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LOGOS総合特許商標事務所 所長/弁理士 永井 道雄

弁理士を最大級に活用して「知的財産」を会社の武器にせよ

熾烈な生き残り競争のなか、「競合他社と少しでも差をつけたい」と考える中小・ベンチャー企業の経営者は多いだろう。そのヒントになるのが「知的財産の活用」である。他社にマネされることのない商品・サービスがあれば、会社を飛躍させる大きな武器になるはずだ。その一方で、知的財産に無頓着であれば思わぬ落とし穴にハマりかねない。LOGOS総合特許商標事務所の代表、永井氏に知的財産のリスクや特許事務所の選び方などを聞いた。

※下記は経営者通信37号(2015年11月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

まっとうな仕事をしていても経営をひっ迫する権利リスク

―戦略的に特許、実用新案、意匠、商標といった知的財産を活用する中小・ベンチャー企業は増えているのですか。

 傾向としては増えています。たとえばある調査によると、以前は大手企業と比較して2%程度だった国内の中小・ベンチャー企業における特許出願の件数の割合が、10%近くまで増えているそうです。

 インターネットの普及によりさまざまな情報が拡散するようになった昨今、より自社の知的財産を守ろうと考える経営者が増えたのではないでしょうか。

―知的財産に無頓着な場合、どのようなリスクが考えられるでしょう。

 自社で開発した製品であるにもかかわらず、勝手にマネをされて販売できなくなったり、知らないうちに他社の知的財産を侵害してしまう可能性があります(右図参照)。つまり、まっとうな仕事をしていても、ある日突然販売差し止めになったり、賠償金を請求されかねないのです。

 そのような状況を回避するため、自社の商品やサービスについて特許を、内容によっては、意匠や商標を取得することが望ましいのです。

 ただ「権利はいらないが侵害を問われたくない」などという場合、特許権を得ないという選択肢もあります。その際は、※先使用権を証明するための資料を準備しておけば、第三者から権利侵害を問われることを避けられます。

 また、※営業秘密扱いとするための資料を準備しておけば、※不正競争防止法を適用して、たとえば退職者による技術流出を防ぐことが可能。弁理士はそうした資料づくりも行っていますので、気軽に相談してほしいですね。

※ 先使用権: 第三者の特許発明と同一の発明を、その発明に関するその第三者による特許出願の前から国内において善意で実施またはその準備をしている者に対し、一定条件の下に認められる通常実施権

※ 営業秘密:秘密として管理されているものであり、生産方法、販売方法などの事業活動に有用な技術上または営業上の情報であって、公然と知られていないもの

※ 不正競争防止法:公正な競争とこれに関する国際約束の的確な実施を確保するため、不正競争の防止を目的として設けられた法律のこと

海外進出を目指す企業には「権利」のサポートが必要

―特許事務所を見わけるポイントがあれば教えてください。

 まず、「特許技術者」と呼ばれる所員が※明細書を作成するのではなく、弁理士が作成する事務所を選ぶべきです。特許技術者が明細書を作成すると、技術的には正しい内容でも特許法の観点が不十分なため、特許権の取得が困難になったり、納得できる特許権にならないケースが多くなるのです。

 さらに、出願の経験が豊富であること。一概にはいえませんが、毎年数十件程度で通算10年くらいの出願実績の弁理士がいることが目安ですね。

 ちなみに当所では、6名の弁理士が直接案件を担当し、明細書を作成しています。弁理士を目指す特許技術者も1名いますが、弁理士の厳格な管理下で作成するので安心です。さらに、1970年の設立以来、大手企業を中心に多くの出願を行ってきた経験があります。

※ 明細書:特許出願の際に願書に添付して提出する書面で、権利を取得しようとする発明の内容を記載したもの。
その分野の技術者がその発明を理解して実施できる程度に詳しく記載しなければならない

―ほかにポイントはありますか。

 積極的に海外進出する中小・ベンチャーは多いため、国内だけでなく外国の特許出願も取り扱う特許事務所がいいでしょう。当所はアメリカ、中国、欧州、韓国、台湾、カナダ、オーストラリア、シンガポール、マレーシア、タイ、インド、ブラジルといった国と地域に外国特許事務所を介した出願手続きの経験があります。

納得できる特許権の取得は経験に基づいた視点がカギ

―さらなる成長を目指す中小・ベンチャーの経営者に、知的財産権を活用するためのアドバイスをお願いします。

 発明が生まれたら、必ず弁理士を頼ってください。特許を取得できる可能性があるかどうかを調べるだけでも調査会社ではなく、まずは弁理士に相談してください。弁理士が独自の調査をし、さらに依頼があれば調査結果を踏まえて適切な出願の形態を検討します。

 ひとつだけの商品・サービスに対しても、弁理士の力によりさまざまな種類の権利を発生させられる可能性があります。たとえば同じ商品でも、特許権だけでなくデザインに対する意匠権も取得したほうがいい場合もあります。

 外国への出願にも弁理士の力が必要。出願するときは外国の特許庁に対する手続きをする外国弁理士に依頼するのですが、その際の明細書は英文です。それなら日本の弁理士は不要であり、翻訳会社に翻訳を依頼するだけでいいと思われがちです。しかし、外国弁理士と的確な意思疎通を図るためには特許法的な見方が必要になるため、日本の特許事務所が弁理士の視点を持って仲介しないといけないのです。

 今後も知的財産の観点から、企業の成長をサポートしていきたいですね。

海外出願の経験と大手との取引実績を評価

 紙オムツ「ムーニー」「マミーポコ」など、数々のヒット商品の開発に携わってきた鈴木氏。JATI設立後も20年以上にわたって吸収体技術の製品開発などを行い、国内外あわせて約200件の特許を取得している。なかでも、世界中でもっとも薄くてコンパクトな新規高吸収性シート「MegaThin®」は、ロゴスに依頼した出願により、その名称自体が国内外の商標権で保護され、原料、開発プロセス、プロダクトの発明が国内外の特許権により保護されている。「MegaThin®に関しては約150件以上の特許があり、海外での特許も多いです」と話す鈴木氏。

 海外の特許出願では、日本の特許事務所と外国の特許庁の間に外国の特許事務所が代理で入る。そこで※オフィスアクションが外国の特許庁からくると、それをもとにロゴスとJATIが相談して応答案を英語で練り、それを外国の特許庁へ提出することを外国の特許事務所に依頼する。それを納得できる特許の取得まで行うのだ。「短期間で特許取得できたものも多数ありますが、なかには特許取得までに15年かかったものもあります。そのため、海外特許出願の実績があるロゴスの支援は効果的です」

 さらに、大王製紙、P&G、ユニ・チャームといった企業にライセンス提供も行っており、ライセンスを供与する予定でいる特許の出願を任せられるのも大手企業との実績が豊富なロゴスならではだという。

※ オフィスアクション:特許出願を審査する審査官が、このままでは特許にできないと判断した場合に作成する、その理由を説明した文書

特許取得のポイントは“点”ではなく“面”でカバー

 審査官の判断や示唆に迎合するように特許を取得すると、権利の範囲が狭まる傾向がある。だからこそ、発明者や会社の立場に立って、発明品を手に取りながら対等な立場で双方向のコミュニケーションをしてくれる特許事務所との協業が大事だと鈴木氏は話す。「権利は“点”ではなく“面”とした方が、その範囲が広がり、事業に活かせます。そのため、広い権利を主張できる請求項と、それを十分に支えるような明細書を作成し、審査官との面談での交渉力によってできるだけ広範囲の特許を取得することが特許事務所に期待するところ。当社としてもロゴスから協力を得ることで、今後も事業に活かせる権利を守っていきたいですね」

アプリの名称について他社からの思いがけない抗議

 タブレットやノートパソコンの収納型デスクの特許と、タブレット型パソコンの充電収納庫の特許・意匠に関して、ロゴスに担当を依頼していると話す高澤氏。「どの部分で特許をとることができるのか、専門的にはわかりません。たとえば、『これとこれを組みあわせれば、新たに特許を取得できるのでは』と、思わぬ視点からアドバイスをいただいています」

 本業が忙しいため、なかなか自身で詳細を調整する時間がない。そのため、こうした細やかな対応は助かっているという。

 また、自社が他社の権利を侵害する危険にも見舞われた。カナダで開発された美容シミュレーションアプリを、ある美容クリニック向けにフルカスタマイズしてリリースした際、別の美容クリニックからすぐに抗議がきた。類似したアプリの名称を、すでにそのクリニックが商標登録していたのだ。「あわてて名称の表示がある広告などを回収し、ロゴスに連絡。アプリの別の名称をいくつか考え、それらについて、登録商標に類似しているかどうかを確認してもらいました。そして、類似していない名称のなかからベストと思われるものをアプリの新しい名称としました。まさかアプリの名前が商標登録されているとは思っておらず、ロゴスに事前に相談することをうっかり忘れていました」

「出願できるものがない」では淘汰されていく時代に

 いまの世の中はアイデアの勝負。そのアイデアが生んだ構造、機能、方法やデザイン、商標をいかに守るか。それを行うのが特許や、登録意匠、登録商標だと強調する。「調査やそれに基づいた変更などにより損害賠償されることを防ぐだけでなく、権利を持っていれば逆にこちらから訴えることも可能。また、中小・ベンチャー企業の存在価値は、いかに他社と差別化できるかどうか。そういう意味で差別化を守る特許や登録意匠、登録商標は、もはや必須。逆に『出願できるものがない』という中小・ベンチャー企業は、淘汰されていくでしょう。これからも、競合他社の5年、10年先を行くようなプロダクトをつくっていきたいですね」

永井 道雄(ながい みちお)プロフィール

1959年、埼玉県生まれ。1981年に立教大学理学部物理学科を卒業後、電気メーカーに入社。VTRの研究開発に従事する。2003年、弁理士に登録。1997年に山下国際特許事務所(現・LOGOS総合特許商標事務所)に入所する。電子回路、通信、画像処理、デジタル信号処理、情報処理、コンピューターソフトウエア、ビジネスモデル、機械といった幅広い分野の特許、実用新案、意匠、商標などの支援を得意とする。2000年、所長に就任。

LOGOS総合特許商標事務所

設立1970年8月
事業内容特許、実用新案、意匠(デザイン)、商標に関する国内出願および外国出願、審判、異議、仲裁、鑑定、審決取消訴訟ならびに登録、申請などの手続および年金管理業務
URLhttp://www.logospatent.jp/
お問い合わせ電話番号03-3431-1831(受付時間 平日9:30~17:00)

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