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株式会社オロ 代表取締役 川田 篤

利益管理を徹底し、自社の利益を最大化する

オロは1999年設立のITベンチャー。統合業務システム「ZAC(ザック)」の開発・提供を通じて、中堅・中小・ベンチャー企業の成長をサポートしてきた。この「ZAC」の特徴は、案件単位の利益管理が容易にできること。同社自身が11期連続黒字を実現している理由も、この“案件単位の利益管理”にあるという。一体どうすれば、企業は継続的に利益を生み出せるのだろうか。今回は代表の川田氏に話を聞いた。

※下記は経営者通信6号(2010年5月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―御社は統合業務システムの開発・提供を通じて、数多くの成長企業をサポートしてきました。成長企業が陥りがちな問題点を教えてください。

川田:利益管理を怠りがちなことです。多くの成長企業は、商品力を武器にして売上を伸ばしていきます。そして、売上が伸びれば自動的に利益も伸びるので、自然と売上重視の組織風土が生まれます。また"どんぶり勘定"でも会社が成長するので、利益管理を怠りがちになるんです。しかし、今回のような突然の不況が訪れた時、そのツケは回ってきます。そもそも、自社は何で儲かって何で損をしているのかが分からない。部門単位や案件単位の収益が把握できていない。だから自社の業績が悪化した時、細かい検証と改善ができないわけです。このような状況に陥った後で利益管理の仕組みを導入しても、もはや手遅れです。すでに売上重視の風土が組織に根付いており、なかなか利益管理の仕組みが定着しないからです。いきつくところは、オフィスの縮小移転、ボーナスのカット、人員削減…。次第に会社の雰囲気も悪くなり、優秀な人材が離れていってしまいます。

―今回の不況で、実際にそのような状況に陥った企業もたくさんあるでしょうね。そもそも利益管理とは「粗利」を管理すればよいのでしょうか?

川田:いえ、「粗利」の管理だけでは不十分です。「営業利益」を管理しなければ、正しい経営判断ができません。たとえば当社がヒアリングした企業の中に、こんな事例がありました。A社は2つの事業を展開しており、第1事業部の粗利率が高かった。そのため、A社は経営資源を第1事業部に集中投下していたんです。しかし、決算時期に営業利益を算出したところ、重大な事実が発覚しました。なんと第1事業部は黒字スレスレ。第2事業部の方が、営業利益率が高かったんです。その理由は間接部門の人件費差にありました。

―「営業利益」まで算出しなければ、誤った経営判断を下す危険性があるわけですね。では、どうすれば自社の利益を最大化できるのでしょうか?

川田:正確な原価計算をベースにした利益管理を行うことです。その第一歩として、データの重複入力を無くさなければいけません。見積書や請求書の情報を始め、顧客やサプライヤーの情報、従業員の労務時間など、あらゆるデータを全社で一元管理する。

 このシステムを社内に構築する必要があります。正しいデータが1ヵ所に集約されていれば、あとはデータを様々な角度から切り出せばいいだけ。たとえば、案件単位、社員単位、時間単位の利益を算出する。その際、「粗利」ではなく「営業利益」を指標にすべきです。

 次に、全社員に数字を公開することが重要です。自分自身の利益額や生産性が数字で見えれば、社員一人ひとりが利益を意識しながら仕事をするようになります。そして現場社員の意識レベルが上がれば、「売上重視の組織」から「利益重視の組織」に脱皮できます。

 ただし、細かい利益管理にはITシステムが必要です。エクセルでの原価計算は難しいし、手間がかかってしょうがない。業務単位の労務時間を集計しても、売上や間接費にひもづけるのは難しい。だから、当社が基幹業務システム「ZAC」を開発したわけです。

―しかし、基幹業務システムの導入には数千万円の投資が必要だと思います。果たして投資金額以上の効果が得られるのでしょうか?

川田:細かい利益管理を行えば、計画的に利益を生み出すことができます。そもそもZACの料金は業界相場の約1/3。小規模な組織であれば、初期費用300万円、月額25万円程度から導入が可能です。利益管理が不十分な企業は、投資金額以上の効果が得られると思います。

―ZACを導入することで、具体的に何が実現できるのですか。

川田:案件単位の利益管理がリアルタイムで可能になります。だから、経営者が知りたい数字をいつでも知れるようになる。いちいちマネージャーに「先月は思ったより利益が出なかったけど、何が悪かったのかな?」なんて聞く必要がなくなるんです。そして経営判断のスピードと精度が増し、計画的に利益を生み出せるようになります。他には、管理部門のオペレーションリスクが低下しますね。請求書の未発行、売掛金の未回収、買掛金の未払いなど、管理部門のミスが激減する。管理部門の業務効率が向上するので、人件費の抑制にもつながります。今後も当社はZACの改善を繰り返し、クライアントの継続成長をサポートしていきます。

大手監査法人に聞く粗利の創り方

高橋廣司氏は15年間に渡り、大手監査法人で20社以上の上場準備を支援してきた。その経験の中で1500社以上の上場準備企業のショートレビュー(※)を精読し、成長企業の共通点を独自に分析。そこから分かったのは「継続的に成長する企業は、管理体制から新たな利益を生み出している」ということだった。高橋氏はその利益を「第2の利益」と呼び、セミナーや講演を通じて経営者に伝えている。今回は高橋氏に「第2の利益」を生み出す方法を聞いた。

※ショートレビュー:監査法人が株式公開準備企業と監査契約を締結する前に、その企業の実態を短期間で調査すること。または、その調査書類。調査の内容は財務諸表の会計処理に関する妥当性や内部統制の整備運用状況など。

―高橋さんは「第2の利益」という概念を提唱しています。「第2の利益」とは何ですか?

高橋:まず前提として、自社の事業基盤(ビジネスモデル)から生まれる利益のことを「第1の利益」と呼びます。そして「第2の利益」とは、管理体制の整備によって新たに生まれる利益のことです。具体的には、購買管理による仕入れや外注単価の削減、与信管理による貸し倒れの防止、販売管理による戦略的な新規開拓などが挙げられます。

―どうすれば「第2の利益」を生み出せるのでしょうか。

高橋:売上ではなく、粗利を管理することです。つまり短期利益計画を策定し、予実管理のPDCAサイクルを回すんです。このPDCAサイクルを効果的に回すためには、正確な原価計算を行い、粗利を様々な軸で切り分ける必要があります。部門別、クライアント別、商品別、営業マン別、案件別に粗利を分析し、自社の収益構造を可視化します。そして、利益を生み出している部分に自社のリソースを集中的に注ぎ込むわけです。これらの作業を正確かつスピーディーに行うには、システム導入は避けられないでしょうね。

―「第2の利益」を生み出す方法について、もう少し具体的に教えてもらえますか。

高橋:では粗利統制についてお話しします。粗利統制は「事前」と「事後」の2種類に分けられます。まず「事前」の粗利統制とは、受注前に商品の粗利を管理することです。ただし、「最低15%の粗利を確保する」といった大雑把な管理ではいけません。個々の営業マンは受注するために、競合に勝てる最低粗利率で受注しがちだからです。つまり、粗利15%の受注が多発してしまう。この問題を解決するには、粗利率の変更をルール化する必要があります。たとえば、毎週の営業会議で全営業マンの営業情報を共有し、マネージャーが個別に細かな指示を出す。マネージャーが経営視点でクライアントの重要度を判断し、クライアント毎に粗利率を設定するわけです。そして「事後」の粗利統制とは、確定した粗利を検証することです。正確な粗利は事後的に計算しなければ分かりません。商品・サービスの提供後に追加原価などを計算し、受注前後の粗利率を比較・検証します。そして粗利率が変動した理由を洗い出し、改善を行う。その際に気をつけるべき点は、売上原価に間接費を含めること。多くの会社は売上原価を直接費だけで計算し、粗利率を計算しています。だから、利益計画が狂うわけです。

―他に気をつけるべき点はありますか?

高橋:新規顧客の開拓(以下、新規開拓)の制度設計です。新規開拓は1件当たりの営業コストが高い。ですから、新規開拓の価値は初回案件の粗利だけで計ることはできません。新規開拓の場合は大局的な経営判断のもと、粗利率の設定を低くすべきでしょう。さらに新規開拓の専門部隊を編成した上で、新たな評価体系やインセンティブ制度を設計する必要があります。実は、私が言っていることは当たり前のことばかりなんです。でも、この当たり前のことができていない企業が非常に多い。これは1500社以上のショートレビューを精読する中で痛感しました。これからも私は「第2の利益」というキーワードを通じて、企業の管理体制の整備をサポートしていくつもりです。

川田 篤(かわた あつし)プロフィール

1973年、北海道生まれ。1997年に東京工業大学を卒業。1999年に有限会社オロを設立し、代表取締役に就任。2000年に株式会社に組織変更。同社は設立以来、11期連続で黒字経営を続けている。

日本有限責任監査法人 高橋 廣司(たかはし ひろし)プロフィール

1949年、東京都生まれ。明治大学を卒業後、公認会計士として大手監査法人で株式上場関連の業務を中心に活動。2007年からは新日本有限監査法人の新規事業の開発部門を歴任。現在は同監査法人の常務理事を務め、監査統括部-事業推進室に所属している。

株式会社オロ

設立1999年1月
資本金3,000万円
売上高11億5,500万円(2010年3月期)、16億7,000万円(2011年3月期見込み)
従業員数126名(2010年4月1日現在)
事業内容ビジネスソリューション事業、インターネットソリューション事業
URLhttp://www.oro.co.jp
お問い合わせ電話番号03-5843-0653

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