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営業支援の経営者インタビュー

株式会社クレスト 取締役 永井 俊輔

クラウドを活用して前年比30%成長を実現

創業30年目にして、劇的な成長を遂げた中小企業がある。店舗サイン(注1)事業を中心に、DTP事業、ガーデン事業を展開するクレストだ。同社は年率5~10%のゆるやかな成長を続けるなか、2013年2月期に30%成長を果たした。その業績向上に大きく貢献したのが、クラウド型営業支援・顧客管理ツールSalesforce(セールスフォース)である。どのように活用し、成長の壁を突破したのか。同社代表の後継者であり、営業を統括する永井俊輔氏に聞いた。

(注1)店舗サイン:店舗や施設に関する看板や広告物のこと。

※下記は経営者通信28号(2013年11月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―営業において、御社が抱えていた問題を教えてください。

永井:属人的で非効率だったことですね。営業活動に関する情報が、まったく社内で共有されていなかったのです。たとえば、テレアポがとれて訪問した新規企業から「半年後に依頼したい仕事がある」といわれても、フォローは個人まかせ。担当者が忘れてしまうと、せっかくの機会を損失していました。また、見積書と請求書の管理にも余計な労力を費やしていました。見積書は営業スタッフがExcelでつくり、それぞれのパソコンで管理。請求書の発行は、経理担当者がExcelの見積書を見ながら会計ソフトに手入力していたんです。

―なぜSalesforceの導入を決めたのでしょう。

永井:クレストは私の父が創業した会社。さらなる成長を目指すには、個人の感覚だけに依存せず、経営を科学することが重要だと考えたからです。そこで、経営に科学的な方程式を組み込むため、営業支援や顧客管理などのシステムを扱う5社に連絡。モバイル対応、情報セキュリティ、導入実績、拡張性などを重視し、Salesforceを採用しました。

―実際の運用で工夫した点はありますか。

永井:「営業の各ステップで情報を入力しなさい」と命じても、その通りにはいきません。各ステップで入力しない人が5%出てしまうと、最後のステップである請求書発行では、全体の60%ほどしか入力されていない状態になります。そこで発想を転換し、請求書発行から逆算。「Salesforceに案件情報を登録しなければ、見積書がつくれず、請求書も発行されない」という仕組みをつくったのです。さらに、少しでも手間を省けるように入力項目をしぼりました。こうした取り組みの結果、導入当初から100%近い入力率を実現。重要な顧客情報を社内で共有できるようになりました。

―導入後の効果を教えてください。

永井:驚くべきことに、売上が前年比30%もアップしました。最大の理由は、KPI(重要業績評価指標)を毎日チェックし、必要な手を打ってきたからです。具体的にはSalesforceを使い、「アポイントの目標達成率」「新規案件の発生ペース」「進行中の見込み案件」などを可視化。日・週・月単位の指標を毎朝のミーティングで確認し、各営業スタッフの行動計画を立てました。役に立ったのは、営業プロセスに潜む異常値の洗い出しです。たとえば「繰り返し購買金額レポート」では、月に2ケタの受注件数なら「緑」、1ケタなら「赤」にグラフを色分け。得意先からの発注ペースに変化があった場合、ひと目でわかるようにしました。そうした異常値を発見すると、問題を解消するために議論します。とはいっても、ここ数ヵ月の間、いわゆる営業会議は開いていません。

―営業会議をせずに、どのように議論しているのですか。

永井:社内SNSのChatter(チャター)(注2)を活用し、リアルタイムにコミュニケーションをとっています。たとえば、私がある営業スタッフに向けて、「A社は見積書を提出済みだから、こまめにフォローしてください」と書き込む。すると本人が「来週に訪問して状況をうかがう予定です」と返事。それを読んだ上司や前任者から、アドバイスや補足情報が入ってきます。じつは、かつて当社のマネジメントは精神論が中心でした。でも上司からのプレッシャーや叱責では、モチベーションは上がりません。一方、KPIは客観的な事実なので、指示に納得できる。具体的な改善策も立てやすく、スタッフ一人ひとりの営業成績も向上しました。

(注2)Chatter(チャター):セールスフォース・ドットコムが提供するセキュアな企業内リアルタイムコラボレーションツール。

―業績低迷に悩んでいる経営者にメッセージをお願いします。

永井:SFAやCRMは、あくまで道具。目覚ましい成果を出すためには、徹底して"使い倒す"ことをオススメします。自社にあった活用法を追求し、属人的な営業を変革してください。

永井 俊輔(ながい しゅんすけ)プロフィール

1986年、群馬県生まれ。2009年に早稲田大学を卒業後、株式会社ジャフコに入社。M&Aやバイアウトに携わった後、父親が経営する株式会社クレストへ入社。2012年に取締役に就任し、4年間で売上を2倍に拡大させた。サイン&ディスプレイ業界のNo.1企業をめざしている。

株式会社クレスト

設立 1987年9月(創業:1983年1月)
資本金 3,000万円
売上高 15億3万円(2012年3月期)
従業員数 70名(2013年8月末時点)
事業内容 店舗サイン事業、DTP事業、ガーデン事業など
URL http://www.crestnet.jp/

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