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株式会社購買戦略研究所 代表取締役 古市 勝久

購買コストを20%削減する方法

「お前の仕事は、本当に世の中の役に立っているのか」。父のその一言が、古市氏を起業へと導いた。当時の古市氏は、日本を代表する大企業の購買コストを削減する仕事をしていた。しかし、日本経済を根底で支えているのは中小企業。中小企業の購買コストを削減することこそ、真の意味で世の中に役に立つのではないか。父の一言がきっかけで、そう古市氏は考えるようになった。実際、大企業と中小企業の購買コストの差は歴然。たとえば、パソコンの価格差は約2倍、コピー機は約3倍、蛍光灯や名刺に至っては約10倍もあったのだ。古市氏は、大企業向けに培ったノウハウを中小企業にも活かすことを決意。そして、2005年に購買戦略研究所を設立した。同社は現在までに200社以上の中小クライアント企業の購買コストを削減。その削減率は平均20%以上というから驚きである。今回は購買コスト削減のプロフェッショナルである古市氏に“購買コスト削減術”を余すことなく聞いた。

※下記は経営者通信1号(2009年5月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―古市さんは200社以上の購買コストを平均20%以上も削減してきたそうですね。企業の購買コストを削減する方法を具体的に教えてください。

■Plan(計画)/現状の購買実態を細かく分析し、コスト削減効果の大きい品目から実行計画を作成 古市:購買コストを継続的に削減するためには、まず購買プロセスのPDCAサイクル(注1)を回す必要があります。そして、PDCAの最初のステップはPlanです。つまり購買戦略の立案から始めます。具体的には、まず購買品目ごとの費用と現場担当者を調査・整理します。つまり、購買業務の細かい棚卸しですね。特に購買部が存在しない中小企業の場合は、品目ごとの費用を正確に把握していないケースが多い。ここがブラックボックス化したままでは、適切な戦略も立てられません。ちなみに購買品目の分野とは、建築、ビルメンテナンス、物流、ITシステム、オフィス用品、販促品などの間接材はもちろん、製品の原材料などの直接材も含みます。  次に、購買コスト削減の実行計画を作成します。具体的には、50~200種類の購買品目の中から費用の多い上位20%の品目に絞り込み、まず3ヶ年の実行計画を作成します。上位20%の品目の購買コスト削減を優先的に削減することで、PL(損益計算書)への削減インパクトを最大化します。たとえばオフィスワーク中心の会社の場合は、オフィス家賃とオフィス用品から取り組みます。外食チェーンの場合は、店舗建築と販促物から取り組みます。これらの計画を実行すれば、3~12ヶ月で全購買コストの約15%が下がるんです。

(注1)PDCAサイクル:計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Act)のプロセスを順に実施するマネジメントサイクルのこと。この螺旋状のプロセスを繰り返すことによって、品質の向上、および継続的な業務改善活動を推進する。

―御社では、具体的にどうやってクライアント企業の購買コストを削減(Do)しているんですか?

■Do(実行)/電子競争入札と共同購買の実施 古市:主に2つの手法を活用しています。ひとつは、当社が運営するネット上の電子競争入札「リバースオークション」。登録サプライヤー数は25万社にのぼります。一般的に、企業が複数のサプライヤーから見積もりを取るのは常識ですが、その数は平均3社ほど。また少額の品目の場合、複数の見積もりを取る工数を考えたら、サプライヤーと突っ込んだ価格交渉をしないこともあるでしょう。  その点、ネット上の電子競争入札では、あらゆる品目で常時30~300社のサプライヤーが入札に参加します。買い手であるクライアント企業の手間は、既定の仕様書に購買品目のスペックを記入するだけ。あとは複数のサプライヤーが入札価格を“競り下げて”いくわけです。この効率的な競争入札によって、購買コストが平均20%は削減できます。たとえば、チラシ・カタログの印刷は平均25%、コピー機は平均35%削減できますね。そして、もうひとつが「共同購買」。複数の中小企業が共同で大量発注を行うことで、大企業並みのスケールメリットが生まれます。また共同購買のマネジメントは第3者の当社が行うため、クライアント企業は面倒な個別交渉を行う必要もありません。

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