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株式会社MRS 代表取締役 眞野 篤師

深刻な人手不足を解消する救世主「技術ビザ」人材を長期雇用せよ

人手不足に陥っているIT・製造業において注目を集めているのが「技術ビザ」を保有した人材だ。専門技術の保有が「技術ビザ」取得の条件で、労働力としての質が高く、技能実習生とは異なり日本への長期滞在が可能だからだ。こうした人材をベトナムで発掘しているMRS代表の眞野氏に、技術ビザを取得した外国人を採用するメリット、採用時の注意点などについて聞いた。

※下記は経営者通信39号(2016年4月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

日本語ができるIT人材を育成する特別プログラムも

―人手不足の深刻化で、改めて外国人の採用に関心が集まっています。しかし、製造業やIT産業では外国人採用におよび腰な中小・ベンチャー企業が多いようです。なにが問題なのですか。

 現在の外国人労働者の主流となる技能実習生はあくまでも日本に技術を学びに来たインターンです。日本で学んだ技術を母国に持ち帰る役割を担っており、来日時は即戦力となる専門技術を持ち合わせていません。また、滞在期間は最長3年という制約もあります。そのため、現場で一人前に活躍できる人材に成長する前に帰国せざるをえない場合が多い。それゆえ、一定の教育・育成が必要な製造業では、どうしても技能実習生を本格的に受け入れにくく、IT産業では、技能実習生は受け入れられないという背景があるのです。

―それではどうすればよいのですか。

 技能実習生とは明確に区別された「外国人エンジニア」を積極的に導入するしかありません。外国人エンジニアとは、従事する業務に必要な専門技術・知識を大学で学んだことを条件に与えられる「技術ビザ」を保有している人材です。こうした人材であれば、即戦力としてはもちろん、在留期間も一度の発給で最長5年。更新もできるため、中長期的な技術の継承者としても期待できます。

 こうしたニーズに対応し、当社では2014年4月からベトナム人に特化したエンジニアの紹介サービスをはじめています。準備中の企業も含め、30社に迫る企業で採用が進んでいます。

―ベトナムに着目した理由はなんですか。

 若くて優秀な人材を多く確保できる条件がそろっているからです。まず、ベトナムでは30代以下が全人口の6割以上を占めます。しかも工業国として発展途上にあり、技術系人材が多く育っています。さらに数年前からベトナムは国家戦略としてIT人材の育成に乗り出しています。ベトナム国家大学やFPT大学は、マイクロソフトなど世界的なIT企業から専門家を招へいし、最先端のIT教育を施すなど、アジアでもハイレベルの教育水準を誇っています。とりわけ最難関校のひとつ、ハノイ工科大学には日本語ができる高度IT人材を育成する特別プログラムもあります。

 当社では、現地の大手国営企業や理系大学との提携により、専門教育を受けた新卒者や10年近い実務経験を持つ熟練技術者まで、高度人材を確保できる仕組みを構築。最低5年間日本の同一企業に就業することを条件に、自動車、機械、重電などの分野で、業務環境に合った人材を選定できます。

力量や適性はさまざま事前に見極めよ

―外国からエンジニアを受け入れる際の注意点を教えてください。

 いくら技術や実務経験をもった人材とはいえ、その力量や適性はさまざまです。自社が必要とするスキルや適性と、受け入れ人材とがしっかりとマッチングしているか事前に見極めが必要です。

 そこで、当社ではまず、受け入れ企業側の保有設備を確認するほか、業務内容や求める人材像を綿密に調査。そのうえで、マッチングできる人材を現地で募集し、希望人数の2~2.5倍にまで絞って顧客に紹介しています。当人との面接のほか、事前に加工図面を提供してもらえれば、ベトナムの提携大学内設備で実技試験を課すこともでき、個々の技術レベルを確認できます。

―外国人労働者の導入を検討する経営者にアドバイスをお願いします。

 国内の生産年齢人口は減少し続け、移民受け入れの法制度整備も遅れていることから、人手不足の深刻化は止まらないでしょう。人手不足を補うためには、雇用形態を見極め、技能実習生とエンジニアを併用していくことも必要となります。当社でも技能実習生を紹介できるスキームに着手し、時代のニーズに乗り遅れないよう準備しています。

 海外への製造移転に乗り出す際には、技術を持ち帰ることを目的とした技能実習生はもとより、重要なポジションを担うエンジニアは、それぞれが欠かせない「人財」となってくれるでしょう。海外の「人財」の採用を現実的な選択肢として真剣に考える時期ではないでしょうか。

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