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株式会社ワークスアプリケーションズ 代表取締役最高経営責任者(CEO) 牧野 正幸

「働き方」に問題のある会社は経営者が働いていないのです

安倍政権が最優先課題として推進する「働き方改革」。それを先取りするかのように、以前からワークスタイル変革に意欲的に取り組んできたのがワークスアプリケーションズだ。「オフィス内に託児スペースを設置」「勤務時間の2割は業務外に使用可」などなど。また、同社が提供する人工知能型ERP『HUE』は、導入企業のワークスタイル変革をあと押しする。代表の牧野氏に、経営者は「働き方改革」をどう受け止めるべきか聞いた。

※下記は経営者通信44号(2017年5月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

グローバルで勝つためには成長を止めてはならない

―ここ数年、増収を続け、2016年6月期の連結売上高は400億円を突破しました。業績好調の要因を教えてください。

 企業成長を最優先する経営をしてきたからです。経営者は「企業を成長させる」と「利益を上げる」を同時に追求する。しかし、どちらか一方を優先せざるをえない局面もあります。1996年に会社を設立した後、5年で株式上場にいたった当社も、そんな状況に立ちいたりました。

 株主の多くは、「利益を上げる」ことを優先してほしい。しかし、それを受け入れるなら、将来の企業成長のための大きな投資はしにくくなります。どちらをとるべきか。私は「企業成長」を選択し、2011年にMBOによって会社を非上場化。株主の意向に左右されずに大きな投資をして、企業成長を追求できるようにしたのです。

―それほどまでに「企業成長」を重要視するのはなぜですか。

 グローバルで戦うためです。シリコンバレーをはじめ世界には「メガ・ベンチャー」と呼ばれる企業が数多く存在します。しかし、国内からはそれと比肩できるベンチャー企業がなかなか出てきません。その原因のひとつに、最初にヒットしたプロダクトやサービスに安住してしまい、さらなる飛躍のための投資に消極的な経営者の姿勢があるのではないでしょうか。

 ひとつのプロダクトやサービスで成功したら、それで得た資金を投資に回し、次の成長ステージへと飛躍するのがシリコンバレー流。私もその例にならい、彼らと互角に戦いたい。とくに、私たちのような研究開発型のITベンチャーは、研究開発投資の多寡が競合との勝敗を左右します。なおさら企業成長を最優先し、研究開発投資に回す資金を多くしなければなりません。

 また、「優秀な人材を集めたい」という理由もあります。優秀な人材は、自己成長できる環境を求めます。社員に自分で意思判断できる自由な場を提供し続けるには、企業規模が必要。だから企業成長を追求しているのです。

PCに向かう時間がなくなれば生産性は劇的に上がる

―研究開発への投資と人材の結集の成果のひとつとして、人工知能を組み込んだ最新型ERP『HUE』があります。導入企業の生産性向上に大きく寄与する点で、国が推進する「働き方改革」を先取りしています。

 そうですね。世界のなかで、日本の労働生産性がとりわけ低いのかどうかは議論の余地があるでしょう。しかし確かなことは、日本に限らず、いまのビジネスパーソンは業務のなかでコンピュータをさわっている時間が長すぎる。この時間を削減できれば、労働生産性を劇的に向上できます。

 スマートフォンで写真投稿アプリを使うことを考えてみてください。写真1枚投稿するのに、テキストをたくさん入力したり、数値を入れて表を作成したりしなければならないとしたら、だれがそんなアプリを使いますか。指で画像をさわるだけで投稿できるから、みんな使うわけでしょう。

―なるほど。いまのビジネス分野のITでは、ひとつのタスクを達成するまでに、人間の膨大な労力を必要としますね。

 ええ。えんえんと「入力」や「作表」などのルーティンを繰り返さなければいけない。

 人工知能を組み込むことで、それらのムダな作業をなくすのが『HUE』です。コンシューマー向けのITですでに実現していることを、ビジネスアプリケーションの分野でもできるようにしたものです。

―ビジネスパーソンの働き方はどう変わりますか。

 「考える」ことに時間を振り向けられるようになります。たとえば人事担当者なら、より優秀な人材をたくさん確保するための採用戦略や、よりモチベーション高く社員に働いてもらうための人事制度改革などを「考える」ことに業務時間の大半をあてられます。

 優秀なビジネスパーソンほど、自分のアタマで考える仕事をやりたがるもの。だから、「現場の社員が『HUE』にしてほしい」と望んでいることが、導入のきっかけや決め手になる企業が多いんです。

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