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マネックスグループ株式会社 代表取締役社長 松本 大

未来を見据えて果敢に決断せよ

※下記は経営者通信5号(2010年3月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―では世界経済の今後の展望について聞かせてください。

 世界経済のパワーバランスは人口ベースに戻っていくでしょう。産業革命以前のバランスに戻ります。もともと世界のGDP分布は人口分布と比例していました。中国とインドが世界のGDPの2/3を占めていたんです。その後、ヨーロッパで産業革命が起こり、情報や技術が特定の地域に偏在するようになりました。結果、ヨーロッパやアメリカに世界の富が集中するようになったんです。

 いまはインターネットによって、世界中の人が瞬時にあらゆる情報を得られるようになりました。また、航空網の発達や自由貿易協定の拡大も進んでいます。そのため、情報や技術が特定の地域だけに留まらなくなります。そうなると、世界の富は人口ベースで配分されていく。つまり、人口の多い国ほど経済規模が大きくなるわけです。現在の状況で言えば、中国とインドが大きくなります。

 同様に日本の経済力は相対的に低下するでしょう。「世界第2位の経済大国」という枕詞も早晩使えなくなる。いずれ日本はヨーロッパの小国、たとえばドイツのようになる。ドイツは歴史も文化も豊かな成熟国家です。しかし、世界経済に与えるインパクトは小さい。近い将来、日本もそのようになると思います。

―世界経済のパワーバランスが国の人口に比例するとすれば、アメリカはどうなるのでしょうか?基軸通貨としてのドルの地位は揺らがないのでしょうか?

 まず基軸通貨としてのドルの地位は揺るぎません。現在、世界全体の金融資産の2/3はドル建てです。世界全体が2/3もの金融資産を売って、他の通貨を買うことは実質的に不可能です。だからドルが急落する可能性は低いでしょう。

 また、アメリカ経済が急速に衰退することもあり得ません。アメリカは多くの基礎技術や特許を持っています。だから、世界中のどの新興国が成長してもアメリカに安定的な利益が入ってくる。アメリカはその仕組みを構築しているんです。

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