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法律事務所アルシエン 共同代表パートナー/弁護士 清水 陽平

「ネット誹謗中傷」と闘う弁護士が対処法を公開

ブラック会社、詐欺商法…。いわれなきネットの誹謗中傷を匿名掲示板に書き込まれたとき、「どうせ削除できない」「相手を特定できない」と泣き寝入りしている経営者は多い。しかし、ネット誹謗中傷対策に取り組む弁護士の清水氏は「法的に問題のある書き込みは削除できる。相手を特定し、名誉毀損で訴えることも可能」と断言する。姑息なヤツラを眠らせない方法とは? 第一人者の清水氏に聞いた。

※下記は経営者通信23号(2013年1月号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

―一般には匿名掲示板などの書き込みを削除するのは難しいと言われています。本当に削除できるのですか。

清水:はい。「2ちゃんねる」「Yahoo! 知恵袋」「OKWave」やブログなどの法的に問題のあるネット上の書き込みは、依頼を受けてから、2ちゃんねるの場合は最速3日間、その他は最速1週間程度で削除できます。権利侵害(名誉毀損)の疑いがあるGoogleの予測検索や関連検索(注1)については、削除できないケースもありますが、確率はゼロではありません。私は4年前からネット誹謗中傷対策に取り組み、これまでに1万件以上、法的に問題のある書き込みや予測検索を削除しました。誹謗中傷を受けたら、会社を守るため、経営者は断固として適切な対処をすべきです。

(注1)予測検索や関連検索:入力したキーワードと組み合わせて検索されるキーワードや関連性の高いキーワードを自動的に表示し、再検索を補助する機能。

―削除させる方法を教えてください。

清水:代表的な事例として、2ちゃんねるとGoogleのケースをご紹介しましょう。2ちゃんねるの場合、裁判所に「削除仮処分命令の申立」を行います。裁判所は最短で2日以内に「仮処分決定」を出します。そして、仮処分決定書を閲覧できる状態にしたうえで、運営会社が定める手続きにしたがって削除要請を行います。法的要件を満たしていれば、要請した当日中に削除されることがほとんどです。ほかの匿名コミュニティやブログなども、同様の法的対処で削除できます。 運営会社に対して削除要請することがポイントです。訴訟を提起する手段もありますが、仮処分で対処したほうが費用も時間もかかりません。

―Googleについてはいかがですか。

清水:ウェブマスターツール(注2)のヘルプページにある「法律上の問題点を報告」の入力フォームにしたがって、権利侵害の事実を通報、削除要請します。その後、1週間から1ヵ月くらいの間に、削除するかどうか、Googleから回答メールが送信されてきます。経験的に言うと、あくまで権利侵害があると判断できるものについては、半分近くが削除できます。

(注2)ウェブマスターツール:Googleが提供するサイト管理者ツール。「法律上の問題点を報告」の入力フォームのURLはhttp://support.google.com/bin/request.py?&product=websearch&contact_type=lr_legalother

―注意すべき点を教えてください。

清水:感情的な対処をすると、不利益を被る危険があることに注意すべきです。たとえば、2ちゃんねるの場合、怒りにまかせて「警察に相談中」などと書いて削除を依頼すると、証拠保全のためという理由で、削除が凍結されます。また、運営会社は法的要件を満たさない要請には応じないことも念頭に置くべきです。この場合、改めて弁護士が法的要件を満たした削除要請を行っても、運営会社が一度出した結論を覆してくれないこともあります。こうなると訴訟するしか手段はなく、費用と時間がよけいにかかります。ですから、すぐに弁護士に相談することが最善です。 ただし、ネット誹謗中傷対策に取り組んでいる弁護士は、多くても都内で30人程度だと思います。時間がたつとログが消え、IPアドレス(注3)をたどって書き込み相手を特定することが不可能になるので、イザというときに備え、実績のある弁護士を普段から調べておくとよいでしょう

(注3)IPアドレス:ネットワーク上の機器を識別するために指定するネットワーク層における識別用の番号。個々の利用者にネット接続業者(プロバイダ)から割り振られる。

―匿名掲示板でも、相手を特定できるのですか。

清水:はい。まず、プロバイダ責任制限法によって、掲示板やブログなどの運営会社に書き込んだ相手のIPアドレスを開示させます。そして、IPアドレスから判明したプロバイダを訴え、判決によって契約者の情報を開示させます。書かれた内容が悪質な場合は、特定した相手を名誉毀損罪で告訴したり、損害賠償を求める訴えを提起します。

―ネット誹謗中傷を防止する抜本的な手段はありませんか。

清水:昨年9月1日付の朝日新聞朝刊「私の視点」にも寄稿しましたが、ネット分野の法整備は遅れており、時代に即した新しい法律が必要です。しかし、「表現の自由」とのかね合いもあり、「削除を義務付ける法律」のような新法は制定できないでしょう。時間はかかりますが、粘り強い取り組みがネットの暴走を食い止めるブレーキになります。匿名性を盲信すると痛い目に遭うことを学校で教えるなど、国民的なネットリテラシー教育を深め、継続する。それが、ネットと社会の関係を健全なものに変える唯一の手段ではないかと思います。

清水 陽平(しみず ようへい)プロフィール

2004年に早稲田大学法学部を卒業後、2006年4月に最高裁判所司法研修所に入所。2007年9月に司法研修所を修了後、都内準大手法律事務所に入所。都内コンサルティング会社を経て、2010月に法律事務所アルシエンを開設。著書に『ホームページ担当者が知らないと困るネットショップ 法務と手続きの常識』(ソシム、共著)などがある。東京弁護士会の弁護士向け研修講座「ネット中傷への対処法」の講師も担当。

法律事務所アルシエン

事業内容 【取り扱い業務】
法人向け/風評被害、債権回収、労働問題など、不動産、ガバナンス、事業再生、顧問
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お問い合わせ電話番号 03-5510-8255(受付時間 平日 9:00~18:00)
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