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株式会社グローバルニュートリショングループ 代表取締役 武田 猛

健康食品ビジネスで成功する企業、失敗する企業

3.1兆円もの市場規模を誇る健康食品ビジネス。人々の健康意識の高まりを背景に、いま「健康」をキーワードにしたマーケットは活況を呈している。そして、このマーケットへ新規参入し、成功を収めた企業も増え始めている。サントリー、富士フイルム、ヤマハ発動機などは、その好例だ。グローバルニュートリショングループ代表の武田猛氏は「人々の健康増進、医療費の削減に役立つなど、健康食品ビジネスには大きな可能性がある」と語る。武田氏は国内外の健康食品ビジネスに精通した気鋭のコンサルタント。今回は武田氏に、健康食品ビジネスの現状、新規参入で成功するポイントなどを聞いた。

※下記は経営者通信9号(2010年11月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―健康食品は、21世紀の成長ビジネスとして注目を集めています。

武田:現在、健康食品の市場規模は約3.1兆円。高齢化社会の到来、消費者のストレスの増大、健康志向の高まりなど、健康食品ビジネスには追い風が吹いています。そのため、少子化で内需が先細りしていく中でも、さらなるマーケットの成長が見込まれています。また健康食品ビジネスには、大きな可能性があります。健康食品は「予防医療」の役割を果たすことができると考えています。誤解を恐れずに言うと、現在の医薬品は風邪ひとつ治すことができません。解熱や鎮痛、抗炎症など、対処療法のみです。しかし、健康食品であれば、免疫力を向上させ、そもそも風邪を引きにくくすることもできるのです。高齢化社会が進む日本では、医療費が年々膨れ上がっています。もし健康食品が広まれば、人々の健康を増進し、病気の一次予防になる。ひいては医療費の抑制にも役立つのです。実際、米国やオーストラリアでは「健康食品の利用によって医療費を大幅に低減できる」とシミュレーションされています。

―なるほど。健康食品ビジネスは、社会貢献にも役立つわけですね。

武田:ええ。しかも、日本の健康食品は、世界の健康増進に貢献できる可能性があります。なぜなら、日本食は世界で最も健康的な食事だと言われており、注目すべき素材や加工技術などが数多くあるからです。たとえば、発酵食品などはその好例です。このような日本独自の素材や加工技術を活かせば、世界に通用する健康食品を生み出せると思います。  ですから、このマーケットの将来性に着目し、新規参入する企業も増えています。実際、2000年代には異業種からの新規参入企業が相次ぎました。多くの製薬会社や富士フイルム、ヤマハ発動機などがその代表例です。

―しかし、新規参入企業が事業撤退したという話もよく聞きます。どうすれば健康食品ビジネスで成功することができますか。

武田:まず健康食品マーケットの特性を理解することです。健康食品ビジネスは、非常に特殊なマーケットです。このマーケットの特性を理解しないと、成功は難しいと思います。中でも、知っておくべきなのは「法規制」です。健康食品は法律上、効果・効能などのベネフィットを消費者に直接的に訴えることができません。効果・効能を謳うと、「食品」ではなく「未承認の医薬品」となり、薬事法違反になるんです。具体的な例を挙げると、「日々の健康維持のために」、「不足がちな栄養素の補給に」という広告文はOKですが、「階段の昇り降りが楽になる」、「視界がスッキリする」、「睡眠の質が良くなる」などは効果・効能を標ぼうするためNGです。

―なるほど。健康食品ビジネスをスタートさせる際は、必ず法律対策が必要ですね。

武田:そうですね。また、健康食品マーケットを複数のマーケットの集合体として捉えることも大事です。よく「健康食品」と一言で括られがちですが、実際は複数のマーケットの集合体なのです。そのため、商品によって販売戦略を大きく変える必要があります。たとえば、サプリメントとダイエット食品では、とるべき販売戦略が全く異なります。サプリメントの場合、リピートを増やして、長期的に利益の出る販売戦略をとります。一方、ダイエット食品の場合、顧客はダイエットに成功しても失敗しても、その商品から離れる傾向が強い。そのため比較的に高価格に設定し、短期間で利益の出せる販売戦略をとるのが定石です。

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