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株式会社おの事務所 代表取締役コンサルタント 小野 耕司

実情に合わない人事制度が 社員のヤル気をそぐ

2040年までに国内の生産年齢人口はいまよりも3割減るという。しかも有能な人材は大企業に流れるばかりで、中堅・中小企業では人材の採用自体が現状でも大変難しいのが実態である。では、いまいる人材をどのように活用し、会社を発展させるためにはどうすればいいのか。東証一部上場から中堅・中小企業まで100社以上の経営コンサルティングにあたってきた、おの事務所代表取締役コンサルタントの小野氏に人事制度面からアドバイスしてもらった。

※下記は経営者通信36号(2015年7月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

「なんのために働いているのか」 会社の問題をあぶりだす質問

―中小・ベンチャー企業の経営者は、人事面でどんな課題を抱えていますか。

 圧倒的に多いのは「社員がよく辞める」「人材が育たない」といった問題です。「働いている人たちの表情や雰囲気が暗い。どうしたらいいのだろう」という相談を受けたこともあります。

―そのような課題を解決するには、どのようにアプローチすればいいのでしょう。

 まずは社員へのヒヤリングから手をつけるべき。会社の問題点と実情をあぶり出すためです。大企業はヒヤリングの人数を絞らざるを得ませんが、中小・ベンチャー企業は全員が対象。「働きがい」や「なんのために働いているのか」を聞いていきます。

 個人の目標と会社の目標に共通点がひとつもなければ、ヤル気は出ないもの。たとえば、ある会社で退職者が相次いだ。その原因は、会社が社会貢献の理念を掲げているのに、現場では「とにかく売上を伸ばせ」と迫られていたことでした。

 企業理念と社員の仕事の現実にかい離がある。そのギャップを埋められず、社員が大勢辞めていたのです。

―会社のビジョンを理解しない社員に問題があるかもしれません。

 そういうケースもあります。でも、方向性を打ち出す会社の仕組みに問題があって理解されない場合のほうが多い。問題のある会社ほど、「なんのために働いているのか」という問いに答えられない社員の割合が高い。ヒヤリングでそんな傾向が出たら、理由を追求すべきです。

運用できる人材がいない 実情に合わない人事制度

―ヒヤリング結果を問題解決につなげる方法を教えてください。

 ヒヤリングと同時に人事の仕組みを精査してください。精査対象は賃金、昇格・昇進、人事評価や幹部社員登用の考え方、人材育成の仕組みなど。

 どの会社にも制度や規程はありますが、私たちが相談を受ける会社は、100%といっていいほど制度や規程通りに実際の運用がされていませんでした。それがヒトをめぐる問題の原因になっています。

―どうして規程通りに運用されないのでしょう。

 実情に合わない人事制度を導入しているからです。その一例が「立派な規程はあるが運用できる人材がいなかった」というケース。評価項目ばかりが多くて、評価する人自身がその意味を理解していないので正しく運用できなかった会社もあります。

 また、昇進・昇格(降格)・昇給(減給)はキチンと論理立てて説明できなければいけません。ところが、キチンとした人事制度が確立しておらず運用がブレると、「なぜ彼が役員に」「なぜあの人が部長に」と社員が納得しない。仕事のモチベーションを失い、会社への信頼感そのものが低下したりする。社員30名くらいの会社なら社長の一存で人事評価をしても問題は起こりにくいでしょう。しかし、社員が50名以上になったら誰が評価しても同じ結果になる、キチンとした、ブレない人事の仕組みをもつべきです。

―中小・ベンチャー企業は人事制度を自社で構築するリソースが不足しているケースが多いと思います。

 コンサルタントに依頼し課題解決を早急に図ることが最も効果的です。その際、人事制度を経営の仕組みとひもづけるコンサルタントかどうかに注意してください。その会社の経営課題や実情を無視して、大企業向けの人事制度をそのまま導入させる会社もある。自分の会社の経営の仕組みや方向性に合致したうえで、人と組織の課題が解決できるかを見極めることが重要です。

 また、内部・外部環境の変化が激しい中小・ベンチャー企業こそ、人事の仕組みをつねにバージョンアップさせることが事業成長に最も有効です。

―人事制度構築を業績向上につなげたい経営者にアドバイスをお願いします。

 昨今の人事制度は成果主義が主流です。成果主義が機能するのは、人材の能力向上や育成の仕組みが整っている前提があってこそ。人を育てずして成果主義だけを求めれば、組織は荒れます。荒れた組織では業績は上げられない。業績を上げるためには、社員がイキイキと働ける人事制度構築と、社員の能力向上へのアプローチを続けることが重要。私たちは今後、人事制度構築と運用支援だけではなく、研修を通じた社員の能力開発もサポートしていきます。

小野 耕司(おの こうじ)プロフィール

1967年生まれ。1991年東北大学教育学部卒業後、古河電気工業株式会社、株式会社デンソーで人事部門に所属。労政・賃金・異動・組織・人事考課・採用・教育、グローバル人事など、人事関連業務に幅広く従事する。2006年に三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社入社。組織人事戦略部に所属し、多数の人事コンサルティング案件を担当。2011年4月に株式会社おの事務所を設立し、代表取締役に就任。

株式会社おの事務所

設立 2011年4月
資本金 300万円
事業内容 経営コンサルティング、人事・労務に関するコンサルティング、人材の育成・開発・指導に関する研究・企画、実施、運営
URL http://www.ono-o.jp/
お問い合わせ電話番号 東京:03-6271-0396 名古屋:052-253-8691(受付時間 平日9:00~18:00)

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