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ISOコンサルティングサービス株式会社 代表取締役 門田 正行

ISOで会社を伸ばす経営者、会社をつぶす経営者

品質マネジメントシステムの国際規格であるISO9001。日本でISO9001を取得している企業は約5万社。中でも製造業や建設業では、ISO9001の取得が事実上のスタンダードになっている。しかし、その弊害もある。ISO取得のそれ自体が目的化し、会社の発展に結びついていないケースが意外に多いのだ。ISOコンサルティングサービス代表の門田氏は「能動的にISOに取り組まなければ、会社に悪影響を及ぼしかねない」と警鐘を鳴らす。今回は門田氏に❝ISOを会社の発展に結びつけるポイント❞について聞いた。

※下記は経営者通信2号(2009年7月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―この10年、製造業や建設業を中心に「ISO」を取得する企業が急増しました。そもそもISOとは何なのでしょうか。

門田:ISOは国際標準化機構の略称です。私たちの身の回りには、ISOで決められている世界共通の規格がたくさんあります。たとえば、信号の色やクレジットカードのサイズ、非常灯のデザイン、ネジの形などですね。

―一般的に「ISO」と言えば、ISO9001がもっとも有名ですね。

門田:そうですね。ISO9001とは「世界共通の品質マネジメントに関する規格」です。ただし、この❝品質❞は製品だけではなく業務品質もありますから、「会社全体の業務、例えば受注、設計、購買、製造などの会社における様々な活動に関する規格」と考えた方が分かりやすいかもしれません。さらに、方針・目標管理、経営資源管理、改善管理、文書・記録管理などもこれらを支えるものとして規格に含まれます。これらを最適に管理して、会社の発展につなげるというのがISO9001です。ちなみに、企業がISO9001を取得する代表的メリットは、企業のあらゆる業務を標準化・最適化できる点です。この結果、業務の効率化やノウハウの共有、クレームの再発防止などが実現できます。また、ISOというきっかけを与えられることにより、社員の意識を変革することができます。さらに、国際的な認証を取得することで、対外的な信用力も向上します。ただし、製造業や建設業などでは、ISO9001の取得が事実上のスタンダードになっています。そのため、企業間取引を円滑にするためにISO9001を取得している企業も多いですね。

―しかし以前、ISOを取得した企業から「書類ばかりが増えた」、「仕事が面倒になった」という話を聞いたことがあります。

門田:たしかにISO取得後、業務効率が低下している企業もあります。私見では、取得企業のうち5~6割の企業がISOの運用に失敗しているんじゃないでしょうか。

 中でも多いのが、不要な書類を大量に作成している企業。たとえば以前、実際に私がコンサルティングをした会社の社長は「このままではISOで会社が潰れる!」と悲鳴をあげていました。会社でいったい何が起きているのか。さっそくその会社のISOをチェックすると、やはり原因は同じでした。その会社ではISO取得時に「通常業務において必要な書類とは別に、ほぼ全業務に関するISO審査取得用の書類を残す」といった、とんでもない運用をしていたんです。もちろん社員たちは日常業務に追われており、ISO用の書類を作る暇なんてありません。

 しかし、ISOは取得から1年ごとに審査機関による審査があります。ですから、審査前の1ヶ月前は、社内が修羅場になっていました。全社員で過去1年分の書類を作成しなければいけない。その書類の数は何千枚にも上ります。その間、通常業務はストップしがちで残業は大幅に増。生産性はガタ落ちですし、社員のモチベーションも最悪です。

 私は驚いて、「なぜこんなに無駄な書類を作っているのですか?」と社長に尋ねました。すると、「この書類を作らないと、ISOの定期審査に通らない。ルールなので仕方なくやっていた」という答えが返ってきたんです。私は開いた口がふさがりませんでした。ISOにそんな要求はありません。おそらくその会社は、審査員やコンサルタントに間違ったISOを押しつけられただけです。

良いコンサルタントを選ぶポイントとは

―なぜそんな事態に陥る企業があるのでしょうか。

門田:審査機関とコンサルタント、そして取得企業それぞれに問題があります。まず審査機関の問題。はっきりいって、同じ審査機関といっても、その中身はピンキリです。企業にとって価値の高い審査をする審査機関もあれば、全く役に立たないことを押し付ける審査機関もあります。

 さらに、このなかでも審査員は「優秀な審査員」と「ダメ審査員」に分かれます。「ダメ審査員」の典型的なタイプは、「俺が法律だ」的審査員。もともと審査員の大半は、前職でISOの取得企業に勤めていた人です。そのため、前職のISOを普遍的なISOだと思い込んでいる人が多い。

 たとえば、ある審査員が前職で車を製造する大企業に勤めていたとします。すると、その審査員は前職のISOが普遍的なISOだと考え、業種や規模の違う企業にも、以前いた会社のISOを押し付けてしまうんです。受審企業は、審査に疑問を感じたとしても、審査員に従わざるを得ません。もしISOを取得できなければ、取引先に契約を打ち切られるリスクもあるからです。結局、ダメ審査員に審査を受けた企業は、まったく会社の役に立たないISOを運用することになります。審査を受けるたびに余計な仕事が増える。私はこれを❝ISOにおける負のスパイラル❞と呼んでいます。

 コンサルタントも問題は同じです。コンサルタントが凝り固まったISOをクライアントに押し付けてしまうケースが多い。また、「審査にパスさえすればいい」という考えで、コンサルティングを行っている人も多い。なぜなら、コンサルタントはクライアントがISOを取得すれば、それだけで自分の実績として認められてしまう。実際にISOがクライアントの役に立とうが立つまいが、コンサルタントにあまり関係ないわけです。

―コンサルタントや審査機関は慎重に選ばないといけませんね。

門田:おっしゃる通りです。しかし、多くの取得企業は審査機関やコンサルタントを慎重に選んでいません。特に製造業や建設業では、ISOを義務的な感覚で取得しています。そういう企業はISO取得が「手段」ではなく、「目的」になってしまっている。だから、ISOについて詳しく調べないまま安易に審査機関やコンサルタントを選んでしまうんです。

―良いコンサルタントを選ぶポイントを教えてください。

門田:ポイントは3つあります。1つ目は、コンサルタントがISOについて良く理解していること。「そんなの当たり前」と思われるかも知れませんが、ハッキリ言ってほとんどISOを理解していない人がコンサルタントを実施しているケースもあります。ISOコンサルタントには資格や免許がないからです。ウソのような話ですが、他社のマニュアルをポンと渡して、「社名を変えておいてください」というだけのコンサルタントもいるので注意してください。

 2つ目は、報酬体系が明確であること。中にはコンサルティングを依頼した後に、「内部監査員研修費」や「マニュアル作成費」、「ツールデータ提供料」などの名目で追加費用を請求する会社があります。見積もりを出してもらった段階で、追加コストの有無を必ず確認しておいた方がいいでしょう。3つ目は、実績です。事前に実績を把握することは難しいかもしれませんが、例えば当社ではHPで「活動ブログ」としてコンサルタントの活動状況を掲載しています。このように実績を公表しているところが良いと思います。

ISOコンサルティングサービスの今後のビジョンとは

―ところで、いま御社へのコンサルティングの依頼は絶えない状態だと聞いていますが、その理由は何ですか。

門田:当社の実績と信念が評価されているんだと思います。信念とは「クライアントの会社経営において、ISOを必ず役立つものにする」というもの。当社はISOの取得自体を目的にしません。重要なのはISOを、実際の会社経営に役立てること。そのためには、当社は次の3つのことが必須だと考えています。1つ目は、コンサルティングのカスタマイズ。100社の会社があれば、100通りのビジネス、企業文化、ビジョンがあります。ですから、当社はクライアント1社1社の状況を十分に把握した上で、最適なISOコンサルティングをご提案しています。

 2つ目は、ツール類の無償提供。当社は過去の実績から、膨大な数のマニュアル、テンプレート、研修・教育用資料を所有しています。それらツール類をクライアントに無償提供しています。3つ目は、クライアントの自立支援。クライアントが自社でISOを運用できるようにすることです。ISO取得までは、当社が主導してクライアントのISOを構築します。しかし、当社がクライアントから離れた途端、ISOを運用できなくなっては困ります。ですから、当社はクライアントにノウハウを全て伝達し、積極的に自立支援を行っています。このためにも、さきほど述べた研修・教育用資料の無償提供を行っているわけです。

―今後のビジョンを教えてください。

門田:ISO業界には問題が山積しています。これらの問題を当社はコンサルティング会社の立場から解決して、ISO業界を変革したいと考えています。まずISOが役立っていない会社を改善したい。本来、ISOが役に立たない会社はないはずなんです。実際、当社のクライアントは例外なく「ISOを取得して本当に良かった」と言ってくれています。特に今は、ISO9001が8年ぶりに改訂され、ISO9001:2008が制定されました。ISOを見直すには絶好の機会です。

 そして、多くの企業にISOの意義や活用法を伝えるため、今後は全国各地でセミナー活動も行っていきます。その他にも、旧態依然とした業界を変えるため、若手コンサルタントの登用やIT技術の導入などを積極的に行っていく予定です。

  私は「ISOは社会発展に寄与する」と確信しています。今後もISOによって、社会の健全な発展に貢献したいと考えています。

門田 正行(かどた まさゆき)プロフィール

1972年、愛知県出身。大学卒業後、海上自衛隊幹部候補生学校に入校。同校卒業後、遠洋航海訓練に参加。1996年に自動車関連会社に入社し、2001年に同社のISO事務局長に就任。2002年に株式会社東京品質保証機構(現:株式会社エリックス)に入社。ISOのコンサルタント、審査員として活躍。2007年に株式会社オフィス門田を設立し、代表取締役に就任。2008年に社名をISOコンサルティングサービス株式会社に変更。

ISOコンサルティングサービス株式会社

設立2007年4月3日
事業内容ISO認証取得、維持・改善等に関するコンサルティング
URLhttp://www.office-kadota.com/
お問い合わせ電話番号052-551-0893

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