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株式会社TANOsim 代表取締役社長 兼 CEO 森本 高廣

クリエイターに明るい未来を感じてもらいたい

いまやCG(コンピュータ・グラフィックス)は、映画やゲーム、アミューズメント市場にとどまらず、医療や製造業など幅広い分野に導入され、大きく成長しようとしている。しかし一方で、そのCGの進化を支えるクリエイターを取り巻く環境は決して恵まれているとは言えない。そんななか、「クリエイターに新しい働き方を提供しながら、CG業界の発展に貢献したい」との想いから、3DCGに特化したクラウドソーシングサービス『CGクラウド』を立ち上げたのが、TANOsimの代表、森本氏だ。サービスの概要や、業界発展にかける想いなどについて聞いた。

市場環境が激変するなか需要と供給をマッチングする仕組みが必要

―昨今、AR/VR市場の拡大などに見られるように、CGがさまざまな分野で活用されていますね。

森本 ええ。三次元(3D)のCG技術は非常に将来性がありますね。とくに、細部までクオリティの高いハイポリゴン系と呼ばれる映像/VFX分野の3DCG技術は、これまでの映画やアニメ、ゲームといったアミューズメント産業にとどまらず、医療分野など新たな応用分野も広がっており、長期的には今後ますます市場が拡大していくことが予想されます。

 しかしその一方で、課題も多いのが現実です。

―どのような課題なのでしょう。

大塚 一番大きいのが、技術の担い手であるクリエイターを取り巻く環境の不安定化です。その背景には、業界構造の激変があります。これまではパチンコ産業からの需要が市場を支えてきました。しかし、昨今のパチンコ産業への新たな法規制の影響でこの需要が激減。撤退やクリエイターの雇用削減を余儀なくされる会社も増えています。その結果、ハイポリゴン系の国内クリエイターは減少傾向を示しています。

森本 ハイポリゴン系のCGクリエイターは高い技術力が要求されるため、もともと希少な存在です。にもかかわらず、クリエイターの減少で需要と供給のミスマッチがますます大きくなることで、一部のニーズは海外流出が加速し、アジア諸国との価格競争で仕事の単価が下落。新たな需要を喚起する動きはまだ弱く、一部の人気クリエイターを除いては、3ヶ月先の仕事を確保することもできない状態におちいっています。市場や技術の将来性はあるものの、3DCG市場は危機的状況にあります。

―そうした状況を解消するには、なにが必要でしょうか。

森本 需要と供給をマッチングする仕組みが必要です。そうした仕組みがあれば、優秀な国内クリエイターの受け皿となることができるだけでなく、さまざまな分野に眠る潜在的なニーズを掘り起こし、新たな需要を創出する動きにもつながります。

 そこで当社では、3DCGに特化したクラウドソーシングサービス『CGクラウド』を立ち上げました。3DCG制作案件をクリエイターにマッチングさせるプラットフォームとして機能させます。高品質3DCGに特化したクラウドソーシングサービスは私が知る限り世界でも例がなく、3DCG業界が抱える需要と供給のマッチング力の弱さという課題を解消する画期的なシステムになると自負しています。CG制作には複数の工程がありますが、まずはアウトソーシングに対するハードルが比較的低いモデリング工程をターゲットに、マッチングを行います。

価格のたたき合いを防止し適正価格を守る独自の仕組み

―どのような仕組みなのか、具体的に教えてください。

大塚 『CGクラウド』は、3DCG制作を依頼したい発注者と、それらを受注したいクリエイターによって構成されます。従来のクラウドソーシングとの違いは、どんなクリエイターが制作しているのかを可視化する仕組みです。クリエイターの登録情報は実名を基本とし(IDでも可)、過去の職歴や作品制作歴などを公表。「WebGL」によって、モデリング試作品を360度回転させてレビューできる仕組みも構築します。これにより、発注者側は安心して制作を依頼でき、質の担保も期待できるわけです。

森本 3DCG業界は、もともとアウトソーシングに対する抵抗感が少なくない業界でした。そこには、「どんな人物が制作しているのか、わからない」という発注者側の不安感があったと思います。いわば、「安かろう、悪かろう」という従来のクラウドソーシングに対する不信感です。その不信感を払しょくし、政策案件を流通させるプラットフォームを構築し、業界を活性化するのが、『CGクラウド』のねらいです。

―逆にクリエイター側にはどのようなメリットがありますか。

森本 最大のメリットは、安定して仕事を受注できる仕組みにあります。参加できるのは現在のところモデリングですが、フリー、業務委託、会社員の副業、どのような方でも場所や環境を問わず参加できるため、在宅でも海外にいても仕事が受注できる。クリエイターに、いわば新しい働き方を提供できるのです。

 従来のフリークリエイターは、業務委託のような形で企業を渡り歩く不安定な就労形態が多かったのがこの業界の特徴です。先ほど指摘したように、一部の人気クリエイターを除いては、3ヶ月先の仕事を確保することもできない状態。そのため、先の仕事の確保するための「営業活動」にも神経を使わなければならず、とても制作に専念できる環境にはありません。それが、『CGクラウド』によって、「半年以上先まで、しかも自分がやりたい仕事だけでスケジュールが埋まっている」という状態が決して夢ではなくなる。これは、現在のクリエイターにとっては、まさに理想です。

大塚 また、『CGクラウド』という新しいプラットフォームができることで、新規事業でCGを活用したいと考える会社が、どんどんここに訪問し、これまで潜在的なCG制作ニーズが掘り起こされることが期待できます。クリエイターは新しい仕事にチャレンジするチャンスができる。同時に、『CGクラウド』に参加すれば、「WebGL」機能を使ってそうした新たな参入者に対して顔や技術を売り込み、知名度を上げることもできます。

 また働きやすさを実現するために、AIを用いた進行管理や、保険や確定申告などといったサポートも実施します。

―しかし、クラウドソーシングには「安かろう、悪かろう」というネガティブな印象を指摘する向きもあると聞きます。

大塚 そのとおりです。従来のクラウドソーシングは、価格のたたき合いが生じ、受注者が弱者になってしまう構造がありました。得をするのは運営者と発注者のみ。しかし、それでは技術の担い手であるクリエイター層がどんどん弱体化し、市場の成長は期待できません。

 そこで『CGクラウド』では、発注者が入札価格を決めて以降は、いくら応募が殺到しても、受注価格を下げることはしません。それにより、価格のたたき合いを防止し、適正価格を守っているのです。受注希望が複数発生した場合は、公表されているクリエイターの情報をもとに、発注者がクリエイターを選定します。

 逆に、受注がゼロというケースも起こりえる。それは価格と仕事内容が見合っていないということであり、発注者が入札価格を上げざるを得なくなるわけです。

森本 『CGクラウド』発足にあたり、もっとも大事にした理念は❝クリエイターファースト❞。この理念がもっとも色濃く反映されているのが、この受注の仕組みなのです。  発注者がクリエイターを評価する際の一助として、今後はクリエイターをランク付けする仕組みも検討しています。プロフィールや作品ポートフォリオの閲覧数、作品の出来や納期といった発注者からのフィードバック情報などをもとに、独自のアルゴリズムでランキングを作成します。

―なぜ、このような仕組みが実現できたのでしょう。

森本 その理由のひとつには、私の前職での経験があります。前職のCG制作会社時代、中国での拠点立ち上げに携わり、現地の責任者として日本との間で、遠隔でのやりとりを統括してきました。3DCG制作には、特殊なディレクションが多く、どんな仕様書をどのタイミングで用意すべきか。どのタイミングでどのようなやりとりをすべきか。チェックバックはどんな流れでどこまですべきか。そうした細部に至る非常に煩雑な作業は、遠隔地で高品質な3DCGを制作するには絶対に欠かせないもの。同時に、クラウドソーシングを円滑に運営するためにうえで欠かせない、非常に重要な要素となります。こうした貴重なノウハウを蓄積できたことで、『CGクラウド』立ち上げが可能となったのです。

―今後のビジョンを聞かせてください。

森本 『CGクラウド』には、すでに大手ゲーム会社や有力制作会社のほか、著名なクリエイターの参加が予定されています。

 MR(※)やホログラムなど新しい技術の台頭も予想されることから、今後3DCG市場は膨大な可能性を秘めています。その技術の担い手であるクリエイターに新しい働き方の可能性を提示することで、明るい未来を感じてもらう。『CGクラウド』でそんな世界を実現していきたいです。

大塚 従来のクラウドソーシングとは違い、発注者、受注者、運営者の三者がともにWIN―WIN―WINとなれるような新しいクラウドソーシングのカタチをめざしていきます。

 6月よりクローズドにて登録をスタートしますので、まずは3DCGに関わる方は気軽に参加して頂けると幸いです。

※MR : Mixed Reality=複合現実感

森本 高廣(もりもと たかひろ)プロフィール

1982年、福岡県生まれ。14歳の頃から3DCGのデザインとプログラミングを学ぶ。2006年、株式会社アニマ入社。2011年には中国にわたり、現地法人アニマフォレイステクノロジーCo.,Ltdの立ち上げに従事。2013年に同社の総経理(代表取締役社長)に就任する。2016年、株式会社アニマを退社し、株式会社TANOsimを設立。

株式会社TANOsim CTO 兼 CGクラウド事業総合責任者 大塚 慎也(おおつか しんや)プロフィール

1990年、静岡県生まれ。東京学芸大学在学中にスタートアップ企業数社でインターン。代表として途上国での教育支援を実施。大学卒業後、株式会社アクセンチュアに入社。国内外の大規模プロジェクトに従事した後、2017年、株式会社TANOsim創業に参画。

株式会社TANOsim

設立 2016年12月
事業内容 3DCGクラウドソーシング事業、インターネットによる各種情報提供事業、デジタルコンテンツの企画・制作・販売等の事業
URL http://www.tanosim.co.jp/
お問い合わせ電話番号 03-4405-6997
お問い合わせメールアドレス info@tanosim.co.jp

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