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経営コラム

株式会社CEAFOM(株式会社シーフォーム) 代表取締役社長 郡山 史郎

企業の成長に必要な本質

※下記は経営者通信号(号)から抜粋し、記事は取材時のものです。

戦術を座学する矛盾

前回は戦略と戦術の違いと、このうち"戦略"について詳述しました。今回は成長のための戦術を考えます。戦術は実行ですから、実地を行うのが基本です。論文や座学にはなじみません。したがって、いわゆるビジネス書を読んだり、ビジネスセミナーに行ったりするのは、実際の仕事の上では全く役に立たないといっても過言ではありません。そのような意味では、戦術に関するこのコラムも用心して読む必要がありますね。  こういう話を聞いたことがあります。ある業界の集まりで、事業がなかなかうまくいかないので、箱根の温泉に一晩泊まりで勉強会を開き、ホンダの創業者、本田宗一郎さんを講師に招きました。本田さんは会場に作業服で現れ、開口一番、「こんなところで人の話を聞こうなどと考えているから、事業がうまくいかないのだ」とおっしゃったそうです。事業は、自分で考え、自分で実際に問題を解決する。それが本筋です。自分の仕事をどうやったらよいか人に聞くようでは、成功はおぼつきません。もちろん勉強は必要ですが、それは"世間を広くしておく"、"他山の石のありかを知っておく"くらいのものです。ビジネスに関しては、教室の勉強で習うものではありません。また、そうは言っても、生まれつきの天才などがいるはずもなく、成功はすべて現場での試行錯誤の結果、努力と幸運によりもたらされるものです。 こうした性質を持つ"ビジネス戦術"を勉強する手段として、ハーバードビジネススクールが「ケーススタディ」という手法を考えました。これは実際にあった事業や製品の成功・失敗例を詳細に記述して、「もしあなたがこのビジネスの責任者ならどうするか」を考えさせるものです。これは一見、役に立ちそうですが、私の経験では全く実用性はありません。ビジネスの課題はそれぞれ違うので、その解決方法に共通性はほとんどないのです。このような勉強をしてMBAを取得しても、いざ実戦の場に臨んだら、肩書きより現場での経験と勘が頼りになってしまうのです。  ですから、ビジネス戦術を勉強する場は、ビジネスの現場なのです。OJTという言葉をご存知でしょう。これもアメリカ人が発明した言葉ですが、「On the Job Training」の略ですね。実地訓練のことです。私は、これを「オールド ジャパニーズ トテイセイド」の略だといっています。親方や先輩にかこまれて就業して、修業しながら勉強していく、この方がわかりやすいです。  ということで、このコラムは、企業のビジネス戦術の実際面(具体論/詳細)を扱うことはできません。それは一人ひとりが個別に考える問題です。そこで、ここでは"良い戦術の作り方・運用の仕方"を考えることにしましょう。それは役に立つかもしれません。

人を動かす戦術

良い戦術の基本は、人に始まり人に終わる。ビジネスは人がやるものです。「人をどう動かすか」、また「人を動かす人をどう選び、どう動かすか」で、戦術の良し悪しが決まります。日本では、戦国武将を経営者になぞらえることがあります。信長・秀吉・家康。あるいは信玄・謙信など、その用兵術に学ぶというものです。これは、経営における人の動かし方、戦術の勉強です。一国の経綸も会社の経営と共通点がありそうですから、そのようなことがなされるのでしょう。部下を持つ立場になったことのある人なら、山本五十六の名言を聞いたことがあると思います。曰く、「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」。山本は海軍の軍人で、指揮官先頭の良いリーダーでした。この言葉は、私の徒弟時代のビジネスの先生、ソニー創業者、盛田昭夫からも、少し違った言葉で教わりました。私の徒弟時代は米国駐在でしたので、ソニーアメリカの社長だった盛田は「部下を持ったら、次の四点に留意しなさい」というのです。  それは「Delegation,Appreciation,Conpensation,Protection」の4語です。英語ですみませんが、「まかせる、ほめる、はらう、まもる」という意味です。盛田はそれを実行していました。任せてくれて、失敗はとがめない。少しでもうまくいくと、やたらにほめる。成績が上がれば、給与をどんどん上げる。そして事件が発生すると、自分がとんでいって、部下をまもる。これでは、やる気が出るのがあたりまえです。  一方、これでは軟弱な社員が育つのではないかと思われますが、そうではありません。なぜなら、目標がやたらに高いからです。最終目標は世界制覇ですから、ぐずぐずしている暇はありません、努力しない、実績の出せない社員は急速にふるいおとされていきます。そんな猛烈な生き残り競争を社員に強いながら、上記の四原則を実行して、井深大の理念、経営戦略を実現、実践していくリーダー、盛田昭夫の面目がありますね。成長のための企業の戦術は、人に始まり、人に終わる。今回は「人をどう動かすか」というテーマの序論をやりましたが、次回は「どうして良い人を集めるか、集まった人を動かすリーダーをどう選ぶか」を考えてみます。

事業創造カフェ

前回コラム以降、我々CEAFOMは2回の「事業創造カフェ」を開催しました。当イベントは昨年計5回実施し、日本では数少ない「事業プロデュース」というキーワードで人が集まるコミュニティーとなりました。ちなみに11月は株式会社オウケイウェイヴ代表取締役社長の兼元謙任(かねもとかねと)さんに、ホームレスから上場会社の社長になるまでのご苦労を語って頂き、そのお話を踏まえ、皆でGoogleやFacebookを超える成長戦略を構想し語り合いました。さらに12月は、タリーズコーヒージャパン株式会社の設立当初に投資、現在は同社の特別顧問であり、国際教養大学の客員教授でもある須賀等(すがひとし)さんをお招きし、著名ベンチャーキャピタリストが語る「実戦・起業塾」というタイトルでお話を伺い、かつ参加者の起業プランを査定して頂きました。  上で述べた通り、こうした起業や事業の成長を実現する戦術を遂行する力は、皆さんご自身のアイデアや行動・発言を通じて磨かれるものだと思うのです。だからこそ、こうした実地訓練の場がとても大事だと思いますし、そうした場を運営することが、我々のように"事業プロデューサーのエージェント"を名乗る会社の責務であると思っています。このコラムをお読みの皆さんも、ぜひ一度足を運んでください。面白いですよ!今年の開催予定はまだ決まっていませんが、昨年開催した5回をよく振り返り、近く新装開店するつもりですので、折にふれ弊社HPをチェックしていただけると嬉しいです。

郡山 史郎(こうりやま しろう)プロフィール

ソニー株式会社取締役情報機器事業本部長、常務取締役経営戦略本部長、資材本部長、物流本部長、ソニーPCL株式会社代表取締役社長、会長、株式会社リーディング・エッジ社代表取締役社長を歴任。

企業情報

設立 2004年2月23日
資本金 1億5,400万円
URL http://www.ceafom.co.jp/

※このサイトは取材先の企業から提供されているコンテンツを忠実に掲載しております。ユーザーは提供情報の真実性、合法性、安全性、適切性、有用性について弊社(イシン株式会社)は何ら保証しないことをご了承ください。自己の責任において就職、転職、投資、業務提携、受発注などを行ってください。くれぐれも慎重にご判断ください。

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