累計経営者300人に取材
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プロフェッショナルサービスの経営者インタビュー

アルファ財産コンサルティング 代表取締役/税理士 田中 一

会社の「いまと過去」の“見える化”で事業承継の難問を解決しよう

事業承継に頭を悩ませている経営者が増加している。そこで300社を超える中堅中小企業の事業承継とM&Aをサポートしてきたアルファ財産コンサルティング代表の田中氏に、豊富な経験と実績から見えてきた事業承継の「新手法」について連載してもらう。

※下記は経営者通信42号(2016年12月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

ふたつの難問

 全国の社長の平均年齢は60歳を超え、70歳代の社長は、ほぼ全体の4分の1という調査結果があります。経営者の世代交代、つまり事業承継の時機を迎えた中堅中小企業の経営者も多いでしょう。わが子同然に育て上げた会社を継続するためにも、世代交代を進めたいところ。しかし、ここに大きな問題が立ちふさがっています。

 それは盛んに報道されている「後継者不足」、そして「後継者の力不足」です。過去20年以上にわたって約300件の事業承継をサポートしてきた自身の経験からも、事業承継が進まない理由はこのふたつであると考えています。実際、これらの問題に頭を悩ませている経営者は多いでしょう。しかし、ある発想の転換で、ふたつの難問は解決できるかもしれません。

奇妙な実態

 まず後継者不足。後継者がいないというのは、思い込みではないですか?

 というのも、こんなふたつのデータがあるからです。最初は国内企業同士のM&Aの推移。2011年から2015年の5年間でM&A件数は年間約1000件から同約1600件に増加にしました。一方で、中堅中小企業でもっとも多い事業承継スタイルである親族継承の割合は、約50%から40%へと低下しています。

 次に、経営者の子息を対象とした「会社を継がなかった理由」についての意識調査です。もっとも多い回答は「事業に将来性・魅力を感じない」ことです。

 M&A推移と意識調査を掛けあわせると、奇妙な実態が見えてきます。それは「後継候補である子息が将来性を感じないのに、魅力を感じて会社を買収したい第三者が増えている」。血を分けた子息は「ダメだ」と悲観しているのに、第三者が「イケる」と思っている。なぜ、こんなことが起きているのでしょうか。事業の将来性・魅力に関する子息の判断は、客観的で正しいものだったのでしょうか。

後継者がいても…

 ある事業承継案件のことです。私がかかわる以前から後継者はお子さんに決まっていました。そして社長交代を目前にしたある日、お子さんから「自信がない。M&Aで売却したい」と打ち明けられたのです。思い当たるフシがありました。お子さんが後継者になることは既定路線だったので、安心して承継作業を進めることができたものの、お子さんの意向や気持ちをあまり聞くことなしに「置いてきぼり」にするカタチになってしまったことです。

 あまりにも承継作業が粛々と進むため、経営者として自信がないお子さんは不安を募らせたのでしょう。承継計画を組み直し、経営能力を高める時間を確保して、改めて意思決定してもらいましたが、後継者がいるのに「力量不足」で事業承継が進まないケースと平仄が合うエピソードだと感じました。じつは「後継者不足」と「後継者の力量不足」や「後継者に経営者としての自信をつけてもらうこと」は、次の方法を実践すれば、解消する可能性があるのです。

「いまと過去」を伝える

 それは、優良顧客のリスト化、社内組織図と銀行との関係図の作成。これに企業ヒストリーを補足すれば、「経営の仕組み(いま)」と「これまでの戦略(過去)」を〝見える化〟することができます。将来を見通す材料は「いまと過去」。ここを明確にしない限りだれにも事業の将来性に気づいてもらえません。また、これを伝えることは、後継者教育の軸でもあります。

 じつは、この3点と企業ヒストリーの分析は、M&Aで行うデューデリジェンスの応用。デューデリジェンスとは企業や事業の価値を〝見える化〟する経営実態調査のことです。「親子だからわかっているだろう」と考えるのはやめて、後継候補である子息をM&Aの買収相手だと考え、自社の魅力を自ら積極的に伝えるのです。

 具体的な方法については次回で説明します。経営状況の〝見える化〟は継続成長の基礎でもあります。経営者人生の総決算として取り組んでいただけたらうれしいですね。

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アルファ財産コンサルティング

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田中 一(たなか はじめ)プロフィール

大学卒業後、国税専門官として税務署に勤務。1992年、税理士試験合格、現EY税理士法人に転職。同税理士法人および関連会社において、事業承継、企業グループ内の組織再編、M&Aコンサルティング業務に従事。現在はアルファ財産コンサルティング株式会社代表取締役。経営者と後継者が経営理念、ビジョン、経営計画を共有し、シームレスな経営承継・事業承継を実現し、100年継続企業を生み出すことに注力している。著書に『新事業承継税制の適用ガイドQ&A』(中央経済社)など。

アルファ財産コンサルティング株式会社

設立 2014年4月
事業内容 事業承継・資産承継に関するコンサルティング、後継者・次世代幹部の育成に関するコンサルティング、経営・財務マネジメントに関するコンサルティング、M&A・組織再編に関するコンサルティング、企業価値、株式価値の評価など

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