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グローバルの経営者インタビュー

I-GLOCALグループ 法人代表 蕪木 優典

中小企業が初めてのベトナム進出を成功させる方法

国民の6割以上が30歳未満という若さ溢れる東南アジアの新興国。製造拠点としてだけではなく、消費市場としても勢いを帯び始めたベトナムに、大企業だけでなく中小・中堅企業の進出が相次いでいる。チャイナプラスワンとして注目されるベトナムで、中小企業が成功するカギはどこにあるのか。設立9年で400社超の日系企業のベトナム進出を手掛けてきたアイ・グローカルグループ代表の蕪木(かぶらぎ)氏に、ベトナム市場の魅力やベトナム進出の成功術などを聞いた。

※下記は経営者通信17号(2012年2月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―ベトナム市場の魅力と近年の動向について教えてください。

蕪木:私はここ10年来、ベトナムにおけるビジネスに携わっていますが、当初から変わらない魅力は「溢れる活気」です。それは平均年齢27.4歳というベトナム人の「若さ」と、その若さが生み出す「旺盛な消費力」でもあります。  この旺盛な消費力により、これまで人件費の安さから製造拠点として注目されていたベトナムは、近年、消費市場へと変化を遂げています。その結果、以前は大手メーカーが主だった進出企業が、現在は中堅・中小企業へと広がってきているのです。

―御社はベトナムへの進出から進出後の会計・税務、人事労務、監査業務などをトータルに支援しているそうですね。現在の取引企業数を教えてください。

蕪木:当社では現在、約400社超の日系企業さまとお取引しています。これは、ベトナムにおける日系企業との取引数では最大規模だと思います。当社では、会計や人事労務にまつわるサービスをワンストップで提供することで、経営者の方々に本業に専念していただきたいと考えているのです。 また、当社がご支持いただいている理由の第一は「クイックレスポンス」。お客さまからの問い合わせや要望に、素早く対応することを重視しています。仕事のスピードが日本よりもスムーズではないベトナムでは、特に欠かせない対応だと思い心掛けています。第二が「仕事のやり易さ」。当社のベトナム人社員は日本語が堪能なうえ、日本式のビジネススタイルを身につけていますから、コミュニケーションがスムーズです。また、弊社スタッフ一同はお客さまに対して、仕事をやらせてもらっているという感謝の気持ちを持ち“喜んで”仕事をすることを心掛けています。第三が「ベトナムでの豊富な経験」。当社は日系資本として初めて日本人でベトナム公認会計士資格を取得した人材を擁して、多数の資格保持者が常勤している唯一の日系会計事務所であり、創業以来、数多くの案件を手がけてきました。中には思うように進まない案件もありましたが、それらの失敗経験を糧にして、業務改善を積み重ねてきたのです。 さらに、当社ではこうした数多くの実績から得たノウハウを、データベースとして蓄積しています。このため、会計、税務、人事など法令に関する疑問が生じた場合、お客さまはQ&A形式で過去の事例を閲覧することが可能。過去の経験に裏打ちされたナレッジを共有することで、お客さまに利便性と安心感を提供しているのです。

―ベトナム進出において、注意すべき点を教えてください。

蕪木:自社の進出規模を見極めることが重要です。小規模、小額の資本金でスタートして様子を見るなど、身の丈に合った経営からスタートすることが、むしろ事業拡大の近道となります。  例えば、当社が懇意にしているお客さまで金属加工を行う企業ですが、CADデータの製作を行うため、2005年にベトナムに進出しました。この企業さまのような生産加工業が利益率を上げるためには、※リードタイムを短縮することが非常に重要。つまり、営業マンが受注した案件をいち早くデータ化することがコストダウンのカギとなるため、人件費が安く、24時間体制で動けるベトナムに注目したわけです。そして、進出当初は数台のパソコンと数名のベトナム人だけで事業をスタート。どんな小さな注文にも柔軟に対応したことで受注が広がり、現在では順調に事業規模を拡大しています。

―ベトナムで成功する会社と失敗する会社の違いは何だと思いますか

蕪木:成功する会社とは失敗をしない会社ではないと思います。失敗から学び、同じ失敗を繰り返さない会社です。また、社是や組織風土、戦略が明確で解りやすく、なによりも、現地の人財を育てる組織風土、教育・研修制度があることが大切です。 人材育成においては、上司と部下がお互いの考えを理解し合うことがも重要です。何を考えているか解らない上司と部下の関係ではなく、お互いに何を考えているか解る上司と部下の関係があるべきです。また、高い給与を払えばいいというものではなく、自社が生産している商品の内容や役割などを明確に説明し、仕事に対する責任感を持たせることも必要です。そのうえで、「ベトナム人を正しく評価し、会社の成長と本人の成長を並行して考えられるようにする」ことが、成功へのカギではないかと考えています。逆に失敗をする会社は、明確なコンセプトや実現可能な具体的な事業計画を持たずに大規模な設備投資や人材採用を行う会社です。それではビジネスが机上の空論に終わってしまい、事業の立ち上げ以前に撤退を余儀なくされてしまいます。 当社では、私たち自身が考えて理想とする企業文化と明確なビジネスモデルを持ち、継続的に発展する経営を持続することで、より優れた企業になる努力を続けています。今後はお客さまから「現地での最適な実務ノウハウを一緒に考えてくれる仲間」としてさらなる信頼感を獲得していきたいですね。

※リードタイム:生産・流通・開発などの現場で、工程に着手してから全ての工程が完成するまでの所要期間のこと。

蕪木 優典(かぶらぎ ゆうすけ)プロフィール

1972年、2月生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。1996年に朝日監査法人(現あずさ監査法人)に入所。2000年、アンダーセンベトナム(現KPMGベトナム)へ出向し、以来、ベトナムでのビジネスに携わる。同年、日本人で初のベトナム公認会計士試験に合格し、ベトナム公認会計士となる。2003年9月、I-GLOCAL CO.LTDを設立、代表取締役に就任。ベトナム進出企業へのワンストップサポートサービスを提供している。

I-GLOCALグループ

設立 2003年9月≪株式会社I-GLOCAL, I-GLOCAL CO.,LTD, IGL AUDIT CO.,LTD 他 合計 5社≫
資本金 約1Mil USD
売上高 約3 Mil USD
従業員数 約120名超
事業内容 会計コンサルティング事業、会計監査、M&Aコンサルティング、税務コンサルティング、人事労務コンサルティング、企業進出コンサルティング、その他
URL http://i-glocal.com/
お問い合わせ電話番号 03-5549-2021

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