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広告デザイン事務所 HS広告スタジオ 代表 / 障がい者就労継続支援A型事業所みらいサポート三重 管理者 日置 成剛

採用・集客など自社の課題を解決する「広告デザイン」のつくり方

形や色などビジュアル要素をきれいに、カッコよく構成するのがデザイン―。こう考えている経営者は多いだろう。しかし、「それは大きな誤解です」とHS広告スタジオ 代表の日置氏は指摘する。「経営課題の解決につながらなければ意味がない。そのためには、ビジュアル要素にとどまらない一歩踏み込んだデザインができ、Webマーケティングについても実績やノウハウ、スキルのあるデザイン会社やデザイナーを選ぶべき」(日置氏)。採用や集客など経営課題の解決にむすびつくデザイン会社の選び方、「デザインの本質」を会得するまでの経緯などを日置氏に聞いた。

「実現したいゴール」から逆算して最大効果を発揮する手法を実行する

―中小・ベンチャー企業が自社の広告デザインを制作する際の広告デザイン会社選びのコツを教えてください。

 コンサルティングの視点でお話をうかがいながら、クリエイターの視点でどんなアウトプットが可能か、効果的かを考えることができる広告デザイン会社を選ぶことをオススメします。

 余計な時間をかけず、最終目的地(認知度アップ、集客力アップなど)までの工程を提案できるかどうかもチェックしてください。

―ケーススタディを教えてください。

 私たちの顧客事例を紹介しましょう。ある運送会社のケースですが、「ホームページをリューアルしたい」と依頼を受けました。

 最初は漠然とした内容だったのですが、詳しくお話をうかがうと、その会社の大きな目的がリクルーティングだとわかりました。つまり、詳しくヒアリングしていくと、ホームページを刷新したいのは、採用にチカラを入れたいから、ということだったんです。

 その企業は20代中心の若い会社。若さを前面に出したホームページに刷新したほか、さらに一歩踏み込んでSNSでの情報発信も提案しました。ただSNSを使うだけではなく、10代、20代、30代に分けて、どのSNSに、どんな情報を載せ、どんなタイミングで発信していくかまで含め、Webコンサルタント的に関わりました。

 その結果、求人媒体に出稿するよりはるかに効率よく、若い世代からの問い合わせが増えたそうです。

 もうひとつ、ある学習塾の事例もご紹介します。ホームページの制作依頼で、お話をうかがうとこちらもリクルーティングが課題。現状は就職や進学といった生活スタイルが大きく影響する面を持つ大学生のアルバイト中心で、定着率が悪いということでした。

 ヒアリングの過程で出てきたのが「女性の活用」です。学生時代に家庭教師、塾講師の経験があり、今は子育てで仕事を離れている、子育て世代の女性。そこをターゲットにホームページの構築、SNSの利用を考えましたが、最終的に最も効果的だったのはDMでした。

 子育てをしている女性は忙しく、SNSで落ち着いて検索する時間があまりない。そこで提案したのがDMやチラシ。郵送、ポスティング、手配りといった確実に手にとってもらえるアナログな手法のほうがきっかけになりやすいんです。手配りには私も参加しました。

 学生からの問い合わせは少なかったけれど、ターゲットとした子育て世代の女性からの問い合わせがグッと増えたと、よろこんでいただけました。

 このように、引き出して、踏み込んで、より効果的なカタチを提案する。見映えのいいビジュアルだけではなく、自社が広告デザインを通じて実現したいことについての「グランド・デザイン(基本構想)」を描けるデザイン会社をパートナーにもつと、その効果に大きな違いが出てくると思います。

―ひとくちに広告デザインといっても、取り組み方によってはいろんな方法、さまざまなやり方があるんですね。

 目に見えているのは氷山の一角。表にはあらわれないけれど、手間暇かけてじっくり取り組んだ仕事を感じてくれる人が必ずいると思っています。

 私はそのチカラを「編集力」と言っています。見た人の想像力を刺激するような、編集力のある提案ができてはじめて、この仕事は成功。ずっとそう考えていますね。

HS広告スタジオの実績事例

「マルチ・デザイナー」としての基礎になった若き日の世界放浪と逆境

―編集力とはどういったものか、もう少し詳しく教えてください。

 経営者と何度かお会いすると、社員には言えない葛藤だったり、冷静な顔の裏にある熱さだったり、人間臭い部分が出てくるもの。そういう要素も含めて情報を集め、整理して、ストーリーを構築する作業に必要なのが編集力です。

 お客さまが法人でも個人でも同じですが、最初にお話すると「当社(私)にはこういう強みがある」「こんなふうに変えたい」といろいろ出てきます。納得できる部分も多いのですが、「客観的に見るとちょっとズレている」と感じるところも。

 会社も人間も、「自社(自分)のことは自分がいちばんよくわかっている」と思いがち。けれど、まわりからは違う印象を持たれていることも多いんですね。私の場合、まずお話を聞き、クライアントの主観と想いを引き出した上で、そこに客観的な視点からの提案を加え、ベストバランスを探ります。

―広告デザインについて、そうした踏み込んだ考え方をするようになった理由を教えてください。

 それは、私が広告デザインという仕事と出会うまでの経緯のなかにあります。私はもともとデザイナーを目指していたわけではありませんでした。20代半ばまでは、北米を中心にワーキングホリデー、バックパッカーとして過ごしていました。

 そこでいろんな国の人たちと知り合えたことが、その後の人生に大きな影響を与えてくれました。海外を旅して出会った人たちには、大学を卒業してから世界中を巡っている人がけっこういたんですね。みんな自由というか、人生は誰かに決めてもらうんじゃなく、相応の責任を自覚しながら自分で決めるもの。そんな考えをもっているんです。

 そうした人たちと触れ合い、私も「常識にとらわれないで、自分がほんとうにやりたいことをやろう」という想いを抱いて日本に戻り、PCのスキル取得、デザインの勉強を始めました。

―なぜ、PCのスキルやデザインだったんですか。

ちょうど初期型iMacが発売された頃で、直感的にものすごい可能性を感じたからです。

 もともとグラフィックデザインに興味があったので、働きながら夜間の学校で勉強を始め、最初に就職したのが名古屋の印刷会社のデザイン部門でした。でも、最初の1年はデザインをまったくさせてもらえず、現場で印刷の工程をひと通り経験する日々でした。

 当時は「どうしてデザインをさせないんだ!」という気持ちがありましたが、振り返ってみると、印刷現場を経験したことでデザイナーとしての仕事がとてもやりやすくなった部分があります。この内容ならこのスケジュールでいける。この写真はもっとコントラストを強められるとか、現場がわかっているこその指示が出せますから。あの1年はほんとに貴重でした。その後、別のデザイン会社に転職しました。

企業や人間のドラマを編集して発信するメディアを立ち上げたい

―そのデザイン会社でデザイナーとしての地歩を築いたんですね。

 ええ。ただ、私がちょっと変わっているのは、デザイナーだけではなくカメラマンの仕事やWebマーケティングの領域に関わる提案もしていました。

 SOHOのスタイルで個人での仕事をやり始めたのもこの頃です。

 海外を旅している頃から写真は趣味で撮っていました。デザインの仕事をしていると、提案に写真を使うことがよくあります。リースにしろカメラマンに依頼するにしろそれなりのコストがかかるので、ある時、自分で撮った写真を使ってみたんです。すると「この写真いいね、どのカメラマン?」となり、「それはぼくが…」と。

 以来、デザイン提案には自分の写真も使うようになり、今はカメラマンや写真家として仕事を依頼されることもあります。ディレクターとデザイナーの視点で、商品やサービスを「どう見せれば効果的か」をふまえて撮影できるのは、自分の強みのひとつだと思っています。

 また、働いていたデザイン会社はグラフィック中心の会社でしたが、私は「これからはWebの時代がくる」と思い、社長に何度かWeb分野への進出を提案しました。

 しかし、Webデザインについてスキルがあるのは私しかいなかったし、グラフィック一本でやってきた職人気質の社長はあまり乗り気ではありませんでした。「Webはやらない」という社長と「やってほしい」というお客さまの声が多くなってくる事実と…。

 それで、そういった困っているお客さまをサポートするには独立しかないと思い、HS広告スタジオを設立しました。

 ですから特段に強い独立意欲があったわけではなく、お客さまのご要望に突き動かされるかっこうで独立に至ったというのが正直なところです。

―今後のビジョンを聞かせてください。

 クライアントからのオーダーをただビジュアルな形にするのではなく、ある種の驚き、楽しさを感じてもらえるように一歩踏み込んで提案していくことをこれからも続けていきたいですね。

 わたしたちの場合、さまざまな分野の社外のプロたちとネットワークを構築し、規模の大きいデザイン会社と同質の仕事を低価格で提供できるという特徴があります。私がディレクターとしてプロジェクトをマネジメントし、お客さまの要望や実現したいことをカタチにしています。

 それと2017年に管理者を拝命した障がい者就労継続支援A型事業所では、社会貢献型の広告デザインを展開しています。障がい者の人達に、一般的に難しいと言われる就労の場を持ってもらい、生産活動の個々のスキルアップや自立を支援する事業です。

 わたくしたちにデザインやそれに関わることを依頼していただくだけで社会貢献になるといった仕組みになっています。今後、今まで以上に必要とされる企業の社会的責任(CSR)の一助にもなると思います。どういったことでもご用命いただければ、うれしいですね。

 また、法人でも個人でも、今は埋もれているけど、面白い会社(人)、人間のドラマは至る所にあるはず。それを編集して発信できるようなメディアの立ち上げも私の夢のひとつです。未知の領域への挑戦は自分を成長させるチャンス。時間がかかってでも実現させたいですね。

日置 成剛(ひおき せいごう)プロフィール

1973年、三重県生まれ。広告デザイン会社 数社を経て、2015年に広告デザイン事務所 HS広告スタジオを設立し、代表に就任。2017年から障がい者就労継続支援A型事業所 みらいサポート三重の管理者も務める。

広告デザイン事務所 HS広告スタジオ

設立2015年5月
従業員数1名
事業内容総合ブランディングサービス、広告制作、コミュニケーションデザイン制作
URLhttps://www.hscreativestudio.com/

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