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マネックスグループ株式会社 代表取締役社長 松本 大

未来を見据えて果敢に決断せよ

※下記は経営者通信5号(2010年3月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―ここからは松本さんの経営論を聞きたいと思います。不況とネット証券の競争激化という悪条件の中、御社は黒字経営を続けています。松本さんの考える「不況期の経営術」を聞かせてください。

 私は他の経営者の方に偉そうなことを言える立場じゃありません。まだ経営者としては未熟だと思っています。ただ、自分自身が気をつけているポイントはあります。それは「コスト削減」と「リスクマネジメント」です。不況期には、この2つが重要だと思います。好景気の時はコストやリスクが高くても、景気が解決してくれます。利益が出るわけですから。でも、不況期は平時よりもリスクが高まる。だから、“ほつれ”が出ないようにコストとリスクをきちんとマネジメントしなければいけません。

 ではコストとリスクのマネジメントとは何かと言うと、それは人材のマネジメントに尽きます。お金ではありません。いかに社員の気持ちが緩慢にならないようにマネジメントできるか。社員の気持ちがゆるむとリスクも上がります。必ずしも私自身が全部できているとは思いませんが、それが一番重要だと考えています。

―不況期こそ、人材マネジメントが重要ということですね。

 やはり、人がすべてです。特に当社は少数精鋭の会社ですから、一人ひとりの人材が果たす役割は大きい。また当社のような規模の会社は、みんなのベクトルを合わせないと大企業には勝てません。

 ただし不況になると、ことはそう単純ではありません。ただ社内のベクトルを合わせて、前に進めばいいわけじゃない。経営者がアクセルばかり踏んでいたら、エネルギー効率が悪化します。コストが上がり、業績悪化につながります。だから、経営者は適度にブレーキを踏まなければいけません。そのバランスが難しい。ブレーキばかり踏んでいては社員のモチベーションが下がり、リスクが上がります。だからブレーキを踏みながらも、明るい目標を掲げることが大事です。

 経営者は社員に対して「いつか絶対に会社が良くなる」という希望を示さなければいけません。つまり、投資というアクセルを踏まずに目的地を示すわけです。

―明るい目標を掲げながら、足元ではいったんブレーキを踏むわけですね。

ええ。だから、ある意味、矛盾したことを実行しなければいけません。アクセルとブレーキという矛盾を。これは大変ですよ。

―経営において、松本さんが大切にしていることは何ですか?

 社員にウソをつかないことです。もちろん株主やお客さまに対してもウソはつきませんが、一番近くで接するのは社員です。社員とは考え方の違いもあるし、判断の違いもある。その時には正直に話すしかない。また、経営者が描く会社のカタチというものがあります。その是非はともかく「こういうカタチを目指す」と会社像を社員にしっかり示すべきです。ウソをついたり、隠したりしてはいけません。目指す会社像を示さなければ、それを直すこともできませんから。

―何事も社員に正直に伝えることが経営者の責任だと。

 そうですね。あとは自らの信念を貫き、決断するのも経営者の責任です。ときには、経営者と役員の意見が対立することもあります。でも、その時は経営者が信念を貫いて決断すべき。役員の多数決ですべてが決まるなら、経営者なんて必要ありません。単に賛否の数だけ数えていればいい。しかし、役員の過半数が反対しても、やらなきゃいけないことってあるんです。絶対にある。それをやり抜く覚悟が経営者には必要だと私は思います。

松本 大(まつもと おおき)プロフィール

1963年、埼玉県浦和市生まれ。東京大学法学部を卒業後、ソロモン・ブラザーズ・アジア証券株式会社を経て、1990年にゴールドマン・サックス証券株式会社に入社。デリバティブの専門家として活躍し、1994年には当時ゴールドマン・サックス史上最年少でゼネラル・パートナー(共同経営者)に抜擢。1999年4月、ソニー株式会社との共同出資でマネックス証券株式会社を設立。2000年8月、設立わずか2年目にして東証マザーズに上場。2004年8月、日興ビーンズ証券株式会社と経営統合し、マネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社を設立。2008年7月、マネックスグループ株式会社に社名変更。2009年10月、オリックス株式会社と資本提携を行い、2010年1月、オリックス証券株式会社を完全子会社化。マネックス証券株式会社とオリックス証券株式会社は2010年5月の合併を予定している。

マネックスグループ株式会社

設立 2004年8月2日
資本金 88億円
事業内容 金融商品取引業等を営む会社の株式の保有
URL http://www.monexgroup.jp

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