累計経営者300人に取材
経営者の経営力を上げるメディア
グローバルの経営者インタビュー
[PR]

ATNAVI Vietnam Co., Ltd.(アットナビベトナム) 代表取締役副社長 兼 CEO 加藤 優次

日本企業のベトナム進出を幅広く支援

いま日本企業のベトナム進出が相次いでいる。製造・開発拠点を人件費の低いベトナムに移転し、自社のコストを大幅に削減しているのだ。このベトナム進出を支援しているのが「アットナビベトナム」である。同社は日本とベトナムの不動産仲介会社による合弁会社。ベトナム不動産の仲介を中心に、現地法人の設立、現地人材の採用、企業提携など、幅広く日本企業をサポートしている。今回は代表の加藤氏に、ベトナム進出のポイント、日本企業の進出状況などを聞いた。

※下記は経営者通信7号(2010年7月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―ここ数年、日本企業の注目がベトナムに集まっています。その理由を教えてください。

加藤:人件費が低く、製造コストを大幅に削減できるからです。日本国内でのコスト削減はもう限界に近い。すでに大手メーカーは、だいぶ以前から動いています。日本から新興国へと製造拠点をシフトしているんです。そして、彼らは下請け企業にもさらなるコスト削減を要求しています。これはすなわち「オレたちについてこい」という意味です。ついてこれないなら、取引をやめると。

―人件費だけが理由であれば、ラオスやカンボジアの方が低いと思います。なぜベトナムなのでしょうか?

加藤:国民性、物流網、高い経済成長率など、人件費以外にもベトナムの魅力はたくさんあります。その中でも注目すべき点は、高い成長性ですね。ベトナムは急速な経済成長を続けており、今後も8%前後の高い経済成長率が見込まれています。これは新興国の中でもトップクラスの成長率です。実際、ベトナムの熱気はスゴイ。私も肌で感じています。初めて私がベトナムに行ったのは2009年5月。当時、ベトナム行きの飛行機はガラガラ。半分くらい空席だったんですが、今年はいつもビジネスマンで満員なんですよ。高層ビルも毎月のように完成しています。すごい成長スピードです。今後はマーケットとしても有望だと思います。

―ベトナムのマーケット規模について教えてもらえますか。

加藤:ベトナムのGDPは約915億ドル、人口は約8700万人です。マーケットとしては中規模ですが、タイ、ラオス、カンボジアなど、自由貿易協定を結んでいる周辺諸国を合わせれば、人口は2億人以上に膨らみます。いわゆる「メコンデルタ経済圏」ですね。この地域は仏教文化圏なので、日本文化とのギャップも小さい。イスラム文化やヒンドゥー文化のアジア諸国と比べて、日本企業が参入しやすいマーケットだと思います。

―現在、どれくらいの日本企業がベトナムに進出しているのですか?

加藤:ホーチミン周辺の日系企業は約550社、ハノイ周辺は約360社です。特にこの1~2年で増えましたね。代表的な会社としては、パナソニック、トヨタ、ホンダ、キヤノン、住友電装、ヤマハ、三井住友海上、綜合警備保障、ニトリなどが挙げられます。キヤノンは現地人材を8000人も雇用しています。またファミリーマートの1号店も年内にオープン予定です。他には、エースコックが8つも工場を持っていますね。エースコックは1995年からベトナムに進出し、現在はベトナムの営業利益が日本国内の営業利益を上回っています。

日本以外の外国企業はどれくらい進出しているのか

―ベトナムはマーケットとしても魅力があるわけですね。ただ、エースコックの成功は稀な事例だと思います。やはり進出企業の多くは製造業ですよね。

加藤:ええ。機械部品、プレス加工、プラスチック加工など、輸出加工型の製造業が多いですね。ちなみに製造業の大半の企業は、工業団地に入っています。ベトナムには150ヵ所以上も工業団地があります。各工業団地の広さは150~350ha程度。電力、水道、インターネットなど、インフラが整備されているので、日本企業も安心です。実際、市街地の電力供給は不安定ですが、工業団地内は安定しているんです。いま複数の発電所の建設計画が進んでいますので、今後は市街地の電力供給も安定するでしょうね。

―日本以外の外国企業はどれくらい進出しているのですか?

加藤:外国企業の進出は目覚しいですよ。アメリカはインテルやマイクロソフトなど、大手IT企業が中心です。歴史的に関係の深いフランスの企業進出も盛んです。アジア諸国の中では、韓国企業が元気ですね。たとえば、ホーチミンの中心部にとんでもない高さのヒュンダイビルがそびえたっています。また、ロッテも超高層ビルをハノイに建設予定です。他にも、サムスンとLGの存在感が大きい。当たり前のようにベトナムに溶け込んでいます。空港でも街中でも、サムスンとLGのロゴを目にしない日はありません。あちこちでキャンペーンガールが販促活動をしています(笑)。また、韓国は中小企業の進出も盛んです。自動車メーカーや電機メーカーの下請け企業が何百社も大挙して進出しています。

―諸外国と比較すると、日本企業の進出は出遅れているのでしょうか。

加藤:そうですね。日本も大企業は増えてきましたが、中堅・中小企業が少ない。動きが遅いんです。これは非常にもったいないと思います。ベトナムは親日国家ということもあり、日本企業に有利な条件があるからです。たとえば、ベトナムは英語やフランス語と同様に、日本語を「第一外国語」に認定しています。2011年度には英語の義務教育が撤廃されますので、今後は日本語を学ぶ学生がさらに増えるでしょう。日本企業にとっては、現地の人材採用と育成がスムーズになります。他にも、地方自治体ごとに税制などの優遇措置があります。たとえばハノイでは、日本へ利益を全額送金できるようになりました。いままでは許されていなかったんです。利益送金税も3%に下がりました。日本との二重課税もありません。こういった税制は非常に大きなポイントです。

―そういった好条件があるにも関わらず、なぜ日本の中小企業はあまり進出していないのですか?

加藤:リスクを恐れて、躊躇しているのだと思います。ずっと国内だけでやってきた中小企業にとって、海外進出は大冒険ですから。でも、考えてみてください。日本国内だけで勝負するリスクは年々高まっています。また、これから日本で新たに工場をつくるぐらいなら、ベトナムでつくった方がコストも低い。もし1億円あれば、ベトナムで大規模な工場が建設できますよ。

アットナビベトナムが支持を集めている理由とは

―海外進出のリスクだけでなく、日本に留まり続けるリスクも考えるべきだと。では日本企業がベトナムに進出するためには、どうすればいいのですか?

加藤:まずは現地を視察して、情報を収集することがスタートです。そして社内でプロジェクトチームを編成し、進出計画を策定します。計画が固まったら、いよいよ現地法人の設立です。各種書類を作成し、会社の登記手続きを行います。その後、工場やオフィスなどの不動産を選定し、契約を結ぶというような流れです。ちなみに、この「会社登記→不動産契約」という順序が重要です。この順序を逆にすると、不動産取得税が免除されなくなるので注意してください。もちろん、これらの手続きと並行して現地人材の採用活動を行います。当社が支援しているのも、こういった一連の流れです。

―御社はこの半年で約30物件を日本企業に仲介したと聞きました。御社が支持を集めている理由を教えてください。

加藤:日本企業とベトナム企業、双方の長所を併せ持っている点です。ベトナムに日本の不動産仲介会社はいくつかありますが、現地企業との合弁会社は当社だけ。そのオンリーワンの立場を活かして、ベトナムの不動産事情や商慣習に精通し、日本式のきめ細やかなサービスを提供しています。中でも最大の強みは、不動産を底値で購入・賃貸できることです。ベトナムの不動産には“日本企業向けの価格”と“現地価格”があるんです。通常、日本企業がどんなに値下げ交渉をしても、現地価格には下がりません。日本企業向けの相場が決まっているからです。しかし、当社はベトナム企業との合弁会社。社長はベトナム人です。だから不動産オーナーと直接交渉して、この壁を突破できるんです。

―ちなみにベトナムの賃料相場はいくらぐらいですか?

加藤:工業団地の場合、実質的に土地を購入する形になります。工業団地のディベロッパーや立地によってバラツキはありますが、1㎡当たり2300円~5500円ぐらいですね。オフィスビルの場合、市街地の坪単価は1万3000円ぐらいですね。その価格の場合、ビルの1階には守衛がいて、ICカード認証型のセキュリティシステムが整備されています。坪1万5000円出せば、大企業向けの高級オフィスビルに入居できますよ。

―御社は日本企業を対象に「ベトナム視察ツアー」も行っています。視察ツアーの内容を教えてください。

加藤:現地の日系企業、工場、IT企業、日本大使館、ハノイ商工会議所など、重要施設・団体を訪問し、現地の最新情報を直接ヒアリングします。また、ベトナム最高峰の工科大学であるハノイ工科大学にも訪問します。特に好評なのは、多数のベトナム人経営者との異業種交流会・ビジネスマッチングセミナーですね。日本側の参加企業はビジネスパートナーを探しているので、ニーズが高いんです。ベトナム側の参加企業は製造、建築、ITを中心に10~20社程度。企業規模は大手から中小まで幅広いですね。この視察ツアーは、今年の6月で7回目を迎えました。参加企業は徐々に増加し、累計参加企業は150社以上。1回目から多くのお問い合わせをいただき、当初の予定よりもツアー回数を増やすことになりました。多様なニーズに応えるため、ツアープランも「2泊4日」と「4泊6日」の2種類のプランに分けています。

―最後に、経営者へのメッセージをお願いします。

加藤:ベトナムには本当にビジネスチャンスが転がっています。実際、視察ツアーに参加された経営者は視察後すぐに動く方が多い。いわゆる「情報の非対称性」とでも言うのでしょうか。ベトナムに行ったことのない人とある人の間には、認識に雲泥の差があるんです。海外進出を検討している経営者の方には、まず現地視察をおすすめしますね。

加藤 優次(かとう ゆうじ)プロフィール

1978年、三重県生まれ。高校時代はラグビーに熱中する。2003年に株式会社アットハウスを設立し、代表取締役社長に就任。同社は不動産仲介事業や建築事業などを展開し、現在まで7期連続で増収を果たしている。2009年、ベトナムにアットナビベトナムを設立し、代表取締役副社長兼CEOに就任。現地の不動産仲介を中心に、日本企業のベトナム進出を幅広く支援している。現在は早稲田大学に在学中。

ATNAVI Vietnam Co., Ltd.(アットナビベトナム)

設立 2009年9月
資本金 4,000,000,000VND(ベトナムドン)
事業内容 不動産仲介、不動産管理、不動産コンサルティング、投資進出に関するコンサルティング
URL http://www.navi-vietnam.co.jp/
お問い合わせ電話番号 0120-146-072

※このサイトは取材先の企業から提供されているコンテンツを忠実に掲載しております。ユーザーは提供情報の真実性、合法性、安全性、適切性、有用性について弊社(イシン株式会社)は何ら保証しないことをご了承ください。自己の責任において就職、転職、投資、業務提携、受発注などを行ってください。くれぐれも慎重にご判断ください。

月間人気記事ランキング集計期間:6/25~7/24

  • 海外で活躍する経営者のインタビューサイト Japan Business Headline
  • 海外で活躍する日本企業を増やす総合情報サイト ヤッパン号
  • ベンチャー支援のプロフェッショナル
  • 注目の西日本ベンチャー100
  • INOUZTimes
  • THAI GOOD COMPANY 100

経営者通信メールマガジン

経営者通信注目の企業や、ビジネスニュースなど経営者のための情報をお知らせします。

ご登録はこちら

経営者通信

経営者通信
経営者に贈る、経営者の"経営力"を上げる情報誌

全国の経営者向けに発刊している情報誌です。

経営者通信への掲載・取材希望の方

経営者に直接アプローチできる雑誌、経営者通信に貴社の取材記事を掲載してみませんか?

pagetop