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株式会社Blanciel 代表取締役 中出 一誠

収益用不動産の収入は個人の生活に本業の利益は社員と事業に投資せよ

4月の日銀短観によれば現状を「お金を借りやすい」と考える中小企業が増加。こうしたことから、不動産投資に乗り出す中小・ベンチャー企業の経営者の増加も予想される。事実、不動産証券化市場の拡大傾向は現在も続き、そのなかで2008年に創業したBlanciel(ブランシエル)は富裕層の顧客を中心に、不動産投資のコンサルティングで業績を伸ばしている。売上高は昨年比で296%増を達成。同社代表の中出氏に不動産投資の現況と、「優良物件とは何か」について聞いた。

※下記は経営者通信40号(2016年7月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

目的によって異なる収益用不動産の最適物件

―「不動産投資はハイリスク」というイメージをもつ経営者もいます。

 不動産投資は物件の選定を間違えたり、高金利でローンを借りてしまうと、リスクが高まりますが、銀行から有利な条件で低金利ローンを調達できる方々にとっては、日本銀行のマイナス金利により優良物件に投資するチャンスが十分あります。ただし、「収益用不動産を買いたい人」が増加している現在、優良物件は、またたく間に売れていきますので、焦って不良な物件を購入してしまわないように、物件の選別は、いままで以上に厳しくしていかなければいけないでしょう。

―どのようにして優良物件を選別すればいいですか。

 まず、投資の目的をはっきりさせることが大切です。「年金代わりに家賃収入を得たい」「節税したい」など、目的によって選ぶべき最適物件は変わってくるからです。そしてもう1つ、物件を厳選する確かな目をもった信頼できる不動産のプロ(パートナー)と出会うことがとても大切です。不動産投資ファンドなど、プロの業界では、所有と経営の分離が進んでおり、オーナーの立場に立って、資産運用・管理をしてくれるアセットマネジメント(以下、AM)会社という存在が一般的です。今後は個人富裕層の方々においてもAMのニーズは高まってくると思います。

―信頼すべきAM会社を見分けるにはどうしたらいいでしょう。

 不動産のプロであることは当然ですが、重要なのは、お客さまが求めていることをちゃんと汲み取り、お客さまの立場に立って、仕事、家庭、将来像などを考えて、最適な物件を紹介してくれること。また不動産投資のメリット、デメリットをちゃんと説明してくれる会社であれば安心でしょう。

都合のいい話ばかりする 販売業者には注意を

―具体的にはどんなAM会社でしょう。

私が挙げるのは4つのポイントです。

①急がせたり、ムリに物件を売りつけようとしない ②「絶対に間違いない」「空き室保証があるから絶対に大丈夫」などと、都合のいいことを言わず、リスクの説明もちゃんとしてくれる ③周辺の賃料相場などを調査して、現状の利回りが割高でないか適切に提案してくれる ④将来の転売ありきで、スキームを組み立てない。

 たとえば④にかんして、不動産相場は上下するので、ある程度の予想はできても、将来の相場を確約することはとても難しい。リーマン・ショックのときのように希望の金額で売却できない場合も 想定し、保有し続けられるスキームも用意しておくべきです。また、収益用不動産には一般的な重要事項説明以外にも、お客さまに説明した方がよい項目が多々あります。しかしその説明義務 には明確な基準がなく、どこまで物件の説明を丁寧にするかは各々の不動産会社の方針によります。

データだけでは読み取れない 「空室リスク」

―ところで、安定的な賃貸収入を見込める物件とはどういうものですか。

 次の3つの条件を満たしている物件です。

 1つは「銀行の担保評価が高いこと」。1億円の物件に1億円のローンが満額評価で出るようなものなら、それは万が一、不動産投資家の返済が滞り、銀行が不動産を処分する場合でも1億円を回収できると見込んだということ。こういう物件は優良物件です。

 2つめはキャッシュフローがちゃんとプラスになる物件です。「家賃収入-管理費-固定費(清掃費、損害保険料、固定資産税など)-銀行ローン=税引き前利益」を一般的に、キャッシュフローと定義しています。

―3つめの条件を教えてください。

「空室リスクが低いこと」です。じつは最初の2つの条件は、ある程度システマティックに導き出すことができます。たとえば、当社には投資に適した物件を選定できるデータベースの仕組みがあり、常時2000物件近くを登録しています。路線価、土地価格、建物価格、利回り、築年、構造、管理費、修繕費、公租公課、家賃(下落率も加味)、ローン期間などを登録、銀行ごとの金利や期間もくわえて、積算価格や収益還元価格も含め、総合的に投資物件として適格かどうかを判断します。

 ところが、空室リスクだけはこの手法だけでは見誤る。なぜなら、物件ニーズはデータでは測れない定性的な部分もあるからです。当社でも地域の人口動態や需給バランスなど、マクロ的なデータはもちろん調査しますが、地域独特の入居者ニーズがありますので、地元の信頼できる賃貸仲介業者へのヒアリングを必ず行います。この地域は単身者が多く、広さよりも駅から至近な物件 が人気がある。この地域はファミリー層需要が多く、駅から多少離れていても周辺環境や学区などがとても大事になる、などなど。その地域のニーズに合った物件かどうかは、地元の賃貸仲介業者がいちばんよくわかっています。

修繕見積もりにあらわれる利益相反の落とし穴

―ほかにもポイントはありますか。

 収益用不動産購入後に気をつけてほしいこととして、物件修繕費などの見積金額に、落とし穴が潜んでいるケースがあります。

 通常、収益用不動産の物件はAM会社が入る場合に3社によって管理されます。3社とは、当社のように、100%オーナー目線で、コンサルタント業務に特化し資産運用・管理業務に携わるAMと、PM(プロパティマネジメント)、そしてBM(ビルマネジメント)のこと。PMは、賃貸募集、契約締結、賃料回収など、おもに収益用不動産の賃貸管理を行い、BMは個別ビルの管理運営を任され、清掃や、保守管理、修繕などに携わります。

 もちろん大手不動産会社などでは、1社ですべてをまかなうこともありますが、3社体制で物件を管理・運営しているときは、ぜひ、PMとBMの関係を確かめてほしいですね。もし、PMとBMが関連会社であったりすると、BMの出す修繕見積金額が適切ではない可能性も高くなります。本来ならPMが見積金額に対して質すべきところを、利益相反になってしまうのでスルーしてしまうのです。

―どうすればいいのでしょう。

 複数のBMから相見積もりをとって ください。また、忙しい経営者はなかなかそこまで労力を割けないという場合 は、BMの見積もりをAMにチェックしてもらうのもいいでしょう。

土地が安く高利回り 政令指定都市の物件が狙い目

―Blancielが扱った、不動産投資の具体例を教えてください。

 ある上場企業の経営者について、お話ししましょう。投資の目的は「本業の儲けをなるべく社員に還元し、事業を成長させたいので、自分の収入は不動産収入から得たい」というもの。そこでインカムゲインを得やすいマンションを2012年から順次、ご紹介。神奈川県、岡山県にマンションを1棟ずつ、札幌市に3棟所有し、年間の収入は税引き前で約6000万円です。

 この経営者のように、生活基盤は不動産投資から得る収入で固め、より大胆に本業に取り組みたい、という方はほかにもいらっしゃいますね。

―紹介物件は都心のものではありませんね。

 はい、都心の物件は購入額も高額になるので、高い利回りが見込めません。インカムゲインが目的でしたので、利回りに注目して物件を精査しました。当社は全国の政令指定都市の案件を扱っていますが、札幌はそのなかでも土地値が安く、建物価格比率が高いため、減価償却を取りやすく、利回りの高い案件が購入できる可能性が高いエリアです。

―不動産投資に関心をもつ中小・ベンチャー企業の経営者にアドバイスをお願いします。

 重要なのはご自身の目的を明確化すること。その要望の実現をサポートするのが私たちAMです。

 当社はアパート・マンションを中心に取り扱う不動産投資のコンサルティング事業のほかに、オフィスビル、ショッピングセンター、ホテルなどの大型不動産の取引実績もあります。こうした仕事を通して、国内大手銀行、外資系投資ファンド、全国の賃貸物件仲介業者、BMなどをはじめ、約1500社の情報ネットワークをつくりあげました。かつての顧客から優良物件の情報がもたらされることもあります。

 なによりも「信頼できる会社」として、新しいお客さまをご紹介いただくケースが増えています。これからも多種多様なノウハウでお客さまの立場に寄り添ったサポートを実施して、お客さまのビジョンを支援していきたいですね。

目的1 ~インカムゲイン~

所得税や法人税が低く抑えられる札幌市での不動産投資

年収3,000万円の会社員は年金代わりの収入を得るために、札幌市に1棟マンションを購入(15戸、築年15年以内、RC構造、価格帯:1~10億円、最多価格帯1~3億円)。築15年以内のRC構造は、融資条件のよい都市銀行や地方銀行から最大35年の融資が受けられ、保有期間中は税引き前で物件価格の約2〜3 %以上のインカムゲインが見込める。また期間経過とともに、元金が返済されていくので、将来的な資産の貯蓄にもなる。また札幌市は東京と比べると土地値が安く、建物価格比率が高いため、減価償却が多く取れるので、個人の場合は所得税、資産管理会社等法人の場合は法人税が低く抑えられる。

目的2 ~節税対策~

高所得会社員の節税には築古の木造アパートが狙い目

年収1億円の会社員は節税目的で、築古(22年超)の木造アパートを購入。法定耐用年数を超えた木造アパートは4年間で減価償却できるので、給与所得で高額な税金を払っている人も、損益通算により所得税が還付される。たとえば、価格が1億円の物件で、土地:4,000 万円、建物:6,000 万円の場合、減価償却の定額法では、1,500 万円(6,000 万円×0.25)/年×4年間を経費にすることが可能。

目的3 ~相続税対策~

実勢価格と相続税評価額のかい離がポイント

現金や有価証券で相続する場合は時価に対して課税されるが、不動産を相続する場合は評価額に対して算出される。家業を継いだ50代の経営者は相続税対策のために、実勢価格と相続税評価額のかい離がある(路線価が低くて相続税評価額が抑えられる)エリアで、換金性の高い物件を検討中。収益用不動産として賃貸することで、建物評価額が30 %控除されることもメリットだ。将来的に現金等が必要になった際に、売却がしやすい、誰もが欲しがる流動性の高い、一等地の案件がオススメ。

目的4 ~将来への布石~

安定的な収入のために1棟マンションを複数所有

40代医師は大病院勤務の激務の状態から、比較的時間の取りやすい病院に転院したのをきっかけに、不動産投資の勉強を開始。2015年から札幌市に1棟マンションを購入し、現在3棟所有(1億2,000 万円、1億5,000 万円、2億円弱)。いずれも地下鉄沿線駅から徒歩10分以内で空き室リスクも低い。想定税引き前利益が約1,500 万円近く見込めるので、将来の開業資金にと考えている。

中出 一誠(なかいで かずまさ)プロフィール

1975年、神奈川県生まれ。2000年、早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。IT企業にて、コンサルティング業務に従事。2002年、株式会社オープンハウスに入社し、おもに都心・城南エリアの住宅の仕入・企画・開発などに従事。2005年、不動産投資会社入社。おもに都心一等地の事業用不動産の仕入・開発・販売などに従事。2008年、株式会社Blanciel設立、現在に至る。

株式会社Blanciel

設立2008年9月
資本金1,000万円
事業内容不動産投資にかかわるコンサルティング事業、不動産売買仲介事業、不動産クリエイティブ事業
URLhttp://www.blanciel.jp/
お問い合わせ電話番号03-6438-9830(受付時間 平日10:00~18:00)
お問い合わせメールアドレスinfo@blanciel.jp
お問い合わせURLhttp://www.blanciel.jp/contact/

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