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日本昇降機株式会社 代表取締役  勝弘 義人

エレベーター業界における独立系のパイオニア

創業以来約50年間、エレベーターと向き合ってきた会社がある。無意識のうちに「あるのがあたり前」「安全・安心に動いてあたり前」と思われているエレベーターは、都市空間における空気のような存在かもしれない。たゆまぬ努力と熱い想いで、そうした「あたり前」の実現にチャレンジしてきた業界の老舗・日本昇降機の足跡をたどった。

※下記は経営者通信42号(2016年12月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

業界初

 商都・大阪の象徴、大阪城。その東に広がる城東区は、政令指定都市のなかで、もっとも人口密度の高い特別行政区で、最近は高層マンションの建設が盛んな住宅街として開発が進んでいる。

 ここに本社を構える日本昇降機は、大手企業の寡占構造にあるエレベーター業界のなかで、特別な存在。創業から約50年、どの系列にも属さない業界初の〝独立系〟として歩んできたエレベーターメンテナンスの老舗企業だからだ。

 同社が寡占構造という強固な岩盤を穿つようにして創業したのは、日本が高度経済成長をひた走っていた昭和43(1968)年。「霞が関ビル」が竣工、高層ビルの建設ブームがスタートし、エレベーター需要も急激な上昇曲線を描いていた時期だった。

 のちに同社の創業社長となる勝弘義一氏は、かきいれどきのエレベーター業界でメンテナンス技術者として、その腕を磨いていた。しかし、仕事に忙殺されるなか、日増しにある気持ちが強くなってくる。それは「もっと低価格で、高品質の仕事をお客さまに提供したい」との想いだった。

 一般的に寡占構造のなかでは、価格や品質面での大きな競争は起きにくいとされる。だから自らの想いを実現するには独立する以外の選択肢はなかった。これが日本昇降機の創業経緯だ。

パーツセンター

 創業直後は初めて誕生した独立系の会社に対する業界の風当たりがきつかったようだ。課題として立ちはだかったのが、メンテナンス用のパーツや部品の調達。エレベーターの多くは自動車と同様、汎用品はほとんど使っておらず、メーカーごと、機種ごとにカスタマイズされたものを使用している。

 それらを製造するのはメーカー傘下の系列工場。そうしたクローズド・マーケットのなかで部品・パーツは製造、流通している。

 こうした閉鎖構造をこじ開けたのは同社の「お客さまのために」という熱意だった。少しずつ賛同者が現れ、だんだんと安定的に部品・パーツを調達できるようになったという。「安全・安心」の徹底追求とともに、部品・パーツの安定調達に道筋をつけたこと。それが、同社が半世紀という長期継続経営を実現できた秘訣のひとつであるのは間違いない。

 平成25(2013)年には、二代目社長の勝弘義人氏の指揮で、部品・パーツの安定調達に挑戦してきた同社の集大成とも言える「パーツセンター」を完成させた。同センターは、電子デバイスからエレベーターを牽引する巻上機など、大小さまざまなエレベーターメンテナンス用の部品・パーツ2万点を常備。独立系企業としては業界最大規模をほこる。

 同社では大手から中小にいたるまで、あらゆるメーカーのエレベーターのメンテナンスに対応でき、顧客からの急な依頼にも即応できるという、独立系のなかでも類がない強力な体制を整えている。その裏付けこそ、「パーツセンター」なのだ。

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