累計経営者300人に取材
経営者の経営力を上げるメディア
著名経営者の経営者インタビュー

カルビー株式会社 代表取締役会長兼CEO 松本 晃

経営を単純化して着実に戦略を実行せよ

※下記は経営者通信32号(2014年6月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―御社は2011年3月に株式を上場しましたが、グループビジョンにはステークホルダーの最後に株主が記されています。なぜ株主第一主義ではないのですか。

松本:上場企業として、最終的には株主への利益還元をめざしています。でも、そのためには最初から株主利益を追い求めたらうまくいかないんですよ。その理由は、短期的視点におちいって中長期の戦略を実行しづらくなるから。もうひとつは、不祥事を起こす可能性が高まるからです。株主のために今期の利益向上だけをめざしていると、いつか不祥事を隠したり、粉飾決算をしかねません。あとは結果ですよ。「従業員が大事、コミュニティが大事」なんて理想を語っても、結果が出なかったら経営者はクビ。それは株主が決めることです。

―カルビーグループはアジア地域を中心に、積極的な海外展開を進めています。経営資源の乏しい中小・ベンチャー企業は、どのようにグローバル化に対応すればいいのでしょう。

松本:国内の成功体験を海外に持ち出しても、うまくいきません。成功するために欠かせない要素が3つあります。1つめは、コスト。「おいしいから売れる」という理屈は通りません。その国でお客さんが払ってくれる値段を見つけて、コストを適正化してください。2つめは、スピード。たとえば、もともと中国には「スナックを食べる」という習慣がありませんでした。ところが、ここ数年ものすごい勢いで市場が成長している。海外メーカーの対応も速く、こういったスピードについていかなければ成功は難しいでしょう。3つめは、現地化。仕入れや商品開発はもちろん、経営者や従業員も現地の人材がいい。本社はサポートに徹します。

―なぜ日本人よりも現地の人材がいいのですか。

松本:どの国の人材も、本来もっている能力は同じだと思いますよ。ただ2014年の時点では、少し日本人が劣勢です。あまり勉強しない、一所懸命に働かない、人件費が高い。すると、現地の人材を使うほうがうまくいく可能性が高いわけです。マネジメント側を日本人で固めるやり方は、とっくの昔に終わりました。中小・ベンチャー企業でも、現地人材をトップにすべきです。

―松本さんが考える、経営者に必要な条件を教えてください。

松本:すべての基盤になるのは倫理観です。わかりやすく表現するなら、「おてんとさまが見ている」と考えることですね。たとえば、制限速度が時速50㎞の道路を51㎞で運転してもいいでしょうか?たとえ人が見ていなくても、おてんとさまが見ているのでルール違反はいけません。法律は国によってバラバラですが、基本的な倫理観は世界共通です。

―ほかの条件はありますか。

松本:2つめは、地頭。学力や学歴とは関係ありません。3つめは、コミュニケーション力。話の上手下手ではなく、人から好かれることです。4つめは、トラックレコード。過去に圧倒的実績があると、成功する確率が高い。5つめは、論理的思考力。相手を納得させる力です。これは地頭が悪くても、身につけられます。そして最後は"徳"。「あの人のためなら」と周囲に思わせるような高い人間性です。

―業績低迷に悩む中小・ベンチャー企業の経営者に対して、アドバイスをお願いします。

松本:経営者の仕事は夢づくりです。ぜひ従業員がワクワクするようなホラを吹いてください。たとえば、柳井さん、孫さん、三木谷さんは"大ボラ吹きの大夢語り"でしょう?企業規模に関係なく、「みんなでこの夢をかなえよう」という壮大なビジョンがあると、それに向かって強力なベクトルがはたらきます。私たちも「2020年に1兆円企業」「業界で圧倒的No.1」といった目標を掲げています。実際にそうなるかどうかはわかりませんよ。魅力的な夢をえがいて、従業員を感化することが大切なんです。

松本 晃(まつもと あきら)プロフィール

1947年、京都府生まれ。1972年に京都大学農学部修士課程を修了後、伊藤忠商事株式会社に入社。同社の子会社であるセンチュリーメディカル株式会社の取締役営業本部長を経て、1993年にジョンソン・エンド・ジョンソンメディカル株式会社(現:ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社)に入社。代表取締役社長、最高顧問を歴任後、2009年6月にカルビー株式会社の代表取締役会長兼CEOに就任。以来、同社を5期連続の増収増益に導いている。現在は国立大学法人東北大学未来医工学治療開発センター客員教授、米国医療機器・IVD工業会(AMDD)顧問、京都府東京経済人会会長、地方独立行政法人長崎市立病院機構副理事長なども務める。

カルビー株式会社

設立 1949年4月
資本金 119億4,600万円(2014年3月31日現在)
売上高 1,999億4,100万円(2014年3月期:連結)
従業員数 3,377人(2014年3月31日現在:連結)
事業内容 菓子・食品の製造・販売
URL http://www.calbee.co.jp/

※このサイトは取材先の企業から提供されているコンテンツを忠実に掲載しております。ユーザーは提供情報の真実性、合法性、安全性、適切性、有用性について弊社(イシン株式会社)は何ら保証しないことをご了承ください。自己の責任において就職、転職、投資、業務提携、受発注などを行ってください。くれぐれも慎重にご判断ください。

月間人気記事ランキング集計期間:4/25~5/24

  • 海外で活躍する経営者のインタビューサイト Japan Business Headline
  • 海外で活躍する日本企業を増やす総合情報サイト ヤッパン号
  • ベンチャー支援のプロフェッショナル
  • 注目の西日本ベンチャー100
  • INOUZTimes
  • THAI GOOD COMPANY 100

経営者通信メールマガジン

経営者通信注目の企業や、ビジネスニュースなど経営者のための情報をお知らせします。

ご登録はこちら

経営者通信

経営者通信
経営者に贈る、経営者の"経営力"を上げる情報誌

全国の経営者向けに発刊している情報誌です。

経営者通信への掲載・取材希望の方

経営者に直接アプローチできる雑誌、経営者通信に貴社の取材記事を掲載してみませんか?

pagetop