累計経営者300人に取材
経営者の経営力を上げるメディア
プロフェッショナルサービスの経営者インタビュー
[PR]

リヴラ総合法律事務所 弁護士 大野 弘明 / ヴェルク株式会社 代表取締役 田向 祐介

ベンチャー企業こそ、法務を固めるべき

事業やサービスの多様化に伴い、権利の所在や契約内容は複雑化している。それらをきちんと理解しておかないと、訴訟問題に発展したり、大きな損失を出したりしかねない。企業にとって、法務リスクを回避することは必須なのだ。しかし、スタートアップやベンチャー企業の多くは、法務の整備にまで手が回っていないことがほとんど。そのことがもたらすリスクやデメリット、また経営者が認識すべき法務の重要性を、弁護士の大野氏と企業経営者である田向氏に聞いた。

―まず大野先生、田向社長のそれぞれのご経歴と現在の業務内容を教えてください

大野:中央大学法学部を卒業後、2002年に司法試験に合格しました。2004年に弁護士登録し、弁護士事務所で契約書作成やM&Aのサポート、相続、離婚など幅広く携わってきました。その後、証券会社のグループ企業に転職し、コンサルタントとして活動。2013年8月に独立して現在に至ります。業務としては企業法務を中心に、M&A、医療関係の法律相談などを行っています。

田向:私は2003年にアメリカの大学を卒業しました。帰国後はITコンサル企業に入社し、エンタープライズ系の業務システムの開発に従事。その後、ベンチャー企業でWEB系の開発に携わった後、自分が目指す組織を作りたいという思いから、2010年にヴェルクを設立しました。事業としては受託開発を軸としながら、平行してクラウド型業務・経営管理システムである「board」の開発・運営を行っています。現在同サービスは、ITベンチャーを中心に多くの企業に導入いただいております。

―近年、様々なベンチャーが多種多様なサービスを提供していることに伴い、法務の重要性が高まっていると思います。それと同時に、経営者の法務に対する意識も高まっているのでしょうか。

田向:私は大きな会社での勤務経験があり、クライアントと契約書のやり取りもしていたので、瑕疵(かし)担保の期間やソフトウェアの権利など、抑えるべきポイントはある程度認識していました。ただ一般的には、法務に対する意識が足りていないケースは多いと感じています。例えばオウンドメディアで記事を作成する際、画像の権利について全く考えないまま使っていることも少なくありません。人によっては、勉強会で使うスライドの画像も適当に拾ってくる場合もありますよね。クローズドで行うのならともかく、データをみんなで共有することもあるのでその辺りはどうなのかと。

大野:あるソフトウェア開発会社と話していて、「契約書で著作権を固めておかないと、使われ放題になりますよ」と伝えると、「えっ?」と驚かれました。世の中の流れとしては、法務やコンプライアンスへの意識が高まっていますが、現場でどこまで意識しているかというと、まだまだだと言わざるを得ないです。

第二次IT革命に伴い 企業の法務リスクはこれからも増えていく

―スタートアップやベンチャー等、成長している企業は法務など“守り”の面が手薄になり、弁護士をなかなか入れないケースも多いように感じます。

田向:弁護士に依頼することに、ハードルが高く感じてしまうんです。当社も設立して3年ほどはいませんでしたから。その理由として、まず縁がない。知らない弁護士の問い合わせフォームはなかなかたたけません(笑)。それに値段が高くて気軽に相談できなさそう、というイメージがあったんです。自社サービスである「board」をリリースする際に利用規約を作る必要があり、ようやく良い弁護士を見つけて顧問契約しました。

大野:おっしゃる通り、弁護士側からしてもハードルが高いと思われているのは感じますね。私もクライアントのほとんどが紹介です。たまにWEBサイトから問い合わせがあると、私の方が驚くくらい(笑)。値段が高いと思われているのも分かります。ただ私の場合、スタートアップやベンチャーとお取引する際は、状況に応じて料金体系を変えるなど柔軟に対応していますね。

―スタートアップやベンチャー企業が陥りがちな法務のポイントを教えてください。

田向:私はトラブルになった経験はないのですが、セキュリティ対策が漏れ訴訟になり、開発会社が敗訴したニュースがありましたよね。契約書にあった損害賠償上限も全て無効になり、全面的に開発会社側に責任があると判断されてしまったようです。このときは業界が動揺しましたね。

大野:ソフトウェアのコードの著作権とか、二次利用はどこまで認めるかとか、契約書ではしっかり決められていると思います。IT業界は法務への意識が高まっていますが、業界によっては口約束で仕事の話が進んでしまい、後でトラブルになるケースがあります。せめてメールでのやり取りが残っていればいいのですが、それすらないと困ってしまいますね。

田向:最近はゲームがヒットすると、すぐに似たタイトルが出ますよね。そのあたりはトラブルが多そうに感じますが、どうでしょう?

大野:キャラクターは多いですね。デザインや画像は既にあるものを持ってくるだけで、簡単に真似することができますから。

田向:事前に画像の権利などを調べられればいいのですが、全てを調べることができるスタートアップはなかなかありません。特にサービスを頻繁にローンチしている、もしくは参入と撤退のサイクルが早い企業にとっては、日常的なリスクでしょうね。

大野:一歩間違えたら明日は我が身です。第二次IT革命と言われて、現在ロボットや自動運転などの分野が発達していきますが、それに伴ってリスクも増えていくでしょう。

―口に弁護士といっても様々な方がいると思いますが、スタートアップ~成長中のベンチャー企業が選ぶべき弁護士のポイントを教えてください。

田向:経営者の立場からすると、自社の業界に詳しいかどうか、また相談しやすいかどうかが決め手になりますね。以前、知り合いから弁護士を紹介してもらったことがありましたが、ITのことを全く知らない方で、私たちのサービスを伝えるのが大変でした。こちらのことを理解しようとする姿勢がないと、相談しづらい。

大野:必要なときにその分野に特別詳しい弁護士と出会うことができれば良いですが、そうでないケースがほとんど。ですから、知らないことを理解しよう、学ぼうという弁護士のやる気もとても大事です。例えば契約書はどの業界でも“一般的な内容”と“特徴的な内容”で構成されています。後者は業界知識がないと対応できない。経営者から相談があったとき、弁護士は知識が足りないことを認め、主体的に勉強できるかどうかが大事なポイントですね。

田向:相談のしやすさでいうと、弊社の顧問弁護士は、Facebookのメッセージで思い立ったときにすぐ相談できるんです。「これって著作権的に大丈夫ですか?」「大丈夫ですよ」というように。これまでの弁護士のイメージが変わりましたね。弊社は社員もそう多くないので、権威のある弁護士に頼む意味もありません。何かあれば気軽に相談できて、日々の小さな法務リスクを潰していくといったように、小回りが利く方が重要ですから。

大野:私もそういう対応をしていますね。クライアントによっては、土日祝日関係なく電話してきます(笑)。しかしそういった方にも、出来るだけ即日の対応をするよう心がけています。一緒に飲みに行く等、お仕事をこえた付き合いをすることもありますしね。

田向:それとベンチャー企業の場合、立場を理解してくれる弁護士がいいですね。社内体制が整備されていなかったり、取引先とのやり取りするときに立場が弱かったりと、大企業とは違うリスクがあります。法務分野に詳しい人材がいないことも多いでしょうし、そういう事情を踏まえて接してくださる弁護士ですとありがたいです。

大野:理想を言うと、スタートアップやベンチャーも大手企業と同じく、あらゆる法務リスクを無くした方がいいに決まっている。けれど会社の規模や体制に合わせて、どこまでが必要でどこまでが不要なのか、状況に応じ判断することが実際には大切です。私も会社の成長や環境に合わせたサポートを実現できるよう努力しています。

―最後に経営者に向けてメッセージをお願いします。

田向:「弁護士には早めに相談した方がいいですよ」と独立して一年目の自分に言いたいですね。早い段階から意識していた方が絶対に良い。法務は企業と切り離せないものですし、今は必要なくともいずれ必ず必要になりますから。そこは投資を惜しまない方がいいですね。

大野:弁護士は何かトラブルがあったとき、マイナスになったのを元に戻すイメージがあるかもしれません。ただ私は、現状をプラスにするサポートをしていこうと考えています。以前の職場では決算書の読み方から経営分析まで行ってきたので、その経験を活かして、法務だけでなく会計・税務面でも価値提供をしていきます。弁護士に相談するのはハードルが高いかもしれませんが、気軽にご連絡ください。「こんな弁護士もいるんだ」と思っていただければ何よりです。

リヴラ総合法律事務所 弁護士 大野弘明プロフィール

1973年、東京都生まれ。1997年に中央大学法学部卒業後、2002年に司法試験に合格。2004年に弁護士登録。証券会社のグループ企業に入社し、コンサルティング業務を中心にM&Aなどを手掛ける。2013年8月にリヴラ総合法律事務所を設立。所長に就任。

ヴェルク株式会社 代表取締役 田向祐介プロフィール

1979年、千葉県生まれ。テキサスクリスチャン大学ビジネス学部を卒業後、2004年4月にフューチャーシステムコンサルティング株式会社(現・フューチャーアーキテクト株式会社)に入社。その後、サイテック株式会社を経て、2010年にヴェルク株式会社を設立し、代表取締役に就任。

※このサイトは取材先の企業から提供されているコンテンツを忠実に掲載しております。ユーザーは提供情報の真実性、合法性、安全性、適切性、有用性について弊社(イシン株式会社)は何ら保証しないことをご了承ください。自己の責任において就職、転職、投資、業務提携、受発注などを行ってください。くれぐれも慎重にご判断ください。

月間人気記事ランキング集計期間:6/24~7/23

  • 海外で活躍する経営者のインタビューサイト Japan Business Headline
  • 海外で活躍する日本企業を増やす総合情報サイト ヤッパン号
  • ベンチャー支援のプロフェッショナル
  • 注目の西日本ベンチャー100
  • INOUZTimes
  • THAI GOOD COMPANY 100

経営者通信メールマガジン

経営者通信注目の企業や、ビジネスニュースなど経営者のための情報をお知らせします。

ご登録はこちら

経営者通信

経営者通信
経営者に贈る、経営者の"経営力"を上げる情報誌

全国の経営者向けに発刊している情報誌です。

経営者通信への掲載・取材希望の方

経営者に直接アプローチできる雑誌、経営者通信に貴社の取材記事を掲載してみませんか?

pagetop