作業が、実に簡単にできるのです。

京和:確かにそうですね。今の機能にもうひとつ機能をプラスアルファしたシステムにグレードアップしたい場合、ブラウザ上で追加したい機能の項目を選択すれば、すぐにできる。本来ならば、専門のSEがプログラムを書き換えて修正しなければならないようなことを、プログラムについての基礎知識を持たない、クラウドを利用する側の一般社員が簡単にできる。これは大きな魅力ですね。

宇陀:そして、それは企業経営をするうえでは、実に重要なこと。なぜなら、中小企業が勝ち残っていくためには、「俊敏さ」が欠かせない。ダメだと思うことはすぐに辞めて、次へ次へと別のことにチャレンジすることが必要ですからね。

―御社のクラウドは、全世界で10万社の導入事例があるとお聞きしました。そのうち中堅・中小企業は何社ほどですか。

宇陀:大規模、中規模、小規模、各3分の1ずつです。当社のクラウドには23ヵ国語対応の機能が標準でついていますので、グローバル市場を目指す中堅・中小企業にもご利用いただいています。海外の現地法人に、一からなんらかのシステムを構築するとなれば、通常はシステムを構築する会社が自社の担当者を現地に派遣するところから始まります。それもひとりでは無理ですから、数人の派遣が必要になる。しかし、人員が揃ったところで現地の社員と言葉が通じず、今度は通訳が必要になる。こうして、システム構築に必要な時間も余分なコストもどんどん積み重なっていってしまうのです。でも当社のクラウドなら、現地法人は現地の言葉で、本社は日本語で同一のシステムを利用できます。当然、その分のコストや時間の負担もありません。

京和:どこにいても自社の業務にスピーディーに、クラウドを活用することができるということですね。御社のクラウドを活用して、業務効率化や売上アップにつながった事例を教えていただけますか。

宇陀:では、大阪にある社員15名のネジ商社、株式会社ツルガさまの例をお話ししましょう。ツルガさまでは、一人ひとりの営業社員が自らが担当する顧客の電話連絡、宣伝活動、訪問、見積もり作成など、すべての業務を行っていました。その結果、企業として3つの課題を抱えていました。その1つめは、業務の進め方が営業社員の勘や顧客との人間関係に依存していること。2つめが、多くの顧客の中から重要顧客を見極めることができず、商談の優先順位がつけられないこと。3つめが、結果として顧客対応が遅れてしまうことでした。

京和:その課題を解決するために、どのようなクラウドを導入したのですか。

宇陀:「電話・宣伝・訪問」について、個々の営業担当者が行った活動状況をそれぞれ詳細に書き込むことができるクラウドを導入しました。そうすることで、すべての情報を全社員が共有できるようにしたのです。

京和:その結果、どのような効果を得られたのでしょうか。

宇陀:まずツルガさまではクラウド導入を機に、それまで個人の営業担当者がすべて担っていた顧客1件あたりの「電話・宣伝・訪問」活動を、それぞれ個別担当者の役割として分担しました。その結果、4つの効果を得ることができました。1つめは営業担当者の業務効率が格段に向上したこと。2つめが、飛び込み営業をする必要がなくなったこと。3つめが、顧客の取りこぼしがなくなったこと。4つめが、迅速な顧客対応が可能になったことです。

京和:売上など、具体的な数値にもその効果はあらわれたのですか。

宇陀:はい。まず問い合わせ件数が、毎月5000件だったものが2倍の約1万件に。また、売上は月に20%ずつ伸びて、6ヵ月後には3倍になりました。

―そのような実績以外に、御社のクラウドが支持されている理由はありますか。

宇陀:先ほどクラウドの導入・メンテナンススピードの速さにつ いてお話しましたが、当社のクラウドに対する開発スピードの早さも、他社には真似できないものと 自負しています。顧客満足に100%はありません。お客さまは、今のシステム環境をこれだけのスピー ドで作れたのだから、もう少し時間をかければ、もっと良いシステム環境を整えられるはずだと考え る。つねにもっと上を望むわけです。確かに、システムは陳腐化してしまったら終わり。時代のニー ズを背景に、企業が求めるものにタイムリーに応えられるシステムでなければ意味がないのです。だ から、当社では、年に3回クラウドのバージョンアップを行い、新機能を追加しています。

京和:具体的には、どのような機能を追加しているのですか。

宇陀:ツイッターやフェイスブックなどとの連携が良い例だと思 います。実際、顧客企業の社員の方も、最初のうちは「プライベートならともかく、業務システムに までそんな機能はいらないだろう」と考えているわけです。しかし、実際に利用しているうちに、顧 客にとって便利で不可欠な機能になっていく。つまり、当社は一般市場をよく見て研究し、顧客の要 望よりも一歩先に進んだ「アドバンストテクノロジー」を提供しているのです。

―今後、中堅・中小企業は自社の経営にどのようにクラウドを活用していけばいい のでしょうか。

宇陀:大前提として、自社の経営状況をよりよくしたいと思うな ら、まずは事業戦略を考える必要があります。そして、その事業戦略をこれまでよりも、よりスピー ディーかつ手軽に行うために活用するのがクラウドです。クラウドは例えて言うなら、公共交通機関 のようなもの。私たちは電車に乗るのに自ら線路工事をしたり、電車を作ったりする必要はまったく ない。すでに完成している電車に乗って、目的地に行けば良いわけです。乗り心地が悪ければ、途中 で降りるなり、別の電車に乗り換えたりすればいい。クラウドに関してもそんなふうに、安い料金で 気軽に利用できるものと捉えて、どんどん経営戦略の実現に活用してほしいですね。

京和:クラウド市場は2015年には2500億円に達すると予想されて います。つまり、今後はますます、企業の経営戦略に必要不可欠なものになってくる。私は中小企業 向けにITコンサルティングサービスを提供する者として、とくに中堅・中小企業の経営者の方に、ま ずはクラウドに関心を持っていただきたいと思います。気軽に試してみるつもりで、少しずつでもそ の利便性や効果を実体験していってほしい。そして、業務の効率化をはかり、自社の事業戦略を実現 する。結果としてコスト削減や売上アップに成功したら、その分を商品開発や人材採用に利用するな どして、会社の成長に活かしてほしい。多くの企業がクラウドを活用することで、日本経済全体の活 性化につながってほしいと思います。

京和 将史(きょうわ まさふみ)プロフィール

1976年、東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、2002年にITベンチャーにエンジニアとして入社。その後、営業マンに転身し、4年間トップ営業マンとして活躍。2006年にシアトルコンサルティング株式会社を設立し、代表取締役に就任。今年7月、クラウド技術を利用したWebシステム都道府県災害ボランティアセンターを立ち上げた。

株式会社セールスフォース・ドットコムプロフィール

■設立/2000年4月 ■資本金/4億円
■事業内容/アプリケーションの基盤となるクラウド型プラットフォーム「 Force.com 」の提供、クラウド型CRM アプリケーション「 Salesforce CRM 」の提供、導入支援コンサルティング/トレーニングサービスの提供

シアトルコンサルティング株式会社

設立2006年5月
資本金1000万円
売上高7億1,000万円(2011年4月期)
従業員数75名(2011年10月現在)
事業内容ITコンサルティング、システムインテグレーション、ITサービスの構築・販売
URLhttp://www.seattleconsulting.co.jp

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